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全員が死亡したと思われた旅客機の墜落事故。諸星隼人は左腕一本だけが残った状態から甦った。しかし生還後、彼は妙な夢と目覚め後の傷や出血に度々悩まされる……。一方、真空と磁場と電離体からなる世界で、辺境での巡回警備に着いていた生命体“ガ”は、「影」を追う任務を帯びて地球に到来する。諸星と接近遭遇した“ガ”は、地球に侵入した「影」を追い求めていく。
地球では「影」の影響によって醜怪な人間もどきが次々に出現する。奇妙な新興宗教が流行り始め、人間は絶滅への道を辿って行く……。
ネタバラシ気味になるがこの作品、「小林泰三流ハード版ウルトラマン(セブンか?)」と言うのが一番わかりやすいか。“ガ”は正義の味方でも何でもなく、失地回復のためやむなく影を追って地球に来て、結果として諸星と融合、影が造り出した怪獣(こう呼ぶに相応しい)と戦うのであって、単純なヒーローものとははっきりと異なるのではあるけれど。人物のネーミング、戦闘時の造形、「ジュワッ」「ヘア!」という掛け声(笑)……どこをどう読んでも「ウルトラマン」でしょう。それも断じてパロディやパスティーシュにとどまらず、この著者流の解釈に基いた物語、あるいはオマージュとも読める。正直、面白い。
“ガ”たち一族に関する記述はかつての宇宙SFを思わせ、度々繰り広げられる血肉の描写はまさにスプラッタ・ホラー。帯の煽り文句「ハードSFホラー超大作」もあながちフカシではないか、と。
ラストで自らの名前を取り戻した“ガ”に思わずニヤリ。
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小林泰三の中ではネフィリムと並んで、いまいち心に響かなかった…あのぐふふ感がないからかな。まあ読んでしまうけど
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途中までは抜群に面白かったがラストがしっちゃかめっちゃかで、上手く消化できなかった。
もう一年後くらい読み直したらまた違う印象なのかもとも思う。
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著者の本で三冊目。
「天体の回転について」「玩具修理者」に続き、この本を読んでみる。かなりの長編で、途中、無駄に密度が高いところが難点。つまり、飛ばし読みでも十分な箇所がちらほら。
内容としては、玩具修理者的グロさに溢れている。
20年ぐらい前かな、寄生獣という漫画があったが、なんとなく、似ている。
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【再読】新刊当時に読んだときは、「なんじゃこりゃ?」的な読後感だったが、ここ5〜6年でリテラシーが向上したのか、今回の再読は文句なしの五つ星。
不慮の飛行機事故で光の国(?)の使者と合体(共生)を余儀なくされた主人公モロボシハヤトと悪の化身(?)「影」との血沸き肉躍る…ならぬ、粘液沸き腐肉踊る戦いを描いた、超スプラッターヒーローファンタジー。有り体に云うと、「ウルトラマン・ザ・スプラッター」。
このキッチュな世界観に乗っかって、作者独特の言語感覚も不気味さに拍車をかける…というか、スプラッタなシーンよりも、普通の会話シーンのぶっ壊れ感の方が気味悪い。
とはいえ、得意のスプラッタ描写も容赦なく、ヒロイックなシーンであろうとも、目玉は転げ落ち、剥き出しになった筋肉組織は膿を伴い律動する、といった態。
しかしナンと云っても、前半で展開される光の国の使者…ならぬ、プラズマ生命体「ガ」の独創が素晴らしい。特に長老とガの交接シーンは白眉。また忘れた頃に読みたい。
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「完全世界観構築SF」
すごい。この世界ほんとに完成されてる。
長編ゆえにできるサイエンスフィクション。
ガは地球にやってきて一人の腕に寄生する。
あれ、そう思うと寄生獣に似ているぞ。気のせいか?
戦いあるしね。たまたまかな。
表紙かっこいいぞ。
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変身ヒーロー物をハードSFの観点から書いた意欲作。長編ということとテーマに食指が動かなかったことで数年間敬遠していたが、いざ読んでみると非常に面白かった。SFあり、グロあり、の小林泰三ワールド全開。読んでいてとても楽しかった。
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乗客全員の命が絶たれたと思われた旅客機の墜落事故。壮絶な事故から生還した諸星隼人は、世界を襲う未曽有の危機に直面する。
一方、真空と磁場と電磁体からなる世界の住人「ガ」は、「影」を追い求める
あまり地球へと飛来する…
小林泰三の長編は初読。
「ガ」が住まう真空と磁場、電磁体からなる世界がとても刺激的で独創的だった。こういった奇天烈な世界設定は、著者ならではだと思う。
しかし、千秋の人間もどきは衝撃的だったなぁ…
そして、物語のラストのくだりは、泰三ファンだからこそ楽しめる内容だと思います。
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なんというか、情景描写が事細かです。
グロくてキモい。
ニオイまで感じられそうな描写です。素晴らしいと思います。
内容はSFなホラー。
なんですが、かなりウィットに富んでおり、にやにやしてしまうコトも沢山ありました。でも、グロくてキモい。
映画にしたら、スプラッタパニックホラーになるのかな。
面白かったし、ガーって最後まで読んでしまいましたけど、
敵の内容とか、人物の設定とかは、個人的な趣味でいえばもう少しほしかったなぁ、というカンジでした。
描写を楽しむにはとても良いのかも。
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―――旅客機の墜落事故。乗客全員が死亡と思われた壮絶な事故現場から、諸星隼人は腕一本の状態から蘇った。
一方、真空と磁場と電離体からなる世界で「影」を追い求める生命体“ガ”は、城壁測量士を失い地球へと到来した。
“ガ”は隼人と接近遭遇し、冒険を重ねる…。人類が破滅しようとしていた。
新興宗教、「人間もどき」。血肉が世界を覆う―。
日本SF大賞の候補作となった、超SFハード・アクション。
小林泰三は今まで短編しか読んでこんかったけど
長編としてキチンと成立しててめちゃくちゃ面白かった
ジャンルとしては…、ロジカルSFスプラッターホラー…かな?
『九十九十九』と似てる部分もある
しょっぱなから最後まで肉弾戦による地獄絵図が続くねんけど
宇宙人"ガ"の生態や、地球上で起こる出来事が非常にロジカルに描かれてる
黙示録の世界観も入ってくるけど小難しいわけでもなく
誰もが知ってるあの「ヒーロー」へのオマージュに溢れてて
「彼」が実在すればどうなるのか?を真剣に検討した感じやな
終盤に分かる人にだけ分かるお遊びも盛り込まれてて
とにかく大満足の一冊やった
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人間と異種生命体の共生関係故の苦難、戦闘時の近隣被害、敵による人類の変異etc…をグロ要素を加えつつ書かれた小林泰三版ウルトラマン。
更に後半はデビルマンとなり、必殺技はマジンガーZ、そしてオチは"アレ"だったりします。
終盤は打ち切りの決まった少年漫画よろしく少々詰め込み過ぎな展開なのが惜しい。
『玩具修理者』未見の方は先にそちらを読むことをオススメします。
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小林泰三さんの長編を初めて読んだ。
序盤からわけのわからない単語を連発され、だいぶ辛かった。そこを乗り越えた後は楽しめたが、後半からスケールがいきなりデカくなり、そのくせ話自体はつまらなくなってきた。とくに、終盤のデパートでの戦闘は少年漫画のような展開が続き白けた。
私だけかもしれないが、主人公の変身能力から進撃の巨人を連想してしまった。
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SFでホラーで怪獣モノという著者の集大成のような長編。とは言え面白くて一気に読み終えてしまいました。
ウルトラマンなどのテレビの特撮モノは最初の15分、悪い怪獣が地球にやって来て…という下りが、ヒーローが出てきて怪獣を退治するラストよりも好きだったと言う著者の言葉が活き活きと生かされていると思いました(笑)いろいろなパロディも鏤められているので、それらを拾う楽しみも乙でした。ラスト、「ガ」の本当の名前も。
長編ということだけあり、持ち前の鋭利さが若干欠けているのがちょっと残念。
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宇宙人というのは何やかやといっても大体固体なわけで、これが期待になったりしてしまうと、もはや存在しているのも分からないというか、RPGの敵のような存在。実際のところ宇宙人がいたとしても、全く意味不明な存在の可能性の方が高いよなぁ、などと思う。
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「空想科学読本」の科学的正しさを元にウルトラマンを再構築した感じの内容。最後の「ガ」の行動が突然すぎて意図がイマイチ不明