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とても、アイロニック。
死刑執行人は、人間の身体を死に至らしめる知識を持つがゆえに医師としての役割も持ち、一方、医師は処刑から苦しみを減じようとギロチンを作る。さらに、そのギロチンの人を殺める“効率性”ゆえに恐怖政治時代を生み出してしまう。
死刑をする側にも苦悩があり、ドラマがあったことは間違いがない。
ただ、ふと、思い出したのはアイヒマン。命令への服従と倫理、そのどちらに人は従うのか、とか。これを思い出してしまったおかげで、素直に「死刑執行人も・・・」という風にも思えなくなってしまった。時代背景も違うし、一概には言えないのかもしれないけど。
2009.04.19 読了
荒木飛呂彦の絵に目が行って、つい買ってしまった。
2009.04.14 購入@駅前の本屋
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内容はおおよそタイトルが全て語っていると思う。世界史で最も有名な死刑執行人の一人だろう。
法律によるとはいえ、人の命を奪う死刑執行人。
死刑を必要あるいは当然と思いながら、それを執行する者は人でなしと考える民衆。
死刑を認めるこの国で裁判員制度が創設されたのであれば、死刑執行員制度とでも言うべきものも創設されるべきではないのか?
もちろん歴史書としても極めて興味深く書かれている。
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フランス革命の真っただ中を死刑執行人として生きたサンソン。
その苦悩や人生を書いた本です。
フランス革命を少し違った視点で見てみたい方に、ぜひおすすめ。
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[ 内容 ]
敬虔なカトリック教徒であり、国王を崇敬し、王妃を敬愛していたシャルル‐アンリ・サンソン。
彼は、代々にわたってパリの死刑執行人を務めたサンソン家四代目の当主であった。
そして、サンソンが歴史に名を残すことになったのは、他ならぬその国王と王妃を処刑したことによってだった。
本書は、差別と闘いながらも、処刑において人道的配慮を心がけ、死刑の是非を自問しつつ、フランス革命という世界史的激動の時代を生きた男の数奇な生涯を描くものであり、当時の処刑の実際からギロチンの発明まで、驚くべきエピソードの連続は、まさにフランス革命の裏面史といえる。
[ 目次 ]
序章 呪われた一族
第1章 国王陛下ルイ十六世に拝謁
第2章 ギロチン誕生の物語
第3章 神々は渇く
第4章 前国王ルイ・カペーの処刑
終章 その日は来たらず
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ルイ16世の死刑を執行した死刑執行人シャルル・アンリ・サンソンの生涯。
革命期に生まれた為に皮肉ともいえる巡り合わせに生きた彼らの人生に、フランス革命の通説とは違う側面が見られます。
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ギロチンの発明による処刑のコモディティ化で首チョンパが加速するフランスという国はやっぱり歪んでて面白いなぁ。
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新書だけに二日で読めた、早かったですー。
サンソン家ものってこの本とパリの断頭台ぐらいしか見付からなかったんですけど、二冊合わせて読むとなかなか興味深いものがありますw 書き手の視点でけっこう変わりますねーってことで。ごちそうさまでした。
2009/12/18(金) 読了
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これはまさに小説だ。もちろん著者の力量もあるのだろうが、それを上回る程のサンソンの壮絶な人生がそこに小説的な醍醐味を与えているのだろう。革命という動乱の中で、その価値観や生き方が大きく揺らいだこと、さらにその職務に対する葛藤。全てがないまぜになりこの壮大な物語が出来上がったのだろう。フランス革命については大学で専攻したのでよく知っていたが、なるほどこういった側面からも見ることが出来たかと思った。
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ジャイロ・ツェペリのモデルとなった人物。
サンソンという死刑執行人を通して見たフランス革命の裏歴史としても楽しめる。
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死刑執行人のノンフィクションだが、小説のよう。
それは恋から始まり、時代に翻弄される。
社会から蔑まれていた死刑執行人の立場を法廷で
援護する部分は圧巻。
絶対、映画化すれば面白くなる、と思わせる一冊。
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シャルル・アンリ・サンソン―――この本読んでると、男の中の男人間として素晴らしい尊敬に値する人と言ったらはこの人と思えてくるです。フランス革命・当時の政治・拷問にも少し詳しくなれます。
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フランス革命を死刑執行人の目から見た一冊。職業に貴賤はある時代に生きたサンソン氏の苦悩を活写し、読み応え十分だった。
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[図書館]
読了:2010/12/18
1日で読めた。全体的に美談化している感はあるが、熱の入った文章で革命期の人々の熱狂、狂騒、サンソンの自問と苦悩を読ませる。
p.41 サンソンが自分たち死刑執行人に対する嫌悪感による訴訟に反論して述べた弁論。かなり頭が良く、教養の深い人だと言うことが見て取れる。
p.235 この世の正義の最後の段階をになっているはずの自分たち死刑執行人が忌むべき存在として世間から除け者にされるのは、人を死に至らしめることによって社会秩序を保とうとする、その正義の体系そのものが忌むべきものだからではないのか?もし、死刑制度が正義にかなう絶対的に善きものであるならば、自分たち死刑執行人は人々に感謝されこそすれ、忌み嫌われ、蔑まれるはずがない。
p.121 ロベスピエール以外にも死刑制度の廃止を訴えた議員はいた。しかし、ロベスピエールの雄弁に心を動かされた議員はあまり多くはなく、死刑廃止の提案は否決された。(中略)シャルル‐アンリの孫にあたるアンリ‐クレマンは『サンソン家回想録』の中で述べている――「この日、投票した国会議員の中に、そうとは知らずに自分の首を投票箱に投げ込んだ者が何人いたことだろうか?」
p.143 民衆は旧体制下で味わわされてきた多くの苦しみに対して血の代償を求めるようになり、それとともに、ギロチンも人道的処刑手段から復讐の道具へと性格を変えてゆく。
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■概要
フランス革命時代のパリで処刑執行人として生きた、サンソン氏の物語。新書ですが、小説+ドキュメンタリータッチな読み物。
■仕事に活かせる点
「仕事」というものについて、考えさせられました。
世襲制には弊害も多いでしょうが、その連なりに生を受けた人に対して、
何か大いなる使命として与えられた境遇を受け入れる強さを育み、
通常の人では到達できない高みに引き上げる力があるというのは
言えるのではないでしょうかね。
(さわ)
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フランス革命期に死刑執行人としての仕事を全うし、ルイ16世の首を刎ねた男の物語。
フランスを支配するブルボン王家に忠誠を誓いながらも、その職務を全うすべく自らの手で国王の首を刎ねる心の葛藤・何の罪もない民間人を虐殺して英雄扱いされる軍人に対して、常に罪悪感に苛まれながらも職務を忠実に遂行するだけなのに、国民から蔑まれる死刑執行人の対比・法の正義に則って裁判官は死刑を執行し、また議員は死刑に賛同しているはずなのに執行人は人として扱われない、正義とは一体なんなのかという疑問。これらの要素が死刑執行人サンソンの生涯に大きく関わっている。
激動の時代に翻弄された男の生涯はドラマチックで、そこはかとなく精神の気高さがにじみ出ている。
とてもおすすめの一冊である。