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1186夜
第一章:本棚の本
第二章:巻物から冊子へ
第三章:保管箱、回廊、個人用閲覧席
第四章:鎖で机につながれて
第五章:書棚
第六章:書斎の詳細
第七章:壁を背にして
第八章:本と本屋
第九章:書庫の工学
第十章:可動書架
第十一章:本の取り扱い
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何かを読むと言う時、当然本と、それを置く場所というハードな「もの」があります。そのハードの特性が如何に知(内容)に影響を与えてきたか、という事を本棚の歴史から語っている本。「見えないもの」を見るという佐藤研のメンバーの視点に重なるところは無いでしょうか?
・・・ちょっと無理があるかもしれません。汗。
軽い本なので是非読んでみてください。
-江崎
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2011 5/16パワー・ブラウジング。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
Amazonでリコメンデーションされたので手にとってみた本。
タイトルのとおり本棚と、それが置かれる≒読書感の歴史の本。
中世~近代ヨーロッパの本と本棚に多くが割かれている+図書館に多くが割かれている。
個人が多くの本を所蔵できるようになったのはごく現代のことであるわけだが、そのような現代の個人蔵書の本棚の話はあまりない。
本棚が人に与える影響の話も。
そのあたりはまた別にあたる必要があるか。
以下、興味深かった点のメモ。
・中世以来、図書館で如何に採光が重視されたか?
・現在のように本を書棚に縦置きするようになったのは16世紀後半以降?
・印刷本の普及⇒本を鎖でつなぐ必要がなくなる⇒前小口を表にする置き方から背を表にする置き方へ
・背=本を支える蝶番、ある時期までは隠すべきものと捉えられる
・書棚のたわみについてと、その対策
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本棚の「棚」の側面をガチで扱っててユニークです。技術的・経済的・工学的な、本と本棚(と「読者」も?)の共進化の歴史として読めるかと。
さらっと10分くらいで読んでしまいましたが。がっつり読みたい感じではないな、と読み始めてから気づいたので。
著者は著名な作家・土木建築学者で『橋はなぜ落ちたのか』『フォークの歯はなぜ四本なのか』も名著です。
『橋はなぜ落ちたのか』の要点:上手く機能している建築様式は、その成功の連続によって規模を拡大し、いずれ破綻するという法則。まるで「ピーターの法則」(人は能力の限界まで出世するから組織構成員は全員無能になる(ほんとかよ))ですね。
http://booklog.jp/users/zerobase/archives/4022597860
『フォークの歯はなぜ四本なのか』の要点:人工物は「不満」を解消するように進化するという法則。
http://booklog.jp/users/zerobase/archives/4582766935
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008
タブレット=書字板
いつどのようにして図書館司書は本と棚と垂直に並べることを思いついたのだろう
ストール・システム/ウォール・システム
自立式書架最下段の傾斜
回転式書架
スニード規格
スライド書架
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本好きが高じてついにこんな本にまで手を伸ばしました笑
背表紙が外側をむくのが当たり前と思っていたけれど、昔は違ったんですねー!
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フィリップ・アリエスの『子どもの誕生』を読むまで、「子ども」時代というのは、ずっと、昔からあったものだと単純に思い込んでいた。子どもというものが、単に小さな大人としてみられていた時代が長く続いたことを、この本ではじめて知った。それまでは、歴史的な価値をあまり認められてこなかった風俗資料にまで目を通し、既成の歴史学とはちがった角度から人間の歴史を見直すアナール学派の登場は、目にしていながら見えなかったものをあらためて考えさせる契機となったことはまちがいない。
ヘンリー・ペトロフスキーの『本棚の歴史』は、それを思い出させる。本についての書物を挙げだしたらきりがない。それに比べて、公共図書館であっても、書斎であっても、そこに本がある限り、必ず存在しているはずの「本棚」についてまとまった考察を述べた本というのをあまり聞いたことがない。一種の盲点になっていたわけである。とはいうものの、この本、ただ本棚についてばかり書かれているわけではない。本棚という視点を押さえることで、その上に乗る本というものが却って明らかになる仕掛けになっている。原題は「The Book on the Bookshelf」そのものずばりという題名である。
アルブレヒト・デューラーの有名な「書斎の聖ヒエロニムス」をはじめとして、挿入されている木版画が楽しい。版画自体もだが、その版画に描かれている背景としての本や本棚を、まるで推理小説に登場する名探偵のように、実に精緻に読み解いていくその読解技術には、ほとほと舌を巻く。同じ聖ヒエロニムスを描いたデューラーの木版画三枚を時代順に並べて、背景に描かれた本の置き方に注目するところなど、知的興奮を満喫することができ、下手な推理小説顔負けである。
この筆者の考証癖に付き合っているうちに、本と本棚の変遷が知らず知らずの裡に説き明かされていくのだが、パピルスによる巻物状の巻子本にはじまり、それが次第に表紙付きの折りたたんだ冊子本(コデクス)に代わり、中の用紙も、パピルスから仔羊革に、そして紙にと変化してゆく様が、本棚の変遷から語られるのが新鮮である。そういえば、映画『ベン・ハー』では、巻物状の本を部屋の棚に平積みしていたなぁなどと、思い出した。活版印刷ができるまでは、修道院の中、天板の傾斜した机の上で、修道僧が貴重な書物を写し取るのが常であったことは、これも映画『薔薇の名前』で見た通りであった。
何より驚いたのは、本は背表紙をこちらに向けて棚板の上に垂直に立つのが当たり前だと思い込んでいたことが、『子どもの誕生』における子ども同様、とんでもない思いこみであったことを知らされたことである。冊子状になってからも、本の表紙には、題名や作者などが記載されることはなく、最初の一行が、その識別する手がかりになっていたという。必然的に、本は前小口をこちらに見せて並べられていたが、それを証すのも、古拙な木版画である。意外なことに背表紙の歴史はずいぶん新しい。本を統一した意匠で装幀するという流行が生じた16世紀になって、はじめて、同じ体裁の本を識別する必要上、背に文字を入れる習慣が生まれたのである。
現在では、公共図書館における本棚の並び方は、壁際を埋��ながら、フロアにも並行に幾つもの本棚を並べるという、ウォール式とストール式の併用が主流だが、これらが、現在の形に落ち着くまでの様子は実に興味深い。盗難を防ぐため鎖に繋がれた本の中から、お気に入りの一冊を取り出すための苦労など、たっぷり挿入された図版から、当時の人の読書の模様などを窺うのも一興である。スチール式の本棚が登場する頃から、少し、興味が薄れるのは、現代に近づいたことから来る既知感が邪魔をするからで、筆者の所為ではない。
本好きを自認し、書斎とは言わずとも、本を蒐集することにかけては人後に落ちぬ読書子なら、何を置いても一読する価値のある一冊といえよう。
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本と共に進化してきた本棚の歴史を見てゆくことで、その設計上の工夫や、空間との関係性など、本を扱うことの変化・進化の過程がわかります。本を探して読む経験について新たな視点をもたらしてくれる一冊でした。
九州大学 総合博物館
メディアデザイン 教員 松本隆史
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普段注目することのない"本棚"の発達史です。
それは本の発達と共に歩むものであり、当たり前のように存在していますが、並々ならぬ努力の結晶です。
現代の図書館や書店に佇む本棚、この形になるまでの変遷を辿る一冊。
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本棚を見る時、主人公は本そのものでそれを整然と収納している本棚には目がいかない。本棚自体をひとつの工芸品として歴史を追ったもの。でも近い将来電子書籍が普及して、本棚は過去の遺物になるのかな?