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アメリカが伝統的な同盟国と溝を深めつつある最大の理由は、世界のリーダーシップへのアメリカ政府のアプローチにある。
アメリカは軍事、経済、技術、文化において圧倒的な存在感を持つ。
アメリカの指導者はパールハーバーの後には、日本とドイツという危険で特定可能な敵が存在したため、これに対して国家を動員し継続的な犠牲を呼び掛けることが可能であった。
アメリカの優越性の衰退は、たんに他の大国の勃興だけでなく、世界的な覇権という負担にアメリカが嫌気をさしつつあることの結果でもある。
新たなグランドストラテジーの構築のためには、アメリカはまず世界に関する新しい地図を作り出す必要がある。
環境問題はまさに、21世紀の国家安全保障問題なのである。
グローバリゼーションのプラスの側面はアメリカのパワーとは切り離せない。アメリカが国際経済をデザイン、マネージし保障すること。
アメリカの一極時代はこれからも世界情勢を規定し続けるだろう。その結果、現在の地政学的世界地図には主要な断層線が存在しなくなる。
過激派集団がアメリカに危害を加えるのを防ぐことは、国家にとって最優先課題であるべきだが、新しいグランドストラテジーや原則を立てるための基礎と誤解してはならない。
自由民主主義は、ナショナリズムなしでは機能できない。ナショナリズムは神話的な国民意識との融合によって顔のない国家に生命を吹き込む重要な要素である。