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自分が尊敬する御立さんが戦略を考える上で必要な「考え方」を示した本。
どんなにすばらしい経営戦略を学んでいても、それをそのまま次の案件に活かせるわけではない。
状況は常に変化し続けており、具体的な戦略をただ知識として覚えただけでは意味がない。肝要なのは、今まで吸収した知識をコンセプトレベルまで落とし込み、それを自分の中で定着させているかどうか。
そのようにして培われたナレッジと、問題を把握しスピーディーに処理する力、そして常に多様な物事の見方を組み合わせる。
それができたときに本当の有効な戦略が生み出されるのである。
実際の社会実務経験がない自分にとってはいささか抽象的に感じるところがあり、理解できないところもあったが、戦略コンサルタントを目指すとはこういうことであるのだということを少しは感じ取れた。
現時点ではまだ完全に解釈できたわけではないが、再読する価値のある本であると思う。
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コンサルタントらしい思考と発想はとても参考になった。
内容も実践的で、学者の書いた学術的・理論中心の書に比べ読みがいもある。
パターン認識のコンセプトワード15種は、頭の中に叩き込み、思考スピードを早めていきたいと思った。
戦略についても、実戦で使える具体性のある内容が多く、今後に活かしたい。
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悪くないです。ただ、見飽きた、聞き飽きたコンサル理論を仰々しく説明されるので、眠くなるだけです。インサイトというわりには、目新しいものがない(経験曲線とか先行優位性とか、わざわざもったいぶって説明する必要があるのでしょうか)。
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● 戦略とは「ありたい姿」マイナス「現状」であり、「ケンカのしかた」であると定義すると、「ユニークさ」をつくり出すことこそが、勝つための要諦だということがはっきりする。
● コスト系のコンセプトワード
「スケールカーブ」「エクスペリアンス・カーブ(経験曲線)」「コストビヘイビア」
● 顧客系のコンセプトワード
「セグメンテーション」「スイッチングコスト」「ロイヤリティ」「ブランド」
● 構造系のコンセプトワード
「V字カーブ」「アドバンテージ・マトリクス」「デコンストラクション」
● 競争パターン系のコンセプトワード
「ファースト・ムーバー・アドバンテージ」「プリエンプティブ・アタック」
● 組織能力系のコンセプトワード
「タイムベース競争」「組織学習」「ナレッジマネジメント」
● スイッチャーをリピーター化する、といったいどのくらい儲かるのだろうか。エアラインやホテル販売業、レストランなどのいろいろな業界では、リピーターが五パーセント増えると利益は二五パーセント増えるといわれている。
● 「千両役者ばかりを集めたところで、いい舞台は打てないからである。一流ばかりだと天狗の鼻が邪魔になって、俺も俺もと、みんなが頂上に登りたがり、収集がつかなくなってしまう。舞台には女形も要るし、黒子も、子供の役も要るのだ」西堀栄三郎
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・ リピータが5%増えると、利益は25%増える。
・ マーケティングの究極の目標は「人の嫌な気持ちを知ること」
・ アウトライヤー(特異点)の中にイノベーションの鍵がある。
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・不のつく忍本後でマーケティング
→「不平」、「不快」、「不信」、「不都合」などの裏側にある気持ちよさを探る
・思考をジャンプさせ、ひねりを使う
→人と逆のことをする
・スピード=「パターン認識+グラフ発想」×シャドウボクシング(論理的に仮説、検証をする)
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斎藤広達さんの本で紹介していたので図書館で借りて読んでみた。
著者は現在はBCGの日本代表ですね。
BCG流の発想方法が紹介されています。
とても勉強になりましたが、これを職場で生かしていくのはたいへん
かも。試行錯誤で誘導です。
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御立さんの本を読んだのは2冊目ですが、こちらもためになる内容でした。
ユニークな戦略=定石+インサイト(頭の使い方)
定石の紹介やモノの考え方などが具体例やケース問題を使って解説されていて、内容もとても理解しやすいです。
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本文より抜粋
「インサイト」とは、「勝てる戦略の構築に必要な“頭の使い方”、ならびにその結果として得られる“ユニークな視座”」のこと
公式1 ユニークな戦略=定石+インサイト
公式2 インサイト=スピード+レンズ
思考のスピードを最大限にアップし、定石を加工、応用して、次々に仮設を立てる。さらに、いったん仮説づくりの立場から離れて、仮説そのものの有効性を厳しく検証する。これを競争相手より数倍・数十倍勝るスピードで実行できれば、相手が考えついていない戦略で戦いにのぞむことができる。
一方、「レンズ」とはよりユニークな仮設をつくり出すための「モノの見方」であり、思考のツールである。定石を加工・応用していくうえで、どこかで自分の思考を非連続にジャンプさせることができれば、戦略のユニークさはより際立ったものとなる。
公式3 スピード=(パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング
戦略論のエッセンスをパターン認識化して使いこなし、グラフ発想で右脳をフル活用して仮設を生み出すこと。そして、将棋の場合同様、右脳左脳両方を使ってシャドウボクシングを行ない、仮説の検証・修正・再検証というプロセスを猛スピードで実行していくと。
多くのデータは何らかの加工を通じて、平均化されている。平均化された情報は、必ずしも実態を表さない。良い仮説を出すためには、まず平均情報をばらばらにし、個々のデータをすべて俯瞰することが第一歩となる。特に、グラフ化してしまうと、たとえ平均値情報でも事実を表したデータだと思い込んでしまいがちなので要注意である。
公式4 レンズ=“拡散”レンズ+“フォーカス”レンズ+“ヒネり”レンズ
視野を広げる“拡散”レンズ
(1)ホワイトスペースを活用する
・市場だと思っていないところも見る
ピザの考え方
(2)バリューチェーンを広げる
・企業活動を川上から川下まで見る
トヨタの例
バリューチェーンを広げて見ることで、自分の企業がいったいどの分野でどんな活動ができるのかを考え直し、成熟化した市場でも事業を再成長させようという企業が増えつつある。
(3)進化論で考える
・長い時間でマーケットを見る
日々の仕事のなかでは、せいぜい5年くらいのスパンでしかモノをみないようになりがちだ。時には、時間軸を大きく伸ばして、新しい戦略の余地はないか、じっくりと考えてみることが必要である。
狭く深く見る“フォーカス”レンズ
(1)ユーザーになりきる
・購買行動の全体像とディテールを把握する
たとえば自分がモノを売ることを考える前に、ユーザーはどんな人であり、どこで、
なぜ自社の商品を購入しているのかということについて、「なりきって」考えてみるのだ。
・どんな刺激を受け、どう商品を購入するか
消費者が現状では当たり前だと思っている行動を徹底的にくわしく観察して、妥協しているところはないか、もっと便利にできる方法はないかと考えて、消費者が妥協しているポイントを一つずつつぶしていく。
(2)テコを効かせる
・動かすと他も一緒に動くポイントを探す
どこを押さえればいちばん波及効果があるかを考えることだ。個々を動かすと効率的に他のものも一緒に動くというポイントを探すことが、戦略を構想するうえで重要なのである。
そこに力をかければ効率よく他も動き出すポイントはどこにあるのか、達成したい目標に応じて、広い範囲の可能性について、ゼロベースで考えていくくせをつけることが肝要である。
ナイキの例
(3)ツボを押さえる
・どんな消費者、ユーザーがツボになるかを知る
費用対効果の高いツボを探し、そのツボをどうやって押せば大きな効果が得られるかを考える。
思考をジャンプさせる“ヒネリ”レンズ
(1)逆バリする
・人と逆のことを行なう
(2)特異点を探す
・特異点を観察
通常の商品開発プロセスや戦略立案の場合には、平均値から外れたデータはアウトライヤーとして。排除しまいがちだ。しかし、アウトライヤーのなかにこそ、イノベーションの鍵があることが多い。
他とは全く違う特異性のなかにも、きちんと発掘して育てれば、大きな価値を生むヒントが隠されている。
(3)アナロジーで考える
・Aで成り立ったものがBでも成り立つか
「アナロジーで考える」ためには、普段から事象の表面だけを見ず、本当はこのメカニズムはどうなっているのだろうと頭を使うクセをつけることが必要だ。
単純な例ではあるが、自分でモノを購入して得だとかおもしろいと感じるときに、いったい何が起こっているのか、そのメカニズムはどうなっているのかと考えるクセがついていなくては、大盛り焼きそばのメカニズムは理解できない。
大盛り焼きそばのメカニズムを理解した人は、顧客心理に訴えかけ本来の機能とは違うアナロジーで考えられるようになる。
モノを買うときのメカニズムが一つわかれば、アナロジーでどんどん他の例を発想することができるようになるから、普段何げなく購入している商品についても、何でこれを買ったのかとか、どうしてこういう販売の仕組みになっているのかと疑問をもち、そのメカニズムを考えてみる訓練をすることが必要なのである。
・モノの見方をずらしてみる
物事のメカニズムを「だれが?」「どこで?」「なぜ?」そうしているのかという要素に当てはめ、その要素を一つずつシフトして考える。立方体を常に頭に置き、そのマス目にいろいろな要素を当てはめて思考実験してみればよいのだ。
インサイトのある戦略をつくるという作業は、単純ではない。データを見て、アイデアを出し、現場に行ってさらによいものにつくり変えていく。あるときは大胆に発想し、あるときは慎重にチェックする。
この作業は、戦略論の本を読んで、理論を理解するだけでできるようになるものではない。また、何かシステマチックなプロセスをたどれば、自動的に勝てる戦略がでてくるわけでもない。 戦略構築という行為には、芸のような部分がつきまとう。
戦略を策定するチームの場合、仮説を出す役、突っ込む役、現場に出て実態をチェックしデータを分析する役、あるいはチーム全体の進捗をコントロールする役。チームの中での役割はずいぶんといろいろな種類があり、そしてそれに適した性格タイプもある。
クリエイティビテイを刺激する「雰囲気」と「ルール」
異質の人材を組み合わせたとしても、チームのなかに、ユニークなアイデアを大事にし、みなでインサイトを生んでいくという「雰囲気」がなければ、おもしろい戦略はできてこない。
肩書きや得意分野にかかわらず、自由な雰囲気で議論できるようになってこそ、さまざまな知恵やアイデアが議論の俎上にのぼり、効果的なシャドウボクシングが可能となる。
PNIルール-まずポジティブに
議論は必ずPNIの順番で行え。まずポジティブに受け止め、良いところを探す。そして、そのうえでネガティブな要素を洗い出し、最後にもう一度、「このアイデアのおもしろいところはここだ」「もっとおもしろくするやり方はないか」という議論に戻る。単純なようだが。これだけでもチームの議論の雰囲気は、ずいぶんと変わってくる。
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ちょっと怒った!!!
だって、すごく分かりやすくて良い本なのに、もったいないんですもの。
・「インサイト」、「レンズ」等、キーワードになる部分の定義が太字になっていない
・分かりやすい入門書としても使えるのに、偉い人が書いた専門書みたいな表紙
・本文(理論)と、具体例がぱっとみて分からない
編集者、出てこい!(笑)
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自分の思考回路を分析することは、この知識創造型社会において非常に重要だ。
その一例を提示してくれる。
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難しいところですね。☆3~4ですが、内容に比して値段が1600円と高かったのでコスパ的な観点から☆3…かなぁと言った感じです。
最近メディアへの露出が増えて来て微妙な感じのBCGの方が2003年に出した本ですね。基本的な概念である、コンサルタントのフレームワーカー化を非難し、そこに「インサイト」と言う概念を付加、それこそがコンサルタントの主たる能力と説いています。その通りだと思います。
スピード(パターン認識(コスト系・顧客系・構造系・競争系・組織型)+グラフ発想)*シャドウボクシング(仮説検定)*レンズ(拡散レンズ(ホワイトスペース、バリューチェーン、進化論)+フォーカスレンズ(ユーザー志向、テコ、ツボ、)+ひねりレンズ(逆張り、特異点、アナロジー))と言う概念でユニークなアイデアを得る技術を提唱しています。
戦略コンサルタントの主たる業務となってしまった後光効果を抜けば、もはや戦略コンサルの役割はユニークなアイデアを提供するか新たなフレームワークを開発するかしかないでしょう。本書は前者に関する道を説いています。ただ、ユニークなアイデアをフレームワーク的な概念で創造しようとしている為、結局フレームワーク系の書籍でも網羅されている部分が多くなっており、どうなんだろうなぁと言う気はしないでもないです。
ちなみに戦略の基本たるフレームワークを覚えたい人は別の本を読まないと全く意味無いです。
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以前読んだ本。
言わずと知れた(?)BCG日本代表の御立氏。
戦略的な脳みその使い方について、分かりやすく書かれています。
戦略ストーリーの本を読んで、他人と違うことを見つける=この本でいうインサイトかなと思い、思い出しました。
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一言でいうなら、「インサイトの重要性」を説いた一冊。
インサイトを極めることで、ユニークさが確立し、差別化される。
以下メモ:
公式1 ユニークな戦略=定石+インサイト
公式2 インサイト=スピード+レンズ
公式3 スピード=(パターン認識+グラフ発想)xシャドウボクシング
公式4 レンズ="拡散"レンズ+フ"ォーカス"レンズ+"ヒネリ"レンズ
右脳と左脳のコラボレーション
→頭の使い方のクセを知る
チーム力でインサイトを生み出す
異質の人材を組み合わせる
「多様性からの連帯」(BCG東京事務所に掲げられている書)
クリエイティビティを刺激する「雰囲気」と「ルール」
→PNIルールの活用:議論はポジティブ(P)、ネガティブ(N)、
インタレスティング (I)の順番で行う
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WBSでもおなじみのBCG代表 御立 尚資さんの本
戦略とは理想と現実のギャップであるという(問題ともいえる)
近年、書籍等で戦略に関する知識はいろいろな方法で得られるがそれがイコール勝てる戦略を構築できるとはならない。
このギャップをつなげるのがユニークな戦略であるという。
ユニークな戦略 = 定石 + インサイト
インサイトとは勝てる戦略に必要な頭の使い方、その結果として得られるユニークな視座のことをいう。
インサイト = スピード + レンズ
スピード = (パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング
レンズ = 拡散レンズ+フォーカスレンズ+ヒネリレンズ
だという。それぞれどういうことなのか気になる人はぜひ読んでみてください。
確かにいくら戦略の本を読んで知識を得てもそれを現実の課題に対して活かせるかというと難しいなと思っていた。最終的には仕事の中で頭を使って体得することになりそうだが、頭の使い方のコツ、今のうちにインプットしておくべきことが明らかになったのでよかった。
御立さんみたいに経済番組のコメンテーターになりたいですね。あんな風に的確にコメントできるようになるには相当の訓練や経験が必要なんでしょうね。
メモ
必須コンセプトワード
コスト系 スケールカーブ、経験曲線、コストビヘイビア
顧客系 セグメンテーション、スイッチングコスト、ロイヤリティ、ブランド
構造系 V字カーブ、アドバンテージマトリクス、デコンストラクション
競争系パターン ファースト・ムーブ・アドバンテージ、プリエンプティ・アタック
組織能力系 タイムベース競争、組織学習、ナレッジマネジメント