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言葉はよく聞くが学んだことがなかった分野。
日経ビジネス系の雑誌の紹介を見て購入。
著者は多田洋介氏。内閣府かつ都立大学の非常勤。
感想。
「なるほど、そうだよなぁ。でもだからなんなの。」という想いを封じ込めながら読みすすめました。
終章の内容がそんな僕を救ってくれました。
あと備忘録残しながら、特に各章末のポイントを読みながら、この本すげえと思った。
もう少し平易な本でお復習したい。
備忘録。
・経済学や所々の学問で前提とされている、所謂「合理的経済人」。その人間像には三つの非現実的な特徴がある。「無尽蔵な合理性」「完璧な自制心」「極端な利己主義」。行動経済学はその三つの非現実性に起因するアノマリーを説明する学問だ。
・「無尽蔵な合理性」に対する現実→よく考えれば(例えばベイズ・ルールやゲーム理論)、極端に言えばプロが分析すれば、その合理性は明らか。だが、現実の人はそこまでして最適な判断をしない
・で、現実の人は、ある程度合理的な行動(限定合理性)を選ぶ→「近道選び」
・また期待値(期待効用仮説)に反する行動をとる理由として、「プロスペクト理論」なるものがある。代表的なのが損失回避性。
・「完璧な自制心」とは言うが、現実の人がそれを完遂するのは難しい。嫌なことの先送り、ダイエットの失敗、禁煙とか。
・「双曲的割引関数モデル」→現時点の効用は将来の効用よりだいぶ大きい。でその割引率は現時点からその翌期が最大値。それ以降の割引率は対して変わらん。そんな下に凸の関数で示せると。
・「極端な利己主義」→でも現実の人は、寄付もするし、情もあるよ。
ポイントの丸写し。。
勉強になりました。
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書名は「行動経済学『入門』」であるが、細かな理論の説明はなく、伝統的な(ミクロ)経済学と何が違うかについて、平易に解説されている。しかしながら、学部レベルのミクロ経済学、マクロ経済学、情報の経済学(ゲーム理論)の講義を聞いたこともないような人が、本書をスムーズに読み終えるのは、少し難しいと思う。最低限、日経文庫等に一通り目を通してから読むと、理解が尚深まると思われます。
伝統的なミクロ経済学は、経済モデルの(数学的)取り扱いやすさを担保するためか、個人・企業の超合理性を前提としているが、必要な情報を得るのには、一定のコストがかかるのは必定であるし、判断する個人・企業の判断プロセスが、必ずしも完全無比というわけでもない。むしろ、現実はこうだ。個人・企業のリスクを回避しようとするあまり、リスクを過大評価するような傾向が、実験的に明らかになっている。ノイズ・トレーダーと称される非合理的な市場参加者がバブルを引き起こすこともある。ある時点において、一定額の貯蓄をするのがファイナンス的に最も合理的であっても、衝動的な買物をしたり、浪費したりするのは、人間の性である。本書の最後では、こうした現実や知見を、従来の経済学に取り組んでいくかが課題であると、締めくくられている。
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行動経済学と古典的な経済学の違いをテーマごとに章に分けて平易に解説してある。また、行動経済学の応用分野の一つである行動ファイナンスに関しても一章を割いており、こちらも概要がよく分かる。
具体例を用いた説明が中心となっているため理解しやすい。数式的な解説の多くは「補論」という形での説明か、簡単な内容に留めてある。
プロスペクト理論、ヒューリスティック、限定合理性など、行動経済学を理解する上で必要なことは満遍なく解説されており、入門書としては本書が最も優れているのではないだろうか。
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編集者時代?
こんな早くに行動経済学に触れていたとは。
ファスト&スローを読んだのは、4年ほど前。
この本を読んだ時はそんなに有用性がわからなかったが、ファスト&スローを読んだ時は、めちゃくちゃ知的興奮を覚えた気がする。なんだろう、この差は。
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本のタイトルの通り、経済学の内容なのかなと思いました。所々に数式もあり、素人の私にはちょっととっつきにくかったです。