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みんなのレビュー6件

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評価内訳

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紙の本

地底旅行ってのに弱いんだな、わたしは。で、この本でも一番生き生きとしているのが稲峰家の女中のサトというのが、嬉しいね

2004/06/12 21:39

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

全二〇章、あとがきも含めれば500頁弱という、この手の冒険ものとしてはかなり大部のもの。朝日新聞の朝刊に2002年から2003年にわたって連載されたというものだが、反朝日を旗印とする我が家では、奥泉がこんな小説を書いているとは思いもよらなかったので、書店でこの本を見つけたときは、意外性に狂喜乱舞しあまりの狂態に書店員から、踊り踊るならちょいと東京で、とつまみ出される始末。

なぜか?実は秘境ものが好きなのである。私の読書体験のかなり中心にあるのが、ドイル『失われた世界』である。ゴジラのような怪獣が歩き回る世界、それだけでウハウハしてしまう。それが、ここではさらに地底である。私の大好きな映画の一つがヴェルヌ原作の『地底探検』、それから東宝の『海底軍艦』。小説なら横溝正史『八つ墓村』に久生十蘭『地底獣国』。いやあ、猫に鰹節、子どもにポテチ、みーちゃんに地底怪獣である。G・馬場に16文キックを喰らったようなもので、完全に降参なのだ。

で、この本、一目唸らせる装丁は菊地信義、そういえばこの間読んだばかりの沢木耕太郎『杯』も朝日新聞社の出版で、装丁も同じく菊地信義。朝日好みのデザイナーかもしれないが、出来としては今回のほうが圧倒的に上。で、その遠目には牛さんの模様かと思えるカバーに彩りを添える装画の担当は、ささめゆき。あれ、この人、どこかで見たような、そう思わせる懐かしさを抱かせる画風。

時代は明治、語り手は私。護国寺の下宿でうとうとしていた私をこの冒険に引きずり込んだ食わせ物というのが富永丙三郎、二人で東京英語大学を仲良く退校したという仲間だが、私は貧しさゆえ、丙三郎のほうは英語から見切りをつけられたというのが真相。その後、彼は早稲田を卒業というのだから、明治時代から大学なんてなぁいい加減なもの。でも、とりあえずは文筆業で食っているという。

彼が持ちかけてきたのは、富士山の青木が原の樹海にあるという洞窟を下ろうというもの。理学の分野では本邦を代表するといわれる稲峰博士の富士登山中の失踪、博士の令嬢、都美子も一緒に姿を消し、巷ではずいぶん騒がれた。それを都美子に想いを寄せる水島鶏月、東大で物理学を講じる教授の水島寒月の弟とともに探そうというのだが、どうしてどうして丙三郎、胸のうちに隠した狙いもある。そして、三人に同行を申し出たのが、稲峰家の女中で、博士たちを探し出したいと情熱に燃えるサトである。

その珍道中ぶりは、まさに奥泉の『坊ちゃん忍者幕末見聞録』を彷彿とさせる。ともかく、男がだらしない。その筆頭に上げられるのは、やはり丙三郎である。口先男とは、彼のためにあるといっていい。品性下劣、他人を思いやるどころか、状況を見る力すらないというところは、現在の官僚を髣髴とさせる。

ま、それに巻き込まれて、好きでもない旅に嫌々出かける主人公も、優柔不断、無知蒙昧、問題先送、付和雷同といった現在の政治家そのもの。水島鶏月の、学問以外は何も無いと言った視野狭窄、専門馬鹿、傍若無人ぶりは象牙の塔に篭って世の中を見る力を失った学者先生の典型である。

それに比べて、女性陣の素晴らしいこと。といっても、お嬢様都美子は殆ど出番が無いので、要するにサトだけが凄いということになるのだけれど、実は、サトこそ日本女性そのものといってもいいくらいの存在で、まさに我が家におけるミーちゃんそのものである、我田引水。え、これで終わっちゃうの?というのはこの本も書評も同じことで、やっぱり面白いものは我を忘れさせるのですよ、小林くん。

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2011/03/29 21:49

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2014/06/17 12:16

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2011/06/19 21:39

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2024/05/20 14:14

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