投稿元:
レビューを見る
解りやすい著作権入門。中山教授の『マルチメディアと著作権』が法律(文と趣旨)からの解説だったのに対し、こちらは実務面からの解説といった印象がある。だから厳密性よりはむしろ例え話の形での説明が多く、これがまた身近な感じ。
投稿元:
レビューを見る
著作権法を考え方から教えてくれるので、門外漢でもよく判ります。ただし素直な人はこの筆者の主張についつい染まってしまうかも(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
とってもわかりやすい新書で、本当、これが新書ってもんですよねお母さん、ええそうよ、よしおみたいな一冊。最初の数章を読むだけでも著作権に関してわりに明瞭なサーヴェイが得られるのでそこだけでも読むと幸せになれます。マナーとルールの違いが著者のなかではスタイルとしてキーになっているみたい。著作権は移り変わる権利なので、流れに乗って(というか乗り遅れたり、乗り忘れたりしないように)いまのうちに抑えておいたほうが安全です。というわけで、これからの時代に必須になる知識であり、これから常識として社会に定着していかなければならない発想があったりなかったりするという、これからのためのこれまでの本です。
投稿元:
レビューを見る
著者は、文化庁に勤めていた人で、本格的な法理論で構成されており、さらりと読み捨てるといいうも読書のための評論ではない。著作権に関心を持つ人たち向きには書かれており、また理解しやすく述べられている。■しかし、具体的な個別的な法についての知識とその適応訓練を受けていない筆者にはかなり、理解しづらかったのも事実、今も今ひとつわからない。著作権によって、どのような人たちが利益を得、またそれが「社会」的に還元されるか、その視点と著作権そのものの問題点は、あまり述べられていない。新書の形式に、そこまで期待するものも、欲張りすぎなのだろうが。■著作権の導入趣旨は、「人類の知的財産を、後世に伝える」のが立法時の趣旨であったものが、「利益を、個人に特定するための」制度になっているという指摘があったが、この点から著作権の保護政策によって、その国の資本主義の国家的展開が理解できるだろうと思った。この観点からの「展開」は、この著者の関心外だろうが。
■著作権は、私権間の対立であるという至極あたり前のことが、ひどく印象に筆者には残った。私権間の争いならば、公的秩序に違反しない「契約」を結べばその契約によって、沿って解決されるのが建前である。しかしながら、「契約」者間の力関係によって、力の弱いものが、「不利」な契約を結ばされることは世間では、よくあることである。すなわち、出版社と内容のある新人作家、CDの会社と腕のいい新人バンドの契約では、経済的に力のあるものが「横暴」でさえある「契約内容」を、結ぶことは、しばしば見かけることだ。
■そういった比較優位にある経済的権力のあるものたちの「横暴」が、ある生産者側で露骨に始まろうとしている。レコード業界は「権利者に無断で、レコード(CD)を輸入・輸出してはいけない」――無断で輸入されない権利」あるいは、「権利者に無断で外国から輸入されたレコード(CD)を売ってはいけない」を著作権の中に加えようとしている。こうすることによって、レコード(CD)業界は、東南アジアなどからの逆輸入を阻止しようとしている。
■この読書ノートをとっている時点(2003年2月の時点)で、文化庁は、特定産業保護となる、逆輸入権をCD産業に認めた法案を国会に提出し、それが通ってしまった。
この書評を書いてから、何度か読み直したら、凄く実践的に書かれていたことに気づく・・・。(^^)v。遅いっていかぁ。
投稿元:
レビューを見る
コピー機、パソコン、デジカメなどの急速な普及とともにやってきた「一億総クリエーター、一億総ユーザー」の時代。いまや著作権は、作家・芸術家やメディア関係者だけのものではなくなった。私たちはそれをどう理解し、どうつきあっていくべきか。権利者と利用者との対立をふまえ、興味深い具体例をまじえて分かりやすく語る。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
コピー機、パソコン、デジカメなどの急速な普及とともにやってきた「一億総クリエーター、一億総ユーザー」の時代。
いまや著作権は、作家・芸術家やメディア関係者だけのものではなくなった。
私たちはそれをどう理解し、どうつきあっていくべきか。
権利者と利用者との対立をふまえ、興味深い具体例をまじえて分かりやすく語る。
[ 目次 ]
はじめに――「一億総クリエーター、一億総ユーザー」の時代が来た
第一章 避けて通れなくなった「著作権」
第二章 「著作者の権利」とはどんなものか
第三章 「著作隣接権」とはどんなものか
第四章 「権利を及ぼさない場合」の法律ルール
第五章 新しい「法律ルール」の構築
第六章 日本の弱点としての「契約」と「ビジネス」
第七章 国際政治と著作権
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
第4章 「権利を及ぼさない場合」の法律ルール
第5章 新しい「法律ルール」の構築
第6章 「契約」と「ビジネス」
第7章 国際政治と著作権
現代社会で、しばしば表面的な議論に陥りがちな著作権を、
みごとに立体的に整理している。
著作権の対応の議論の出発点として、議論に参加する人の必読の書。
投稿元:
レビューを見る
今まで読んだ中ではベストな著作権の入門書。専門書を読んでもいまいちわからなかった各権利の詳細について、著者自身の言葉で簡単に説明しているので、少しこんがらがっていた理解もだいぶ紐解かれました。著作権、著作隣接権、またそれに関わる業界によって権利も分かれていますが、要は、そのぞれの過程において著作物に「工夫」を施した者には、その程度に差はあるものの、保護されるべき権利が与えられる、ということがもっとも大事なことだと思います。また、現代のデジタル化時代に状況を反映して、自動公衆送信権や送信可能化権などの新しい権利も簡潔に詳述されており、今までわからなかったことがよくわかりました。さらに、この著書の大きな特徴は海外の著作権法との比較の中で、日本の著作権の特色を浮き立たせて、一方でアメリカの著作権を暗に(もしくは明示的に)批判しているところだと思います。日本の著作権は世界でもっとも先進的であるという主張にも納得しました。
投稿元:
レビューを見る
読んだ、といっても最後の2章だけだが。へぇーと思うことが多かったのは現代社会における著作権の諸問題についての知識不足なのだろうが、著者独自の概念が多く文体もかためで少々読みにくかったかな。要するに、著作権は「手段」であり、その「目的」である「人びとの幸せ」とは何なのか。「一億総ユーザー・一億総クリエーター」の現代でそれを一人一人が再考する必要があるといいたいのでは。国際問題ではそれが国益に集中していることが問題であるとして。
投稿元:
レビューを見る
まずは「著作権」の3つの意味。
著作権①は全体的包括的な‟著作権”
著作権②は「著作権①」から"著作隣接権”を除いたもの。
著作権③は「著作権②」から″人格権”を除いたもの。
教育のための使用には例外はある。例えば映像などを教師が自分でコピーして自分の講義に使うのは良いが、その映像を他の教師に貸し出し使用させるのはNG。
そもそも“著作権者”と”著作物利用者”の欲求は最初から相反している。どこで折り合いをつけるか?という問題なので、各国によって驚くほど法整備内容が異なる。また各立場→著作者、実演者、出版社、レコード会社、放送局、映画製作者などによっても主張が異なる。実際には放送局や映画製作会社など、政治的発言力の大きな立場が有利なように進んできている。
デジタル化の進展速度ともかかわりあって、実に難しい!!!
投稿元:
レビューを見る
著作権とは何か、何を保護するものなのか、誰のためにあるか、など基本的なことを易しい言葉で解説した上で、2003年現在の問題点(法律、経済など)を国際的な視点で論じる。
「アメリカが著作権法制定に関しては他の先進諸国と比較すると極めて遅れているのに対し、日本の著作権法は最先端をいっている」とか、「日本の産業界において、映画業界と放送業界は大きな権力をもっているため、映画や放送に関する著作権法はそれらの業界に有利になるようにつくられている」など、おもしろい事実がいっぱいだった。
そして何より読みやすい!