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2016.12.10市立図書館
文化放送ハピリーの「ハピリーくらしっく」で飛馬仁亭彬良(ヒューマニ亭アキラ)によるアキらくご『ワルツ王ヨハンシュトラウスの物語』を聞いた。そのネタ元というか参考書がこの本。もとは一地方のダンス音楽でしかなかったワルツが、ハプスブルクの帝都ウィーンでどのようにして舞踏会から演奏会用楽曲(シンフォニックワルツ)へ、そして劇場音楽(オペレッタ)へと発展したのか。19世紀初頭のウィーンではバイオリン奏者、作曲家かつ指揮者の非凡な才能という三拍子が揃ったうえで内外を演奏旅行して回るタフさが音楽家としての成功に必須、というのは当時はピアノがある場所はごく限られていたからだろうな、などと今の常識とはちがう当時について発見も多い。知ってみると、ワルツ&ポルカづくしでおなじみのウィーンニューイヤーコンサートをきくときの気分もバレエ音楽などでワルツを聞くときの気分も変わりそう。
主にシュトラウス一家の盛衰を読み後半は流し読みしかできなかったけれど、オッフェンバック、スッペ、レハールと続くオペレッタの発展史はあらためて読み直したいところ。今年(2017)のラ・フォル・ジュルネのテーマがダンスだそうなのでその前にでも…