紙の本
戦後もっとも偉大な政治家
2004/07/12 15:12
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投稿者:Dandy - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は田中角栄元首相が好きです。
好きと言うよりは、尊敬しています。
この小説はそんな田中先生の歩いてきた道を
詳細に書いていると思います。
今この時代に田中先生がいたらどうするでしょうか?
山積みになっている難問があっというまに解決するかもしれません。
田中先生が輪廻転生して再び政界に戻ってくることを
心から願っております。
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必ず返事を出すんだ。結果があいての希望通りでなくても聞いてはくれたんだ、となる。大切なことだよ。
教養、非教養のいずれの側の人間でも自分が置かれた立場を理解し、国民が最も必要としている対策に猛然と取り組むことが政治家に最も必要な資格といえる。
田中政治とは一言で言えば合理主義。そして得意技は再建。世論を重視する。どんなに小さな情報をも大切にする。
ここしかないという着地点を見つける。それで痛手を蒙る人を如何にして九歳していくかが政治の処理の全て。
生きていくためには、徹底的に気を配る人の身辺には利運が巡ってくるのかもしれない。いるも人生の特別席に収まっていた佐藤、福田には窺い知る機微ではない。
角栄が税制のプロになったのは政界では権力を奪取、維持するためには多額の資金が必要としたから。
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小沢一郎氏は「小」角栄でしかない
彼の選挙対策、政治スタイル、資金集めのすべてが角栄流の模倣であり
裏の調整と談合ですべてが決まるやり方である
未だにわが国では、このやり方が有効で効果的なのだ
政治の世界は一向に変化していないと言ってもいいのではないか
角栄氏は戦後日本が生んだ唯一の英雄だったのかも知れない
小卒の土建屋が最高権力の座に上り詰めたのだ
「今太閤」と呼ばれ、そのやり方は同じように卑賤から身を起こした豊臣秀吉に似ている
しかし、その最後は信長を彷彿とさせる
読了後、花火を見た後のように呆然とため息をついてしまった
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★2010年91冊目読了『異形の将軍―田中角栄の生涯 下』津本陽著 評価B+
いよいよ若くして党幹事長となり、ますます金と心遣いを武器に回りの支持者を増やして、権勢は高まるばかり。エリート官僚上がりの政治家にはない温かみと行動力で、得意の道路、ダム、鉄道建設から列島改造に着手するが、インフレとオイルショックによって、一気に勢いを失い、旧勢力の巻き返しに会う。攻めには強い積極的な角栄だが、守りには弱い。結局、福田、大平、鈴木善へと政権を譲るが、隠然たる勢力を誇り続ける。しかし、アメリカのオイル権益を侵したことから、謀略を仕掛けられて、ロッキード事件で完全な有罪を受ける。さらに、その権力の隙をついて、竹下登が田中派をのっとり、これに対する怒りで角栄は自らの体を飲酒により破壊してしまう。
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タイトルの通り「田中角栄の生涯」が、時系列に綴られている。本書下巻では、角栄が閣僚入り、自民党三役、首相就任、そしてロッキー事件に至り、首相辞任、竹下氏の経世会創設など、人生の最盛期から終焉期までが綴られている。読み終わったときに、何故か虚しさと淋しさを禁じ得ない。
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結局のところ、金を集める政治家というのが政治家の力の尺度だったと。
それが違法でなくても倫理がない、と世論が変わり尺度が折れた。
新しい尺度はないままに大衆迎合の政治に陥っている。
実際に何かをやると批判を浴びるために、政治家は保身に走って何もしない。
民主主義の国アメリカは正論に弱いが、いざとなれば裏から裏へ手を回してくる。
逆らわないものまた保身。
先送り、知らしむべしが蔓延。
金権に過ぎたが、力のない成り上がりの角栄にはそれしかなかった。
しかし角栄以前に強行突破できる政治家はいなかったし、角栄以後にも現れていない。
今の閉塞感を打破するには角栄復活しかない。
そんな感じか。
そう言われると金にまみれただけで何もしない今の政治屋達は、未来を見てないのか見れないのか。
結局地方分権か?
いやしかし国が崩壊すれば日本人は一致団結する民族だと言われれば、現状維持で崩壊を待つしかないのか。
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日本の政治家らしいといえば、田中角栄である。
それを、津本陽は、様々な資料を使い、
金権政治家を暴くというより、人間としてどうなのか
を明らかにしようとした。
田中角栄に対する評価はたくさんあるが、
人間味があるというところを、明らかにしようとする。
困った人に対して、とことん対応する。
政治家とは何かを心得ていた。
政策立案能力、アイデア、現場解決能力など、
様々な場面で、田中角栄の凄さを語る。
資源に関して、積極的に動いたことが、
アメリカより、睨まれる。
それが、ロッキード事件の発端とも言える。
小佐野賢治との関係ももっと明らかにしてもいいが、
サラッとしている。
佐藤昭子で浮かび上がらせようとしているからだ。
田中角栄を歴史小説の手法で明らかにしようとしているが、
なぜか、物足りなさを感じる。
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角栄氏のダイナミックさは、今の政治家にはないものである。目先の事の処理にかけては天才的であった彼は、今の時代ならばもっと活躍できたかもしれない。角栄氏には女が数多くいたといわれるが、女についての記載があまりなかった点が残念である。
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世の中の田中角栄ブームに乗って読んでみた。
僕が物心つく頃にはもうロッキード事件で悪いことをした人という感じだったんだけど、それまでの政治活動の部分を知ると本当に型破りな人だったんだなと。
他の田中角栄本を読んだわけじゃないけど、とりあえずきっかけにするには上手にまとまってる本なのかなと思う。
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戦争終戦を経て高度経済成長時代に運(人と機会)
を掴み取りながら、日本という国を復興繁栄させた稀有なリーダー像が描き出されている。清濁合わせ飲み国を国民を導く、政治家としての判断力と実行力が発揮される、これぞ異形の将軍角栄であろう。本を読むと自分の人生と重ね合わせ、自分もこうありたいなと夢想するものであるが、角栄のようには生きられないなと一歩後ろ引きながらの読後感である。今の令和の時代にはどのようなリーダーが求められるのであろうか?