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江國さんの本は、何度も何度も、ゆっくりと噛みほぐすように読み返していって、やっと作品と一体になれるというか・・・そういうものが多い、と思います。この本もその中のひとつ。解説で翻訳家の金原瑞人さんがおっしゃっているように、この「ウエハースの椅子」にはストーリーが・・・ない。絶えず動くアクション小説・推理小説なんてのからは一番離れたところにある。でも、それがいいんです。例えば自己紹介などするときに、「あなたの好きな食べ物は何?」と聞かれて咄嗟に頭に浮かぶもののように、何度も食べたい=読みたいと思わせる本。ストーリーよりむしろ、本当にちょっとした感情の揺れをひどく繊細に細かく描いていく。そんな江國さんの持ち味が遺憾なく発揮!されています。通学途中などに、これからももっともっと読み返したいなあ。とろりとして病み付きになるチョコレートのような小説でした。
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一切名前が出てこないということに気づかないような書き方ができるのは素晴らしいな、とおこがましく思う。話は緩やかな流れ。時間経過が酷くゆっくりな気になる。
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ストーリー性があまり感じられないのに、退屈することなく最後まで気持ち良く読むことができました。毎度のことながら、今回も江國ワールドに見事にドップリはまってしまいました。この本は、彼にも読んで欲しいなって思ったけど、きっと読む時間がないって断られちゃうから、今度私が読み聞かせをしてあげる計画立ててます。
だって、この本は恋人と共有したいって思わされちゃう。でもそれって、男性と女性で感じ方が違うから難しいのかな・・・。
(2006年4月)
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主人公の女性は幸せなようで、実は最も不幸な生活をしていると思います。
わかっているのに抜け出せない、そんな感情があふれている本です。
後半から話が展開するので、あまり本を読まない人は途中で飽きてしまうかも…。
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隅から隅まできっちりとは読めなかった作品ですが、主人公が絶望という名の自分の良心(?)と語り合うっているシーンは全てにおいて好きです。しびれる。そして痛すぎる…。
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絵國さんの作品の中でも1,2を争うほど好きな作品です。主人公の後ろ向きさ加減というか、絵国さんワールドの雰囲気がよく活かされていると思う。
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江国さんの描く女性は、とっても大人なようで、とっても乙女。
不倫相手=ウエハースの椅子。なんかな。
このたとえがステキ。
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表紙の絵がとても綺麗で好き。なんだか心が痛くって、でも人生とはそういうものだとも感じた。絶望は、ふとした瞬間にやってくるもの。
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毎度せっかちな自分ですが、この人の本だけはゆっくり読みます。ゆっくり何回も読みます。読み終わるのが勿体無いといつも思います。
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「死」がテーマに少し思える。飛行機が定刻に着陸しなかった時に読んでてちょい怖かった思い出がある。苦笑
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江國さんを読んでいると、すぐにおなか一杯になってしまう。だから少しずつしか読めないのだ。いつもそうだ。 「恋した人間を誰も助けることはできない」という一言に、唸ってしまった。
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出会ったとき、私たちはどちらも十分に大人だったので、もう自分を甘やかしてもいいと判断したのだ。私たちは自分をあまやかす。そして相手を。(抜粋)
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江國香織の色がすっごく出てる。
幸せなのに何かが欠落している
過不足が無いというのはそういうこと。
自分を紅茶に添えられたにもかかわらず使われない角砂糖だと感じたり。
コトバの一つ一つに作者の色が出ている
内容は全く明るくないにもかかわらず、
ラムネの泡が今にもはじけようとしているような
どこかさわやかな印象
きっと、彼女が見たり聞いたりするものは
実際には自分達と変わらないのだろうけど、
感じるものが自分達とは全く違うのだと思う。
その違いが私には魅力的だし、
作品に引き込まれる要因なのかもしれない。
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私の日常とは全然違う時間が流れている。不倫の話だけれどそれを感じさせないサラッとした感じがよかった。
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恋愛長編だけど、江國香織の小説だから、そんなに激しくもなく、ドロドロでもなく。さらりさらり。ゆらりゆらり。悪くなかったけど、感想を言いづらいかんじ。表紙が好き。