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最後にして最初の人類 みんなのレビュー

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みんなのレビュー12件

みんなの評価4.0

評価内訳

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11 件中 1 件~ 11 件を表示

紙の本

未来への神話に込められた祈り

2005/01/18 00:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人類の未来に横たわる20億年の歴史の果てに「最後」の人類が「最初」となる、そしてその最期からまた現代の我々に語りかけるという、二重の円環構造を持つ神話として語られる幻視譚である。
 その発端はこの作品が書かれた1930年、つまり第一次大戦後の時代から始まる。こんな悲惨な戦渦は2度と繰り返すまいと人々は思い、そのための努力もし、国際連盟も作った。しかし結果的にシステムとしては不十分で、各国がそれぞれの国益を主張してやまなければまた同じことを繰り返すのでは無いか。またこの戦争で登場した新しい科学技術により、人類の破滅と言うシナリオが現実感を持つようになった。その危機感が人類の行く末についての考察への進んだのではないだろうか。
 最初は近未来に向けて、人類の持つ種々の要素が描かれる。そこから徐々に、時に飛躍して遠い未来へと想像の翼は広がり、人類は文明の頂点と崩壊、さらに生物としての進化と退化を繰り返し、ついには金星、海王星までへ到達して十八期人類となる。
 長大な時間を俯瞰した上で、精神として、文明として人類の成し遂げた、そして未来に到達するだろう地点を示すことで、人類とその一人一人が宇宙全体から見れば塵のような存在で、文明の勃興も些細な出来事でありながら、同時にかけがえないものだということを訴えかける。そのメッセージを受け止める処方箋は、幾多の様相をもって奏でられる文明達においても変わることの無い、人間のより高みを目指そうとする姿勢の中にあるはずだ。
 未来予想小説として見るなら、科学技術の発達の速度はかなり控え目めであって、現代読者には不満足かもしれないが、当時すでにJ.ベルヌやH.G.ウェルズの作品が知られていたことを考えれば、むしろ意図的に荒唐無稽さは排して、人間の思想的発展に主眼を置いたように思える。それでもこの時間スケールは、人類を遥か遠い地点まで連れて行ってしまうのだが。さらに宇宙的な拡がりで言うと、本書の7年後に書かれた「スターメイカー」でその想像力が、同じ思想のもとでそれこそ現代人ものけぞるようなスケールで爆発しているので、これもお勧め。
 文章には深淵な意味がドカドカ突っ込まれており、読むのにやや難渋するかもしれないが、それでも最後まで読み遂げていただければその労に見合うだけの、神話の放つ歓喜と悲劇性、そして我々の将来に資すなにがしかが得られることはきっと請け合うのである。

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紙の本

待望の最高峰SF

2004/05/15 16:19

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

待望の最高峰SF。1960年代後半に早川書房の新書で「オッド・ジョン」を、発刊したばかりの文庫で「シリウス」を読んだ。それらの解説で紹介されていた「スターメイカー」と「最後のそして最初の人間」をぜひとも読みたいと思った。しかし翻訳も英語本も見つけられなかった。およそ30年ぶりに念願かなって読むことができた。1930年にこれだけのスケールの大きさと、洞察力にとんだSFがあったことに、驚きと感動を新たにしている。評判に違わぬ、広がりと深さを持った作品と思う。1930年にこれだけの自然科学と社会科学と人文科学と、全分野にわたる識見と洞察がなされていることに、驚異を感じる。なんとも言い表せられない、大きさと深みを持った作品であり、その後の70年間の科学の進歩があるにも関わらず、この作品に匹敵するSFはなかったのではないか、とさえ思われる。

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紙の本

人類20億年の衰亡記。

2004/06/15 09:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

哲学者の書いたSF小説、とでもいえばいいのか。なかなか先へ進まないけど、おもしろい。全十六章から構成されているが、第十一章の「人間の自己改造」あたりから、やっと読むのに、スピードが出てきた。

「地球消滅と人類滅亡までの、20億年に渡る18期の人類の興亡史を描いた」(作品)。

書かれた時代が、第一次世界大戦後。戦争の被害を受けなかったアメリカが盟主としてヨーロッパからバトンタッチされるあたりなんで、バスク・アメリカーナだったっけ? アメリカへの批判が手厳しくて、でも図星で、いま読んでも当たってる。少しだけ引いてみる。

「西の果てではアメリカ合衆国が惑星全体の守護者であることを公言してはばからなかった。企業活動では世界中から畏怖され羨望され一目置かれてはいたが、自惚れが強く皆から蔑まれていたアメリカ人は、人類の生存のあり方を根底から変えつつあった」。

たぶん、いまだに新大陸アメリカに対して父なる(母なるか)ヨーロッパは、不肖の息子のような意識が拭いきれないんだろう。と、これはこの本の魅力の瑣末なことにしかすぎないのだが。

にしても、作者の筆力は、すごいや。たとえば、リチャード・フォーティの『生命40億年全史』でも読んでいるかのようなものすごいリアリティがあり、ほんとに思えてくる。

未来の人類が、巨大脳人類、飛翔人類(ガッチャマンか)などになる発想もいいが、進化過程において、二本足から四肢に明らかに退化した人類も出てくる。人類は弁証法的に進化と退化を繰り返しつつ、ゴキブリのようにしぶとく生き延びようとする。やがて人類は、地球から火星や海王星のコロニーに移住する。

将来、人間はテレパシーによりコミュニケーションを行い、音楽や書物はテープで楽しむようになるというシーンが出て来るが、これはインターネットといえなくもないだろうし、ウェアラブル・コンピューティングが進めばこうなるだろう。

作者は、優生学への関心も当然あったはずで、生命操作、遺伝子工学など生命倫理学の今日的なテーマについても言及している。同時代のホワイトヘッドの影響も多大にあったことを訳者あとがきで知らされる。

人類は火星人の侵略を受けるのだが、どうしてもティム・バートンの『マーズアタック』の火星人キャラをイメージしてしまうのは、ぼくだけなのだろうか。

そのハッタリ(誉め言葉)とも思えるスケールの大きさに圧倒される。翻弄される。眩暈を覚えるほど。とても1930年に書いたとは思えない予言的本。でも、ハードSFなんでハード。いや、ディープな思想書っていったほうが適切かもしれない。センス・オブ・ワンダーをたらふくいただきました。

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2011/09/03 15:39

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2011/11/10 23:01

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2014/06/07 23:09

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2017/02/26 19:03

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2017/07/21 17:14

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2019/02/26 11:47

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2020/11/23 12:14

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2024/04/09 15:02

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