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本書『組織は戦略に従う』は経営史として世界的な名著と言われている。
1900年代初頭から1950年代までのアメリカにおける大企業の成長をデュポン、GM、スタンダード石油ニュージャージー、シアーズローバックを通して考察してある。
そして、アメリカ大企業の歴史は
第一段階:最初の事業拡大とそれに伴う経営資源の増大
需要の拡大によって経営資源を増加する。
第二段階:資源活用の合理化
職能制や統合によって増大した経営資源の合理化を図る。
第三段階:経営資源を生かし続けるために、新市場、新製品ラインに進出
第四段階:短期の需要、長期の市場トレンドの両方に対応しながら経営資源を活かすために、組織間編を実施
肥大化した組織の効率的マネジメントを実施。コミュニケーション経路・指揮命令経路の整備などにより組織変革。
といった流れになっていることを本書では述べてある。
企業は成長の波に乗ることができると経営資源を増大させていく。そして成熟にちかずくにつれて余剰経営資源が生れてしまう。余剰資源を合理化できれば次に現れる問題は経営資源を他の事業にも活かしていくことが重要となる。この水平的展開が上手くいくと今度は組織が肥大化していくことになる。ここで、組織をどう変革していくかで企業の運命が変わるといっても過言ではないだろう。本書で取り上げてある4つの企業は各段階を乗り越える術は違ったが、これらを乗り越え大企業として君臨することができた。
感想としては、実務経験が無い分、複雑な組織の変遷がイメージしずらかった。難解であった。大企業が存続できる理由、とくに組織をマネジメントする重要性が分かった。中小企業の感覚でできる経営には限界がある。大企業に成長するにはカリスマ的ビジネスプランだけでは不可能ということが理解できた。
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組織論の古典的名著です。
デュポン、GM、スタンダードオイル、シアーズのケースから、組織イノベーションがどのようにして行われたか分析していきますが、戦略と組織とがいかに密接に関わっているかがまざまざと見せつけられます。
タイトルからは戦略が組織に従属しているかのような一方向な印象をうけますが、実際はそんなことはありません。組織の構造や仕組みが戦略に対して重要な影響を与えていて、双方のインタラクションが戦略や組織を駆動させるのだということをはっきりと示してくれます。
(原題も「Strategy and Structure」で戦略と組織に優劣はない)
大部で読み易くもありませんが、丁寧に読み解いていくとたくさんの発見に出会うことができます。そしてその発見も、一度通読したくらいでは発見し尽くせない。その都度違う角度から何度も読み込んでいけば、そのたびに新しい発見が必ず見つかるはず。これぞ、名著と呼ぶにふさわしい一冊でしょう。
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かなり古い内容で、デュポンとGMとニュージャージー・スタンダード、リアーズ・ローバックの組織の変遷を記したもの。企業が成長し、組織が大きくなると集権化・効率化を図り、市場に対応して多角化を進めると事業部制で対応するという流れで、戦略の変更に組織をどう適合させるかという内容。古典ではあるが、それは基本ということ。競争の戦略もそうだったが、古典に触れるのはいいこと。大著で読むのに時間かかるけど。
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組織戦略についての古典ということで読みました。もちろん必要と思われるとこだけ。事業部制の具体的事例という意味では面白いでしょう。
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デュポン、ゼネラルモーターズ、スタンダード石油ニュージャージー、シアーズ・ローバックの4社を取り上げ、1900年代前半から事業部制がどのように成立、発展していったかが描かれています。
経営系の専門職大学院に通っていたこともあり、「組織は戦略に従う」という、あまりにも有名なタイトルの本書を在学中に読んでおかなければ!と、意気込んで購入し、読んでみたものの…まあ、とにかく長い。
自分の読み方が悪かったのかもしれませんが、それぞれの会社の物語が延々と続く感じ。
ドラッカーの各種書籍やビジョナリーカンパニーのように、結論をズバリと言い切って、その具体的な事例を示すような構成に慣れていた自分にとっては正直読むのが苦痛でした…。
ただ、これだけの内容を綿密に調査し、歴史的事実を忠実に書き出したチャンドラーの凄さ(生まれ育った環境も良かったのでしょうが)には、ただ感服するばかりです。大学院の授業におけるケーススタディの題材とするには最高かもしれません。
最後に。
時には眠くなり、読み進めるのに悪戦苦闘しつつも500ページもの大著を読み切った自分を褒めてあげたい(笑)
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1読む目的
2この本への問い
3サマリ
4感想
1読む目的
コンサルをする上で顧客の組織を理解する必要がある。その前提として組織を俯瞰する観点を得ること。
2この本への問い
成功する/失敗する組織とはどんな組織か。
3サマリ
4感想
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著者チャンドラーの Wikipedia 日本語ページを書き換えるために再読
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%BC
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著作者が超良家の血筋なため、S級の歴史的資料を活用できた模様。それにより、普通は分かりようがない企業の意思決定の流れがケイススタディーできる。 GM、スタンダード石油、シアーズ、デュポンの戦略が作り上げた、自身の組織形成は非常に興味深い。ヘビー級の読み物としては、割と読みやすく面白いが、おそらく私の役に立つことは無いだろう。
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事業計画策定のシーンに毎年必要な箇所のみ再読している。普段、失念していることを思い出させてくれる良書。たまにはこういう本も読まないと、仕事、業務において自分の思考バランスが取れなくなっていることにも気づかない。
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事業部制の成り立ちが、市場の変化、企業の拡大という面からよく理解でした。情報の書き方が助長ではあった。
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経営戦略論は、チャンドラーのこの本から始まったとされている。
最初の翻訳本『経営戦略と組織―米国企業の事業部制成立史』(1987年)は、すでに絶版。待望の第2段・翻訳本。
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「組織は戦略に従う」 〜Strategy and Structure〜 Alfred D.Chandler,Jr.
ダイヤモンド社 2004年6月第1刷発行 500ページの大書
・19世紀末から20世紀前半のデュポン、GM、スタンダード石油、シアーズ・ローバックの話。
・GMのアルフレッド・スローン「組織についての考察」
原則1)各事業部の最高責任者は、担当分野についてあらゆる権限を持つ、各事業部は必要な
機能を全て有し、自主性を十分に発揮しながら道理に沿って発展を遂げていければ良い。
原則2)全社を適切にコントロールしながら発展させていくためには、本社が一定の役割を
果たすことが欠かせない。
考察の目的1)各事業部の役割も明確にする。その際には、他事業部との関係のみならず、
本社組織との関係も定めなければならない。
考察の目的2)全社との足並みを揃えながら必要かつ合理的な役割を果たせるように、
本社組織の位置付けを定める。
考察の目的3)経営の根幹に関わる権限は、最高責任者である社長に集中させる。
考察の目的4)社長直属のエグゼクティブを現実的な人数に絞り込む。他に任せておけば良い
事柄から社長を解放して、より大きな全社的課題に専念させるためである。
考察の目的5)事業部や部門が互いに助言を与え合う仕組みを設けて、それぞれが全社の発展に
寄与できるようにする。
4つの道筋1)全事業部を幾つかのグループに分ける。
4つの道筋2)各グループの統括役として本社エグゼクティブを指名する。
4つの道筋3)総合本社のスタッフ機能を拡充して、各機能を担う組織を単一の
「アドバイザリー・スタッフ」組織に統合する。
4つの道筋4)財務・経理部門により幅広い業務を担わせる。
・ヘンリー・フォードはT型Fordの原材料や部品をほぼ全て自社生産する戦略を取ったが、
GMはそれを倣わなかった(ならわなかった)。フォードはリバールージュに巨大工場を
擁していたが、GMはそれに匹敵する工場を持とうとはしなかった。
・シアーズ・ローバックはメーカーへの出資について、どうしても必要な場合に限った。
自社製造は極力控える方針だった。
シアーズが垂直統合を推し進めた時は、基本的に守りを固めるためだった。適正な価格で
確実に商品を仕入れたいという動機である。
・アメリカの大企業の歴史
第1段階)最初の事業拡大とそれに伴う経営資源の増大
第2段階)資源活用の合理化
第3段階)経営資源を活かし続けるために、新市場、新製品ラインに進出
第4段階)短期の重要、長期の市場トレンドの両方に対応しながら経営資源を活かすために
組織改革を実施
大まかに言えば、アメリカの大企業の多くが最初に経営資源を拡大したのは、1880年代から
第一次大戦にかけての時期。これらの企業はマネジメント組織の原型を築いた。
多くの大企業が拡大の道を歩み始めたのは1930年代の大恐慌が収まってから。
パイオニア的な大企業が多大な経営資源をマネ���メントするために、1920年代に組織形態を
考案し始めたが、ほとんどの企業が組織改編に乗り出すのは1940年代〜1950年代に入ってから。
・アメリカの大企業が産声を上げ、成長を始めたのは、南北戦争後、工業化と都市化が急激に進む
経済環境の中であった。この時代に鉄道建設ラッシュが追い風となって、西部の農業人口が増大した。
鉄道建設ラッシュはさらに農業地帯の人々を顧客とした旧来の商業地域や、工業製品の需要増に
対応して生まれた振興工業都市を急速に拡大させた。鉄道そのものも粗鋼、鉄鋼、機械産業に
巨大な新規市場をもたらした。また鉄道建設には巨大な資本を要したため、近代的な資本市場、
投資銀行が誕生し、これが呼び水となって後年、産業界がアメリカとヨーロッパの巨大な資本を
利用しやすい環境が整った。鉄道建設と都市部の急激な拡大は、技能を持たない移民や農村部の
若者に雇用をもたらし、これらの人々が1850年代以降、大都市に流入する。彼らは成長途上の
企業に労働力を提供しただけでなく、製品需要を押し上げた。1880年代には大多数のメーカーが
鉄道を用いて農村地帯の大規模市場、拡大著しい工業地帯や都市部の市場などに製品を供給した。
以上