紙の本
ほら、あんただってお金が欲しいんだろ、言うとおりにしてみな、絶対に儲かるから、そんな作者の声がきこえてくる。でもね、楽しくないんだ、夢がないんだ。みんなあんたと同じ人間じゃあないんだよ
2004/02/07 20:54
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の広告を見た時、売れそうだなと思った。デザインも悪くは無い。誰かと思ったら、装丁 鈴木成一デザイン室、装画 寄藤文平。さすが鈴木さんである。でも、思ったほど評判が長続きしたとは思えない。例えば『バカの壁』みたいに、だれもが飛びつくというわけでもなさそうだ。お金至上主義の日本人には受ける、と思ったんだけれど。
「世界は不思議に満ちている。
ビジネスクラスでハワイに飛び、プライベートビーチのあるリゾートホテルで1週間を過ごす。
その旅行費用が3万円なら、あなたは少しだけ幸福になれるだろうか?
これは、そんなささやかな驚きについての本である。」
これはカバー折り返しのキャッチ。どこかで聞いたような文句だけれど「世界は不思議に満ちている」っていうところがいいなあ。伊坂幸太郎が書くような、どこかユーモラスで、知的で、それでいて親しみやすくて。うん、森博嗣が書いたっておかしくないかなあ。どこかで読んだような気がしてならない。
序章「経済合理的に考えるヒント」は、なぜ、世の中には金持ちとそうでない人たちがいるのか、世の中を逆説的に見てみると。第1章「クレジットカードが世の中のカラクリを教えてくれた」は、クレジットカードの上手な使い方から、金券ショップの仕組み、マイレージの仕組みを教えてくれる。第2章「借金から経済の秘密が見えてクル」は、結局、借金はローンと名前を変えようがやっぱり借金。その実体と、踏み倒しで生き抜く逞しい人々に迫る。第3章「素晴らしきリゾート生活」ではマンションなどの格安物件や競売のからくり、そして買い物についてくるポイントサービスなどについて。それに、はじめに「貨幣経済という奇妙な宗教の国に生まれて」と、あとがき「ハワイの鯨」がつく。
で、タイトルは今までにも売れた『金持ち父さん貧乏父さん』をハウツウにしたような気配もあるし。とまあ、読んでみたのだけれど、どうも楽しくない。結構、話の内容がナマなのと、文章にユーモアが感じられない。それから、拝金主義に走る日本人に対する橘自身の身の置き方が分りにくい。
とくに、あとがきの「ハワイの鯨」 を読むと、この人って要するに自分が格安の費用でハワイで遊んでいることを自慢したいだけ?と思いたくなる。ある意味、ヤクザを始めとしたプロの手口の解説書なのだけれど、それに騙されるなというよりは、上手く立ち回って自分だけでも儲けろと言っている気がしてならないのだ。
私が期待していたのは、もっとあっけらかんとした、所詮は机上の空論。でも、本を読んでるあいだは何か得したような気持ちになって楽しかった、という内容だったのだけれど、この本からは、他人を出し抜いてまでお金にこだわる人間の薄汚さと、それと同レベルにいる著者の志の低さだ。
やはり、ベストセラーになるには軽度ではあっても品格や志が必要だと思うのであります、はい。
紙の本
凡人は、野次馬根性で読みましょう!
2004/01/14 12:43
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投稿者:甲斐小泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから具体的な得するノウハウを期待した人は大きく裏切られるでしょう(サブタイトルの方が中身を正しく表現していると思います。また、最初にあとがきを読んでおくほうがいいかも知れません)。
この本に書かれているのは、公的ローンから、闇金融、さらにクレジットカードまで、色々な意味合いでの借金や、不動産やリゾートにまつわる裏話。頭のいい人は、こうやって法律のぎりぎりきわどいところを渡って得するんだなぁ、と感心します。お金や不動産など人が財と考えているもののスキとも言うべき部分を知る意味合いでは大変に興味深い内容であります。
著者はしばしば「まじめな人が損をしている」と記述しています。が、私自身もその範疇に含まれるとっぴな事を考えつかない「まじめな」多くの人たちは、ここまで面倒な事をして、気を張りめぐらしてまで「得する生活」をしなくてもいいよと言うのではないだろうか、と思いました。こんな感想を抱くと、「だからいつまでもお金持ちになれないんだよ」とせせら笑う誰かの声が聞こえてきそうですが…。
自分は庶民で普通の人だと思っているのならば、あくまでも業界裏話だと思って、野次馬根性で読んだ方が気楽な本ではないかと思いつつ読みました。
凡人にとって魅力的なタイトルに対して、凡人には手が届かない内容、というギャップを感じた分、点が辛くなりました。
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クレジットカードやマイレージの有効活用方法からはじまりローンの踏み倒しを巡って債権者側,債務者側の攻防などが書かれていて楽しめる
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★4.5!
・人間が完全ではない以上、市場は常に少しだけ歪んでいる。他人よりも早く市場の歪みを発見し、それを賢く利用することで、超過剰利潤が得られる。
・生きる目的は、他人の認証を得ること。
・与えられた有限の時間の中で、自らの人的資本を最大限に活かしより多くの効用を獲得すること。
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2008年5月25日〜31日読了。
クレジットカード会社と仕組みでは、どのようにクレジットカードを使用すれば得なのか、
クレジット会社の経営も意外と大変な事や、現金とクレジットカードの比較など、自分の
生活の上でどのようにお金を使ったらいいのかを鋭く解説しています。
また2章では、借金とサラ金業者について解説があり、特になぜ利率の安い銀行系ローン会社
から借りずにサラ金業者から借金をするのかの説明と3段論法はとても面白かった。
本策も著者の鋭い視点により書かれています。
一度読んでおいて損のない本だと思います。
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の本では経済的に合理的に動く事について自分では一番強く感じました。
たとえば、これからデパートで何かを買おうとしている人が
仮にデパートの目の前の金券ショップで商品券が95%で売っていて
且つそれがお釣りが出る商品券だったときに
何人の人が実際にその金券ショップに行って商品券を使うでしょうか?
ちょっとトイレに寄るくらいの時間でデパートの全ての商品が5%引きで
買えるという事実を知っていても実際に行動をとる人は少ないでしょう。
5%って聞くと消費税分かよって思うかもしれないけど、1万円だったら
500円も節約出来ます。500円あったら、今日は豪勢にハーゲンダッツを買うぞ!
とかもできちゃうと思うんですよね。
ただ、この時、めんどくさいっていうものがどのくらい
その人の中で評価されているかがKeyになるでしょう。
「その行動を取った事による利益」>「その行動のめんどくささ」
だったときに人は行動を起こすだろうから。
何かが出来ない人っていうのはめんどくささっていうものがすごく
ウェイトを占めているからなのかもしれないなと思いました。
ちなみに、こんな時自分は前ボブ@UTのBlogに書いてあったように
自分の一時間をいくらと時給換算しておいて
それを元に比較をします、
もう二つパターンがあると思うんですが
上に書いた斜線部分を考える事も人によっては労力ですよね。
だから一つ目は
「どっちがより利益的か考えるめんどくささ」>「その行動を取った事による利益」
っていう人もいるでしょう。
最後の一つは
金券ショップに行くと安く売ってる事すら知らない人。
この場合は比較以前の問題ですね。
こんな感じで世の中には知識がある人と無い人では差が出来るように
なっているようです。
この事がこの本には面白い例を挙げて書いてありました。
昔、銀行がそれまで消費者金融がやっていた個人向けローンを
消費者金融は年利29.2%、銀行は10%でまた貸し出し基準を下げた事があったそうです。
経済的合理性から考えると同じお金なんだから、銀行からお金を借りる人
が増えて、消費者金融は淘汰されるはずでした。
ところが、今の世の中を見ればわかるように、そんなことは起こりませんでした。
それはなぜかって言うと
1.同じ金を借りるなら金利が安いほうが有利だと気付くのは賢い消費者である。
2.賢い消費者はそもそも高利の借金などしない。
3.賢い消費者にとっては年利10%でも十分高利なため
多少金利を下げたところで、金を借りたりはしない。
ということです。
結論としては消費者金融があんなに儲けを出しているのは
賢くない消費者な人たちが支えているおかげということですね。
ここで、願い事をかなえてくれる生物の入った小瓶を
自分の言い値で買うことが可能だけれども、願い事を叶えたあとは
自分が買ったときより安い値段で売らなければならないという話を
しましたが、これ数学的帰納法で考えると結局売れなくなるから
買えなくなってしまうんですね。
これも、全ての人間が経済的に合理的な行動をしたときに
初めて成り立つ話でしょう。
現実にそんな小瓶あったら買いますw
自分は必ずしも経済的に合理的に行動しなくても良いから
合理的な選択肢には気付く人間になりたいなと思いました。
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たまたま手にとった「得する生活」この本。
さささ〜と一気に読みました。
クレジットカードの会社側の本音や利用者の本音、お店の本音・・・
などなど、それぞれの立場からの視点がおもしろかったです。
みんなが信じているお金の価値、
得するためには、いろいろしっとかなきゃ損!?
そんな1冊でした。
かしこく貯めていきましょう(=^^=)
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何がどう得をするのかは不明だが、この人はぐいぐいと読者を引っ張っていく。サラ金の話やリゾート地の話は面白かったものの、本全体がタイトルに負けている。どうにかならないものかな。
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情報が古いんで、現在にはあまり活かせないかなと。
でも為になる情報は書かれていると思います。
ただ、この作者の方の人を見下している目線が気になりました。
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この人の著作が好きです。この本は、もう、少しばかり古くなってしまっています。こういう内容ならそれは仕方のないことです。割り引いてみなければなりませんが、気楽な読み物としては面白いです。
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・世の中のお金のカラクリを制度面などから書いた本(橘氏らしい語り口)
・借金を踏み倒すことで失うものがひとつだけある。それが「信用」だ。それによって失うものの大きさを考えれば、実は借金は返すほうがはるかに得である。
・「大数の法則」によって、サンプル数が多ければ実数は統計上の予測数値に収斂する。保険会社は事前に死亡保険金の支払額を予想し、これに経費利益を上乗せして保険料を決めている。
・消費者金融を利用する理由:バカに取っては、年利10%も29.2%も変わらない
・所有権に比べて、債権ははるかに弱い権利
・リゾートマンションは管理費を取ることが目的
・
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クレジットカードについての知識を得るためには秀逸。若いうちからお金に関する知識をしっかりつけよう。
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抜粋
「貨幣制度は共同幻想によって支えられている。
貨幣にとらわれるのは、夢や幻想にとらわれるのと同じだ。
ヒトが一匹の動物として生まれ、成長し、老い、死んでいく
自然を前にして、貨幣の多寡に何ほどの意味もない。
だがその一方で、私たちの人生が夢や幻想によってつくられている
ことも否定できない。なぜなら人間は、幻想から現実を創造する
生き物だからだ。神権によって成立した社会では人の運命は
気まぐれな神託に翻弄される。貨幣経済のもとでは、
貨幣という幻想を拒絶して生きていくことは出来ない。
カールマルクスは「人間は社会的存在である」と言った。
マルティン・ハイデガーは「実存は世界内存在である」と述べた。
どちらも言っていることは同じだ。社会や世界は幻想でしかないが、
私たちはそこでしか生きられない。
経済は苦手な分野。
時にはこんな苦手な分野の本も読まなければ、と思う。
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クレジットカード、マイル、不動産の賢い使い方、買い方に関する指南本。
まぁ、なんとなく知ってる事ばかりで、でも実践して無かったりする。
そこまで厳密にやるのはめんどくさいなーという感じなので、参考までって話かな。リゾートマンションの話はフムフムという感じだった。
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すでに情報が古くなってから読んだので新鮮さに欠けた。
「貨幣経済という奇妙な宗教の国に生まれて」
序 章 経済合理的に考えるヒント
第1章 クレジットカードが世の中のカラクリを教えてくれた
第2章 借金から経済の秘密が見えてくる
第3章 素晴らしきリゾート生活