紙の本
「呼吸力」に気づかせてくれます
2017/01/31 18:32
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投稿者:なちゅらる - この投稿者のレビュー一覧を見る
日々を気持ちよく過ごしたい、腹を据えて物事にあたりたい。それなら呼吸によって得られる大きな力を活用しない手はありません。私は『呼吸入門』を身近において折々に「息」を見直すようにしています。
PCや携帯電話をみながら浅い息を続けがちな現代人。ちょっとしたことでイライラしたり、あたふたしたりしてしまいます。
言うまでもなく、呼吸は生きるうえで根幹をなすものです。「呼吸をつかむ」「息を合わせる」といった言葉もありますが、何かを成功させるには呼吸法を心得ておく必要があります。コミュニケーションも、集団作業も、スポーツも、芸能も、息を大切にしなければうまくいきません。
「呼吸力」を発揮することで、日常生活も変わります。「息」について、改めて少し考えてみませんか。
呼吸によって、心身ともに整えることができます。
リズミカルな呼吸は、疲れにくい体をつくってくれます。
息を吸うとき、はくときに少し意識するだけで、集中力を持続させることもリラックスすることもできます。
紙の本
「霊性の時代」を生き抜くための必需品
2004/01/25 17:20
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投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はあとがきに「日本文化の粋である息の文化の意義を伝え、生きる力の根源を照らすのが、この本のねらいだ」と書いている。二十年に及ぶ生活のすべてを呼吸研究に賭け、自らの実践を通じて「息の現象学的研究」を立ち上げようとしてきたとも書いている。本書に懸けた著者の思いと意気込み、というかその息遣いはどの頁からもびんびんと伝わってきた。
呼吸とは何か(「息」というのは一つの身体文化なのです。息は、身体と精神を結びつけるものです)に始まって、日本文化論や宗教論(呼吸で作り出す意識の在り方が、宗教心の基盤にあったとも言えるでしょう)、神秘主義批判(呼吸を特殊な仕方でコントロールすると、普段の自分では感じられなかったエネルギーを感じることができる。これは神秘体験でも何でもなく当たり前の生理現象です)を経て、性の喜び(セックスとは二つの身体が一つの呼吸をする喜びです)から生の愉悦(人の生命が、死の瞬間まで止むことなく、呼吸の律動に貫かれていること。これこそ、人間に対する宇宙からの最大の贈り物ではないか)まで、まさに汎息論とでも呼ぶべき議論が縦横自在かつのびやかに展開されている。
ただこの本は読み手の身体のモードに応じて評価が大きく分かれるだろう。私は毎日一話ずつ一週間かけて、本書に出てくる「積極的受動性」の構え、つまり「傾聴」の姿勢でもって全七話を読み終え、もしかすると父子相伝の奥義書とか門外不出の教典、あるいはプラトンやハイデガーがついに著さなかった哲学書に書かれていたのは実はこういうことだったのかもしれないし、呼吸(=精神を整える技術)を通じた「意識の覚醒」や感情のコントロール、はては呼吸(=死の予行演習)を通じた死生観の訓練にまで説き及ぶこの本は来るべき「霊性の時代」を生き抜くための必携の技術書ではないかとまで思った。
でも異なる心身の状態で読んでいたら、ここに書かれているのはまとまりと実証に欠けた雑談にすぎなくて、ただ「鼻から三秒息を吸って、二秒お腹の中にぐっと溜めて、十五秒かけて口から細くゆっくりと吐く。これが数千年の呼吸の知を非常にシンプルな形に凝縮した「型」です」という著者の自讃の声、いや息遣いしか聞き取れなかったかもしれない。だからこの本は人には軽々に勧められないし、再読にも耐えない(少なくとも本書に書かれた事柄が頭の中で「知識」のままわだかまっている間は)。
以下、印象に残った箇所を二つ。
《共鳴する、いわば楽器のような身体──。響きやすければ共鳴しやすいですから、呼吸がうまくリズミカルにできていれば、からだは共鳴する楽器になるわけです。寺院や教会などの宗教建築は、そこに集まって読経や合唱をした時に、みんなの声が荘厳に共鳴して響きわたることを計算して造られています。ゆったりとした呼吸が技として身について、響きのいい楽器のようなからだになると、それはもう「どこへでも持ち運び可能な寺院」を持っているようなものです。》
《能は立つことの芸術です。上下動なく静かに移動するだけです。そういうぶれない精神の在り方は、高い意識のコントロールを伴うものなので、その緊張度、意識の高さが観客の意識を揺り起こしてくれるのです。ところが、逆にその意識の高さ、張り詰めた緊張感に耐えられない人は、能を見ると眠くなってしまう。(中略)それは幽玄なる霊魂の世界とつながっています。(中略)こうした霊魂が支配しているような世界というのは、高い瞑想状態にも通じます。ですから、能はそうした脳の高い覚醒状態を楽しむものだったわけです。》
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呼吸とは、無意識レベルでもあり、
意識化することもできる非常に特殊な運動だ。
呼吸はふつう心臓の鼓動のように無意識で行うものだ。
呼吸のリズムが精神的状態にかなり左右されるのもそう。
逆に、その呼吸を意識的にコントロールすることで、
精神や無意識といった世界にアクセスできるようになる。
誤った呼吸法を続けると、精神に異常をきたすこともある。
こういった生理的な心理現象を悪用した
宗教やオカルト団体がいっぱいあるらしい。
そういった呼吸と精神との繋がりが詳しく書かれている。
この著者が様々な呼吸法を体験して行き着いた方法は、
「3秒吸って、2秒溜めて、15秒で吐く」というものだという。
しかし呼吸というのは生まれてから死ぬまで80年間続ける
わけだから、人生の3分の1の睡眠と同じぐらい大切なのではないか
と思ったりするわけである。
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友人に教えてもらった本。ストレスがたまっているときは呼吸も速くなりがちです。そんなときこそゆっくり腹式呼吸をしましょう。
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武士道に顕著に現れるように、日本には「息の文化」がある。
吸う・溜める・吐くを3・2・5秒のリズムで技化することにより精神的・身体的にメリットが生まれる。
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齋藤式「3・2・15」呼吸法、私も実践しています。緊張を解きほぐしたいとき、腹が立ったとき、集中したいとき、リラックスしたいとき、効果があります。(2008-05-21読了)
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息とは一つの身体文化。腰と肚(はら)の構えがしっかりすることで肉体に力強さが
みなぎり、腰や肚の据わった状態とは、腹で深い息をすることによって可能。
腰肚文化とは紛れもなく呼吸力。
ヨガとは心の在り方と呼吸の仕方の関係。
息はその身体と精神を結びつけるもの。犬や猫などをなでていると精神が落ち着くのもその呼吸を
感じることによってくつろげるからなのです。
◆丹田呼吸法
丹田とは、へそから指3本分下の位置。丹田を軸にして息を長くゆるく吐く。
鼻から3秒吸って、2秒お腹の中にぐっと溜めて、
15秒かけて口から細くゆっくり吐く。慣れてきたら15秒⇒25秒というように伸ばしていってもよい。
時間をかけてゆっくり吐くと、丹田に力を込めて横隔膜をそのまま下げられる。
口呼吸では脳が働きにくく、集中力が続かない。
鼻から吸うことで脳に酸素がいきわたりやすく意識は覚醒し精神は安定する。
◆呼吸は吐くことが大事。
呼吸によって精神が調えられるというのは、現在そのものを
生きるという状態。蓄積したものを振り棄てた心の安定。(禅のスタイル)
捨てていく美意識・・・捨てることによって人はすっきりし、
エネルギーが満ちてくる。常にエネルギーが入る器を用意する。
吐くときのコツは、息を全うさせるときは鼻から吐くのがいい。
意識的に長くゆるく吐く場合ははじめのうちは口をすぼめて吐く。
鼻から吐こうとするとなかなか息を溜められない。
◆呼吸で時間をコントロール
本を音読して一息でどこまで読めるか計る。初心者で2行くらい。
強者になると5,6行くらい。
一息が何秒間ぐらい続くのかを知るバローメーターになる。
この方法で脳の集中力と連動し読書スピードが格段に上がる。
一息の長さを重要視すると脳が高速回転するので生きている時間の密度が
濃くなっていく。
◆シェイキング1分 でリフレッシュ
からだを揺さぶり、息をハッハッとどんどん吐いていく。
膝をゆるめて立ち、屈伸を使って軽くジャンプ。
手もブラブラさせながら自由に身体をほぐす。
からだの細胞が入れ替わり、呼吸がゆったりしてくる。
両手を合掌することによって、からだが一つのまとまったものとして
感じられ、それが宇宙という大きなものとつながっている。
かつて毎日何キロも歩いて学校に行くといった暮らしをしていた子供は呼吸が
強く、安定した呼吸の持久力があった。しかし今は昔の生活様式が
崩れて急激に衰えた。
テンポのいい動きは必ず呼吸と連動している。
呼吸のリズムがよく流れだしたら人は疲れない。
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【概要】
呼吸は身体と精神を結びつけるもの。日本には息の文化があり、呼吸を整える型を使い、心身をコントロールする術が伝えられた。ザビエルなど、鎖国時の日本人に触れた西洋人は日本人の感情抑制力に感心している。
臍下丹田を意識して、3+2+15の呼吸=3秒吸って、2秒止めて、15秒掛けて吐き出す。これで深い呼吸を身につけると、からだは疲れにくく、集中力が高まる。
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斉藤孝 がファンというわけではないのですがまた読んでしまった。。。
日本の文化が息の文化だったという切り口からカルト宗教や
教育論まで展開させるのはさすが
生理化学的な表現があまりないのにおもわず納得させられるのは
信念にも近い確信からではないだろうか
いろいろな日本文化の型の重要性を説いているが呼吸を意識したものなのだろう
三・二・十五の呼吸の型をためしてみるもいいかもしれない
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呼吸というより、息に関する話。作者の気に関する記述が興味深い。呼吸の結果が気らしいが、順番を付けてもしょうがない。どちらも身体と世界をつなぐモノ。リラックスしてジャンプし続けると細胞が生まれ変わるそうだ。面白い表現だ、イメージしやすい。
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生きることの基礎
呼吸は当たり前にある
ゆえに奥が深い
「3、2、15」
これで丹田の呼吸が可能となる
身体
見直すきっかけとなった
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呼吸に関する本は結構読んでいる。
この本を見る度に呼吸について意識する大事さを痛感する。
息を吐く事=死んでいく
息を吸う事=生きていく
という発想が面白い。
「呼吸の本」谷川さんの本よりもこっちの方がよっぽどいい。
しかし、何というのか内容にもう少し厚みが欲しいね。
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呼吸というものは、普段当たり前すぎて意識しない。
案外、ちゃんとした呼吸はできていないものだ。
臍下丹田に意識をもっていき、3秒吸って、2秒とめる、15秒はき続ける。
これが「斉藤メソッド」
リラックスしたいといき、焦っているとき、頭に血がのぼっているとき、心と体の安定に正しい呼吸は必要。
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雑な書き方をすると、すっと吸ってちょっと溜めて長く息を吐くとなんかよくなるよ。そうするといろんなことが良い方向に変わってくるよ。てな感じかな。
その呼吸法+著者の教育論がメインだけれども10年経ってしまったからか根拠が薄い。昔は良いものがあったが近年は捨ててしまった(それを取り戻そう)というような流れのようだけれども、その昔というのが戦前のことだったり6,70年代だったり、江戸よりも前だったり全部ひっくるめすぎの感がある。
呼吸法に効果があるということを言いたいようだけれども、その根拠に文化だ歴史だというのは根拠になっていないと思う。
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呼吸を切り口に、型と文化まで語ってしまいます。
呼吸と意識、感情は密接に絡まっており、呼吸を整えることで心の状態を整えることができるってのは、まあ、瞑想や武術、ヨガや気功などを実践している人にとっては既知の事実であります。
ただ、著者(「声に出して読みたい日本語」で有名な齋藤孝氏)は「気」を扱いません。呼吸のメソッド化を目論む氏の手法にとっては、それは賢明な判断だと思います。
その呼吸メソッドは
「3秒吸って、2秒溜めて、15秒で吐く」
というシンプルなもの。
私としてはちょっとアンバランスな感じがしますが、どうですかね?
レベル:354
まあ悪くはないですけどねえ。