紙の本
先史時代の古代文明が地球に何故、存在したかを知りたかった。
2019/05/17 06:56
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投稿者:Blue Water - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球上にオーパーツが何故、存在し、古代文明が地球に何故、存在したのか、と言う理由を考えてみたいと思いました。
伝説と地上絵に隠された謎が、地球上に、古代文明が存在した事と、安定陸塊の鉱物資源に含まれる、不純物の成分組成が、遠い過去に地球で何が起こり、古代文明が宇宙の地球外文明と何を起こし、結果として、地球にどの様な証拠を残したのかを、地上絵が示す意味から、古代文明が地球上に存在した謎を解いてみたいと思いました。
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レイライン、ナスカ、バイキング、アーサー王etc。
やや舌鋒は鈍ったか。
それでも網羅的であるという評価は変わらず。
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2巻目は地上絵の謎、人類史の初期に航海を行ったのはどこの誰か、神話や伝承の登場人物は果たして実在したのか、という3つのテーマ。
地上絵には、いわゆるナスカの地上絵みたいな有名なもののほか、意味ありげに見える巨石の配置やレイアウトなんかも含まれる。そして、著者は結構バッサリと「この巨石の配列に意味があってほしいと考える、信奉者の願望思考の表れに過ぎない」と切って捨てていたりする。実際、何かの偶然に特定の意図を見出したがる(特に、それによってご飯を食べている)人は多いだろうから、ロマンは無くともそれが真実だったりするのだろう。
ナスカの地上絵の節では、あまり難しい技術を使わなくても、ミニチュアをベースに拡大させて地上絵サイズの絵を描くことができる、という実証がされていて興味深かった。それができるなら、空から見下ろしながら絵を描く必要はないし、宇宙人が空から絵を描いたなどというトンデモ説も軽く覆せる。
地上絵や巨石配置に比べて、次の章の航海史になると、著者の「バッサリ感」はだいぶ和らぐ。実際、どういった民族がどの時期にどこに行っていたのか、当時の航海術でそれが可能だったのかという憲章は難しいのだろう。戦争によって中央アジアで捕虜になったローマ人が西進してきた中国と戦った可能性があるとか、ファラオの時代のフェニキア人がバスコ・ダ・ガマより2,000年も早くアフリカ大陸を巡っていた可能性があるとか、なかなかロマン漂う章になっていて、かなり面白い。
個人的には、「歴史の父」と言われているヘロドトスが創作もたくさん混ぜ込んだ「虚偽の父」とも呼ばれているというところが勉強になった。歴史を書き残した人をすらいったん疑ってみる必要があるというのは、学問においては重要なことだろう。
最後の章は、歴史上の登場人物の活躍譚が史実なのか、創造なのかということに焦点を当てた章。ミノタウロス、アマゾン族、アーサー王、ロビンフッド、ドラキュラなどなど、だいたい一度は聞いたことのある登場人物たちが取り上げられている。
冒頭では、歴史上の実在の人物を惧れ、敬うことが偉大な伝説を生み出すことに繋がるということが紹介され、一例としてスーパーマンはヘラクレスから、ヘラクレスは紀元前の近東のギルガメシュ叙事詩から、ギルガメシュは実在したシュメールのイラクの王から形成されていった、という解説がある。ヘラクレスとかギルガメシュはゲームにも出てくるぐらいだけど、それは完全な空想ではなかったということ。
有名なアーサー王伝説には、手掛かりとなる文書記録が実はほとんどなく、数世紀経ってからの伝記に頼っていること、アーサー王のモデルとなる人物自体はブリテンの王で存在しうることが細かく展開されており、ここだけでも結構読み応えあり。
ほか、ブラジルの女性だけのアマゾン族については最近までは眉唾物の存在だったのが、ウクライナからの出土品により場所は違えど存在していた可能性が出てきたこと、有名なロビンフッドは実在したか架空なのかの議論が分かれていることなど、この章はゲームとかマンガが好きな人なら、かなりのめりこむのでは。
1巻についても言えるのだが、このシリーズは一つの章だけ抜き出しても面白い。世界、古代の謎で興味があるパートだけ読んでみても楽しい。
そして、著者はあくまで著者の視点で批評を入れており、トンデモ説はバッサリ切っているが、一方でトンデモ説の論者と同じぐらい突拍子もなさそうに見える説も提示していたりする。
その意味で、この本をすら「正当な論」として取り入れる必要はない。読みながら「へー、そうなんだ」ではなく、「でも、こういう考え方もあるんじゃない?」と反駁できる、これがこの本の楽しいところなのである。