紙の本
緻密な計算の上に成り立った微妙なバランス
2004/05/15 17:35
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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジェシカは長距離専門の陸上競技クラブに所属するランナーの一人。
マラソンレースが近づき、眠れないある深夜、ジェシカは泉のほとりで、ハコヤナギの木に語りかけながら、奇妙な格好で金槌をふるうアユミの姿を発見する。
ニューメキシコ州アルバカーキに作られたアスリート・クラブのトレーニング・キャンプでの出来事だった。
体調を崩して一時入院までしたアユミは、腎機能に障害が残りリハビリ中の今の状況は、クラブオーナーであり監督でもあるツトム・カナザワのせいである、とジェシカに打ち明け、深夜の謎の行為が「丑の刻参り」だと告げる。
選手生命を奪われた、と失意のうちに自殺するアユミ。
そしてジェシカは…。
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これは、なかなか感想が書きにくい物語。
この「トリック」というか「仕掛け」は、どうなのよ!?
7年のときを置いて語られる物語は、読むほどに迷走し、疑問符ばかりが増えていく感じ。
決して嫌な感じではなく、私は夢中になってしまったのだけれど…でも、これはミステリとして「公平」かどうか、と言われると、ちょっと…と思う。
ただ、やっぱりとてつもなく緻密な計算の上に成り立っている、というのが、読み終わると実感されて、読み終わったばかりなのに、また最初のページに戻り、あちこちページをめくり、ひとつひとつ確かめながら、読み返したくなってしまう。
賛否両論、分かれそうな気のするこの作品。
あなたなら、★いくつ?
うたたね通信社
にもお越しください。
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このミス作家の人のやつ。こーゆうのを読み慣れていないせいか、ガッツリ騙された。(笑)最後の最後で「あー、そーゆうことなのねー」って感じ。まさにエンターテイメントな1冊
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うまいとは思う。すらすら読めた。話自体は、まぁまぁ面白いと思う。けれどそれだけですね。個人的にはよくあるキレイな小説という印象しかなかった。無駄が無く、読みやすい。けれどそれだけで、ミステリ部分の大逆転!!が不発というか、「ふ〜ん、なるほど」といった程度。「で、だから何?」と返されそうな、というか返したくなってきたラストでした。何度も書くようですが、うまいとは思います。うん、うまいですよ。書き物としては、読みやすいです・・・。よし、正直にはっきりと書きますと、つまらないですね。物足りなさすぎる。面白いところを言ってくれと云われたら、問題なく頭を傾けて考えたくなる。
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まぁ、及第点ってとこなんでしょうか?最近、気に入る作品が続いていたので期待しすぎてたかな。章タイトルが意味ありげでしたが、内容とともにきれいなトリックになってはいるんだけど、こんなんありかぁって思いが・・・(^^; ま、確かに章ごとの語り部が違うからなんだけれど、これは知識がないとわからないぞ(--; 他のつくり(ランナーの抱えてる問題とか)はうまい。
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20050821
読んでいる途中、?と思うところがあり前を確認すること数回。
最後にその?と思った部分が明確となる。
「なんだ、そういうことか」とスッキリするはずのトリック部分でも困惑。また前を確認した。単純な反面、フクザツ。
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読了後の感想は「やられた!」という、とにかくその一言に尽きます(笑)。何にそんなに騙されたんだ? という方にはご一読をお勧めします。
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すっかり騙されてしまいました。
ただ、マラソンのトレーニングについて、これはちょっと行き過ぎな感じがします。トレーニングについて無知な私でも、さすがにこれは無いだろうと思ったほどですし。あまりにも非人道的ですよね…。
読み始めからSFだと思っていたので、ラストには驚きました。青春もの、とは言えませんが思ったより爽やかな作品でしたね。ジェシカの夢が叶うと良いな。
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★あらすじ★長距離ランナーのジェシカ・エドルは、チームメイトのハラダアユミが「監督に選手生命を台無しにされた」と言い残して自殺したことに胸を傷めていた。七年後、大会に出場するために日本を訪れたジェシカは監督と再会する。不幸な死を遂げたアユミのためにジェシカがしたこととは…
★感想★オリンピックが近いこともあり、選手達の孤独や葛藤がリアルに感じました。作品としては、もう少しヒネリがあるかと期待してしまいました。傑作「葉桜の季節に君を想うということ」の次の作品ということで、期待し過ぎてしまったかも知れません。
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たったいま読了.歌野さんすげー.
やっぱりちゃんとした(?)ミステリもいいものだなぁ.後味がいいのも○.
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陸上界を舞台にしているが、内容はけっこう甘い。青春物であればジャンルとして評価出来たんだけど、ミステリーとしては・・アンフェア〜(笑)
「女王様と私」もそうだったけど、ストーリーや登場人物より作者の表現で読者を騙そうとする。どうしても部分的に不自然さ、無理が出てきます。まぁ、素直に内容を振り返って、なるほど、そういうことだったかと本を閉じればいいんでしょうね。
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すごくタイトルのセンスがいいですよね。
だから内容にも期待しちゃうんだ…。
「葉桜」然り、私はこういうのやっぱり合わないなぁと思う。
なんだかペテンにかけられたかんじがしちゃって。
登場人物にとって、これはミステリーでもなんでもないわけで、
結局騙されるのは読者のみ。
トリックはいいとしても、設定がねぇ。う〜ん。
分身のエピソードが、謎部分に対してあんま役に立ってないよね。
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市民ランナーの一人としてタイトルに興味があり読みました。楽しく走ることができるくらいが普通人に幸せであるのに、ランナーは過酷な世界を生きていくしかない。自分が走り始めて気づいたが、決して早くない市民ランナーにはそこにドラマがひとり一人あったりするんだ。トップランナーには頂点を極める凄い物語があってしかり。ジェシカの駆け抜けた歳月は、指導者としての彼女の土台であり、指導者になるための7年だったのでしょうね。
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少し読めば、「あ、ネタはこれだな」というのに気づくと思う。でもそのネタが分かっていたにもかかわらず騙されたのって……ま、面白かったからいいんだけど。マラソンにあまり(というよりむしろ「まったく」)興味のない私でも興味深く読めたし、その点で食わず嫌いはするなかれ。
それにしてもこの「指導法」には腹が立つ。なるほどこいつは殺されても仕方ないや(笑)。
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おもしろくないわけではない。あーなるほどとは思ったが、葉桜読んだ時の快感ショックに比べるとずるいなーという思いが先行。
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トリックが明かされても読み返さないと分からないくらい頭がこんがらがってしまう
読んでいる最中は不思議と感じないが、読み終わってみると内容が少ないというか、少し物足りない感じか