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失はれる物語 みんなのレビュー

  • 乙一 (著)
  • 税込価格:1,65015pt
  • 出版社:角川書店
  • 発行年月:2003.11
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー297件

みんなの評価4.3

評価内訳

  • 星 5 (133件)
  • 星 4 (94件)
  • 星 3 (50件)
  • 星 2 (6件)
  • 星 1 (0件)
293 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ゲッ!である。新作かと思ったら、殆どが旧作。上手くなったなあ、なんて思ったのが大間違い、乙一は昔からこんなに上手かった?!

2004/01/31 23:08

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

装丁は帆足英里子(ライトパブリシティ)。五線譜を利用したカバー、目次、各編の扉がなんともビミョーな雰囲気を出す。勿論、悪い意味ではないけれど、例えば扉の五線譜などは、もう少し見る人が見れば違いが分るような遊びがあってもいいのではないか、などと思うビミョーさではある。

人と付き合うことが苦手で、孤独でいることが当たり前になったリョウが思い描くのは、高校生なら殆どの人が持っている携帯電話。いつも頭の中でそのことを考えていたら「Calling You」。結婚するまで音楽の教師をしていた美しい妻。そんな彼女との生活にも、いつしか感情の行き違いが多くなってきた。そんなある日、僕は交通事故に遭って、指先だけが辛うじて動かせる植物人間に。映像化を拒否した傑作「失われる物語」。

オレはクラス仲間への乱暴のせいで特殊学級に入れられることになった。そこで悪意のない子供たちとのんびり過ごしていた時、アサトがクラスにやってきた「傷」。映画の撮影風景を見たくて、わざわざ俺の住む町の旅館にやってきた伯母と姪。裕福な二人に呼び出された俺は事業の行く末さえ定かではないデザイナー「手を握る泥棒の物語」。

人と付き合うのが苦手なぼくは、伯父の所有する古い家に住むことにした。他人との付き合いを避け、ひっそり暮らすことを願うぼくの前に現れたのは白い子猫。閉めたはずのカーテンがいつの間にやら開けられて「しあわせは子猫のかたち」。僕たちが近くの陸橋で花火をしようとした夜、姉の友人の鳴海マリアが鉄道で飛び込み自殺をした。美しかった彼女が遺したものは「マリアの指」。それに、ライトノベルについてのことが書かれた「あとがき」がつく。

で、私が乙を読むのは2001年9月の出た『暗黒童話』と、2003年6月出版の『ZOO』だけだから、それから約半年して出たこの本を手にして、上手くなったなあ、この作家、と思っていたら、収められた作品の殆どが過去にライトノベルとして出版されたものだというのだから驚きだ。では、なぜこんなに凄い作品が騒がれなかったか、といえばそれは、これらがライトノベルとして出ていたからだ、と乙は言う。ではライトノベルとは何か、乙一の言葉を借りれば「漫画やアニメ風の絵を表紙に持つような挿絵つきの本である」。

乙は、それが正式の名称ではないが、断っているが、たしかに混乱がある。もちろん、それは乙の側にではなくて業界のほうにである。少なくとも私の知識で言えば、それは「キャラクター小説」(大塚英志)、「コミックノベル」(森博嗣)と同義である。で、確かなのは、いわゆる小説読みは絶対にそういうものには手を出さないということだ。勿論、私も例外ではない。

だから、この惚れ惚れとするような、乙の言葉によれば「やけに交通事故が多い」小説、私に言わせれば「むしろ白い猫がどこにでも出没する」作品群が、過去の若干不満足な出来の短編として解説されると、そんなご謙遜をといいたくなってしまう。ちなみにこれらが収録されているのは全て角川スニーカー文庫で『失踪』(2001.01)、『きみにしか聞こえない』(2001.06)、『さみしさの周波数』(2003.01)で、乙が1978年生まれ、23歳の時と考えれば、やはり驚くほどに上手いのである。

とりあえず、「Calling You」あたりは梶尾真治は『タイムトラベルロマン』で取り上げても良かったのではないだろうか。でも、あまりに切ない話だ。「手を握る泥棒の物語」は逆に、落語だろう。駄目男ぶりにイライラしているうちに、ま、ここまで遊べば十分かと思ってしまう。絶句してしまうのは、「失われる物語」の時の流れが止まってしまったかのような世界だろうか。でも、ある意味、殉教者、神の子の生き方を思わせる「傷」の持つ重さは、脱帽もの

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紙の本

忘れていた「あの日」が蘇る

2003/12/22 22:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:べあとりーちぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 乙一氏の作品をすべて読破したわけではないが、その作風には両極があるように思う。ひとつの極が『ZOOや『GOTH』に代表されるような「ショッキング」系。もうひとつが本書や『平面いぬ。』に代表される「しみじみ」系。ただし両方の系統とも根底に流れるものは共通していて、なかなか言い表しにくいその印象を強いて言葉にするとするならば、やはり「切なさ」ということになるのではないだろうか。
 筆者は両系統とも非常に好みなのだが、どちらかを敢えて選ぶとすると本書のような「しみじみ」系がより好きである。内容説明文にあったような「ヒリヒリする」魂を持て余して生きていた頃。自意識過剰と理由のない矜持、その裏返しの不安感を抱えて、孤独感いっぱいだった頃。自分だけが世界と上手く折り合いを付けられないのだと信じ、周りの誰もが同じように不安なのだとは露ほども思わなかったあの頃。本書を読めば、忘れていた「あの日々」が、甘い痛みを伴って胸に迫ってくる。

 本書に収められているのは「Calling You」「失はれる物語」「傷」「手を握る泥棒の物語」「しあわせは子猫のかたち」「マリアの指」の6編。中でも筆者が特に気に入ったのは、静かな気配に満ちた「しあわせは子猫のかたち」だった。「マリアの指」を除いては、角川スニーカー文庫の既刊本に収録されていた短編たちである。つまりいわゆる「ライトノベル」の分野に属していたわけである。
 それらの5編の文体がやや生硬な印象を受けるのは、なるほどそういう理由だったのだろうか。ただしそれも、世慣れない少年少女たちが心のうちを精一杯語ろうとする時の一生懸命さを効果的に表現していて微笑ましい。書き下ろし最新作の「マリアの指」での洗練された文体よりも、少年少女の感受性、純朴さをダイレクトに伝えられているような気がした。

 ライトノベルと一口に言うが、そのラインナップはなかなか侮れたものではない。たまにはこちらの心の奥底にグサリと来るような傑作もあって、そういう作品に当たった時の感動は一般書を読んだ時と何も変わるところはない。
 ただしやっぱりどうしても目立ってしまうのがあの可愛らしい表紙たちで、どんなに素晴らしい内容の作品でも、漫画チックな表紙をしているだけで受け付けない人もいる。見た目で敬遠しないで読んでみてよと勧めた本を開きもせずに「やっぱいいや」と返される時の哀しさと来たら…。
 その点、本書の装丁ならばパーフェクト。内容のみずみずしさを良く表現したセンシティブな印象のこの表紙なら、ラノベだからという理由で読まず嫌いな人たちにも安心して勧められる。乙一氏の世界を知らないなんてもったいない、と悔しい思いをすることもなくなるだろう。

 あとがきによれば、乙一氏としてはそうやって表紙を一般書用に作り変えて取っ付きやすくすることは「ある種の敗北」なのだという。その悔しさも判らなくはない。あるがままの姿を受け入れてほしいという気持ちは、ライトノベルの読者なら誰でも持つものであろう。
 けれど、この際「読んでもらったが勝ち」。中身の勝負で読まず嫌いな人々をノックアウトできたらそれでいいではないか。今後もどんどん、一般書の顔をした乙一印のライトノベルを出して欲しいものだと思った。

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紙の本

切ないがぴったりくる

2004/12/20 03:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:karasu - この投稿者のレビュー一覧を見る

 6話からなる本作は、悲しいとか、暗いというばかりになってしまいそうな事件、と言うか状況の話が詰まっているが、ソレを切ない、というものに変化させているのは乙一だからだと思う。

 切ないと言うのが、やはり一番ぴったりくるのだろうか。それ以外に上手い言葉が思いつかない。こういう時に、言葉を勉強しなくてはなぁと思ってしまう。

 どの話にも救いがあるから、悲しいだけでも、暗いだけでもなく、切ないというものに変化するのだろう。
 各話に出てくる人達は、それぞれが苦しい状況や、切羽詰ったところに追いやられたりしているが、自分の中で昇華し、進んで行っている。「失はれる物語」の時間の感覚がもうなくなってしまっている彼も、進んだのだろう。

 自分が、ツイていないと思う時や、最悪な気分の時でも、時間は流れて、朝が来て夜が来て、朝が来て夜が来てというのを止められないのだ。引きずるしか無く過ごすのと、昇華して進むのとでは、同じ時間でも全く違う。この物語では、進んでいるところに救いのような物を感じた。
 止まるのは大事。止まらないというのも不自然だけど、進んでこそだなぁと思う。
 ささやかな幸せに憧れてしまいそうになる本かな。

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紙の本

切なくて痛い

2004/08/01 10:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 乙一さんの最新作と思って 喜んでいたら 実は旧作品の焼き直し…正直読む前は、少し凹んでしまいました。しかし早熟の天才乙一氏 17歳に書いた小説「夏と花火と私の死体」で賞をとっただけ あって旧作品も読み応えありでした。
 
 私は早熟の天才という言葉を聴くと どうしてもSキングの存在を思い出します。彼も「死のロングウォーク」という作品をまだ 学生のときに書きあげたらしいです。それでか なんとなく 私の中で キングと乙一さんがダブるんです。どちらも 予想のつかない展開と実際にはありえないSF的要素そして ホラー色の強い作家さんですよね。

 この作品は 短編集で 私のお気に入りは 1つ目の「Calling You」心の携帯なんてありえない と思いながらも 主人公の寂しさ 切なさ そして話の展開に引き込まれていきます。ラストは切なくて 痛いんですが、そこがまた乙一さんの作品らしくて好きなんです。また 主人公の視線でどこか淡々と語られる物語が 彼の魅力ですね。
  

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2004/09/19 13:36

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2004/10/02 09:13

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2004/11/05 08:44

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2004/10/10 15:25

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2004/10/22 21:31

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2004/11/27 20:12

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2005/01/23 22:48

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