紙の本
森ファン必読の一冊
2004/05/18 12:47
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投稿者:一石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
購入したときの第一印象は「思ったより厚いな」。
「森博嗣」の「1000%」を詰め込むには、やはりこれくらいの量が必要なのだろう。
森博嗣氏と対談するために作家になったという西尾維新氏との対談から始まり、S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ、その他の作品が網羅されている解説、森博嗣ファンクラブ「森ぱふぇ」に対して行なわれたアンケート結果(私も参加させていただいている)、森作品のシリーズ間におけるリンクを暗示する隠しアイテムの紹介などなど、内容は充実しており盛りだくさんだ。
私が特に注目したのは、読者のミスディレクションを誘う「隠しアイテム」をネタバレ必至で紹介しているコーナーだ。だいたいにおいては読者にとって既知のものと思われるが、気づかなかった「隠しアイテム」を見つけ、関連する森作品を再読してしまった。
森作品は、読めば読むほど深みを増している。作品群全体としてどんどん世界が広がっていき、「隠しアイテム」に気づいて得意になっていても、そこがさらなるミスディレクションへの入り口になっている。底知れぬ作品世界。エンターテイメントとは、かくあるべきだろう。
この本の中ではたった1ページにすぎないのだが、森博嗣氏とサリンジャーとの共通点が書かれている。森作品を読むと、サリンジャーから受けた影響が随所に見られるのだが、それらをまとめた解説である。ここでは「引き算の美学」と称されている「書かない手法」は、日本人において稀な存在だろう。「なぜ」という原因にあたる部分を示さず、結果のみを提示する手法。「なぜ」は読者が問うべきものとでもいいたげな。
森作品を紐解く上で、サリンジャーとの共通点は頭に入れておきたい。
森作品、および森博嗣氏をこよなく愛する読者にとって、まさに珠玉の一冊である。
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多田由美氏・作画による漫画「河童」が含まれています。
それだけでも一見の価値有りです。
中身はネタバレを前提にしているのでうっかり見ないようにする注意が必要です。私は見てしまった口です 笑
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タイトルそのまま森博嗣ファンブック。1000%はあり得ない。
ちょいと古めではありますが、森博嗣の代表作はもちろん本人についての解説もなされていて楽しめます。
短編「河童」の漫画もあり。
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2004年に発売されてすぐ購入だったのだけど、内容が読んでない本にも触れていたので、四季シリーズが文庫化されるまでずーっと読めなかった、森博嗣本。これはムックの大きさだけど、去年既に文庫化されてる。/ネタバレが嫌だったら、エッセイとか以外の普通の(?)シリーズは読破してからの方がいいかと。
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S&Mシリーズだけでなく
森博嗣の著作全般の各本のあらまし。
(残念ながら少し古い本なのでカバー範囲は四季辺りまで)
各シリーズのメインキャラの人物考や作品考、
知っておくと彼の著作をより楽しめる関連書籍の紹介に、
ファンによるランキング付け、
彼の日常を垣間見れるスナップなど、
とりかく思った以上に濃い内容でした。
特に、評論にもあった「引用文の多さ」は、
関連書籍をざっとみるとより興味をそそられる。
こういうリンクが゛、新しい本に出会えるチャンス!
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もっと森作品を知りたい!楽しみたい!人へ
読了日:2006.2.25
分 類:解説本
ページ:192P
値 段:1260円
発行日:2004年6月発行
出版社:宝島社
評 定:★★★★
●作品データ●
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テーマ:森博嗣とその作品
語り口:執筆者多数
ジャンル:解説本
対 象:森博嗣ファン~一般向け
雰囲気:作品解説書+ファンブック
イラスト:コジマケン
写 真:大関 敦、串原英明
表紙デザイン:森 葉子(little sista)
本文デザイン:COA、野中 理恵
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---【100字紹介】-----------------------
西尾維新との巻頭対談に始まり、表紙デザイン集、
全作品解説、引用作品解説、キャラ解説などの資料的なものから、
森博嗣や担当編集者へのインタビュー、
趣味を中心にした写真館など森作品を楽しむアイテム満載の1冊
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別冊宝島です。一瞬、「雑誌?」と思いましたが、ちゃんとISBNがついていて、図書でした。雑誌だったらISSNがつきますからね。
表紙がコジマケン氏。すっかり森博嗣作品ではお馴染みになりました。元々菜の花、コジマケン氏を全く知りませんでしたが、今ではすっかりファンになっています。独特で可愛い作風ですね。
本書はまるごと一冊、森博嗣特集です。秀逸なのは、作品解説。巧いの一言です。うーん、よく読みこんでいる、というのもあるかもしれませんが、「この作品は本当に面白いの!是非読んで!」という気持ちがひしひしと伝わるいい文章です。これを読んだら、あなたも「あ…読んでみようかな」とか「もう一度、読み直したくなってきた!」と思うことうけあい。そして。こんな文章を書いている菜の花ですが、自分のいい加減で適当な感想文と比べてちょっとしょんぼりしてしまうのでした。ああ、世の中には同じ本を読んでもこんな素敵な文章に出来る人がいるのだ!菜の花、まだまだ修業が足りません、出直してきます、みたいな。って、まあ、元々の趣旨が違うからいいか、という気もしますが。菜の花のこの文章は、その作品をネタにしたエッセイというか、雑記なわけで、別に解説をするものではないですものね。(と、開き直ってみた。)
個々の作品解説の他にも解説系ではネタバレ100%な、森博嗣作品の「特別講座」もありました。こちらは…うーん、どうなんでしょう。菜の花的には「そんなの気付かない人がいるのか?」と、「それはあまりに強引では…」の内容であって、あまり面白みはなかったのですが、こういう考え方をする人が、同じ作品の読者にはいるのだ、ということは新鮮でした。実はそれは個々の作品解説でもそうなのですが…、まあ、そういう風に思う菜の花の読み方でさえ「ははあ、そう読む人もいるんですね」という対象であるのでしょう。つまり、万人が同じように読むことはありえない、だからこういう本が出て、みんなで作品の読み方を出し合ってみて「へー」とか「ほほう」とか思うのが愉しい、のかもしれません。
森博嗣作品をこれから読んでみ��う、という人には絶対おすすめ。すでに読んだ人も、目を通してみると新たな発見があるかも?
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文章・描写 :★★★★+
展開・結末 :★★★
キャラクタ :★★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★★
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いろんな森先生が見えて、作品をしっかり並べて考えられる。
森ロジックは私には難しいから解説があるのは有難い。
しかし、1つ謎が解けたらまた1つ謎があらわれる。
こうしてまた森ミステリの沼にはまってしまうのだ…
まぁ、奥が深くて何度も楽しめるってのはいいことなんだけどね。