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輪違屋糸里 上 みんなのレビュー

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みんなのレビュー79件

みんなの評価4.1

評価内訳

77 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

哀れでも道は1つ、生きるしかない

2004/08/18 20:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 社会の仕組みが変わる狭間の幕末、時代の流れに翻弄された人々が居た。新しい価値観が目覚める間際、謀略と破壊に人の心は侵され、傷つき、敗れ、散っていく。崩壊を防ぐべく防波堤である男達は自らが破壊の象徴であり、交わる女達の物語は残骸の象徴、波は否応なく双方に覆い被さって行った。
 
 女衒に買われて京都、島原の置屋輪違屋に来たのはお糸が6つの時。禿、半夜、鹿恋、を経て糸里天神になったのが14歳、物語はそこから始まる。糸里天神、江戸から来た菱屋のお梅、糸里天神の唯一の友達、桔梗屋の吉栄、そして新選組が屯所にしている壬生住人士八木家のおまさ、同じく前川家のお勝ら女達の眼を通して壬生浪士組から新選組になる過程が芹沢鴨と土方歳三を中心に描かれます。あくまでも彼女たちのフィルターを通してと言うところがミソなんですね。上京までの過程ですら永倉新八に語らせています。尊皇攘夷も倒幕開国もなく、新選組の活躍もない。策略にまみれた新選組の裏面史のようで、その実、裸の男と女を書いているのだと思う。既に士農工商は崩壊しているものの、ひたすら武士を目指している百姓出の男達を、世の中が変わろうと悲しみと耐えることしか許されない女達の眼を通して見ると、そこには同じように逃れられない定めの中でもがいている一人ひとりの人間しか見えてこないのです。

 生き方に選択肢のない時代、必死に這い上がろうとする人々に男女の別はない。男も女もお互い必要としていながら、切り捨てなければ生きて行かれない時代は哀れだ。生きるため、志を曲げ、策略に目を瞑り、愛を諦め、身分に甘んじ、目の前にある道を進むしかないので、決して強い意志を持って乗り越えているのではない。ここには強い男も強い女も居ないのだ。耐えることでしか生きる道を見出せない幕間の舞台だった。今、舞台は変わったのだろうか。 

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紙の本

弱い男、強い女。

2004/07/02 09:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bonkora - この投稿者のレビュー一覧を見る

『輪違屋糸里』を読んだ。

「輪違屋」というのは、京都で置屋を営んでいるお店。

浅田次郎の、『壬生義士伝』につづく、新撰組異聞第二弾。
話は、新撰組局長芹沢鴨の暴挙から、その暗殺までを描く。
のっけから、芹沢鴨の暴君っぷりで始まり、
やはり芹沢は、ひどいやつだ!という印象を確かなものにする。
が、実は、彼のそんな行動の裏には、隠された秘密があった…
読み終えてみると、「芹沢鴨も、人の子よのぅ…」と思える。

さて、結論から言えば、『壬生義士伝』のように、
ググッとくるものがあまり無い。
泣かせ文学が、浅田次郎の真骨頂だと思っているが、
読者に畳みかけるように訴えてくるパワーに欠けている。
その原因として、主人公が見えにくい、ということが挙げられる。

一応、主人公は、輪違屋で天神をつとめる、糸里、という女の子。
だが、その脇を固めるキャラクターも、
負けず劣らず自己主張をしており、
どうもその陰に糸里が隠れてしまっている。
まあ、相手が、芹沢鴨、土方歳三、お梅
といった有名人だから仕方ないか。

で、話の筋を、ざっくりと言ってしまえば、

女VS男

という構図だろう。
別に、双方で殺し合うとかいう内容ではなく、
女の持つ強さと、男の持つ弱さ、
それを隠そうとして強がる男を、女が優しくいさめる、という構図である。

そう、この作品で描かれている女は、みんな強い。
ほれた男のために、自分の夢のために、
愛する息子のために、家のために、
女達は、必死でそれらを守り抜こうとする。
時代の流れに翻弄される男を後目に、
女達はどっしりと構え、そこから動かない。
そんな強い女に比して、男の強さなんてかすんでしまっている。

話はガラッと変わるが、ぼくは、女が男を男にする、
という持論を持つ1人である。
男は、女次第で、よくもだめにもなりうる、という事だ。
残念ながら、ぼくは、いまだそういう人に巡り会ったことがない
(それは自分にも責任ありだが)。
だが、ぼくが知っている、かっこいい男の人たちは、
みんな女によって男を上げている人ばかりだ。
一見強面の某さんも、やさしい奥さんの前では、少年の様になってしまう。
ぼくの友人の某も、愛する人のために、
必死で難関資格にチャレンジしている。
一つ言えることは、彼らはみな、女によって男を上げた、という事実だ。

『輪違屋糸里』は、たんなる芹沢鴨暗殺だけの話ではない。
そこで描かれているのは、男を男にする女たちの生き生きとした姿である。
情けない、弱い、もろい、見栄っ張り、な男達のケツをたたき、
もっとしゃきっとせんかい!!!と、叱咤激励する女が、ここには一杯いる。

願わくば、ぼくもそんな女に出会いたいものだ(希望)。

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2004/09/21 16:28

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2004/10/03 22:37

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2004/10/12 12:00

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2006/07/09 12:25

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