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高校の数学の教師をされている方が「数学の雑学」について書いた本です。特に前半書かれていた、数字や貨幣の単位に関する歴史の内容は興味深かったです。
数学も公式を覚えて問題を解くばかりではなく、ここに書かれている内容とともに数学の授業が展開されていれば、昔の私も楽しく授業を受けられていたかも知れないと思いました。
以下は気になったポイントです。
・イギリスは1971年2月15日から、10進法へ移行した、通貨単位はポンド、補助通貨単位はペニー(1ポンド=100ペンス)、それ以前は1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンス(p19)
・1文銭と1両、1分の関係は相場で決まった、江戸時代のスタートは1両=4000文であったが、江戸後期は1両=6000文程度で取引されていた(p22)
・徳川家康が1601年に幣制を統一して、金座・銀座・銭座をつくって、3種類の貨幣を鋳造した、1609年に、1両=銀50匁=銭4貫文ときめた、1700年には60匁=銭4貫文となった(p23)
・マヤ文明に使われていた2種類の暦のうち、現実の季節に合わせた暦は、現在使われているグレゴリウス暦よりも、正確に1年の日数を計算している(p27)
・バーコードの数値の偶数番目を3倍して、奇数番目をそのままにして、すべてを足し合わせると10の倍数になるように、13桁目の数字を決めたのがチェックディジット(p32)
・雨粒が落下するとき、重力によって加速していくにつれて、空気抵抗も増加して空気抵抗を力が釣り合うようになると、加速度がゼロとなり等速度運動になる(p78)
・偏差値=(点数-平均点)/標準偏差×10+50で定義される(p95)
・現象の初めがほんの少し違うだけで、後から起こることが全く違う現象を、「カオス」という(p164)
・ニュートン力学では、最初が決まれば最後の1点まで決まるというもの、ブラウン運動のように分子がどっちに動くか分からない場合には、速度に対して確率で動く量を導入することが必要、この不確定要素をいれたのが確率微分方程式(p170)
・学校の数学程度の「ひらめき」は、慣れとか、繰り返しといった程度のもの(p186)
2010/12/19作成