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空間。「空」と「間」。
とても日本的な響きの文字。
イサムノグチならそこに「閑:レジャー」を見るのも無理はないかもしれない。
この本はでもそんな禅問答になりかねない話を、スパッと床壁天井的な話に、建築的な話にもっていき、はぐらかすのを許さない。そこがとても小気味良いです。
タダモノではない回答者たちの話がうまく「空間」の話としてまとまっています。
グリーンマインドとしては、
床壁天井だけでなく「夕陽と私」「樹と私」という関係(8ページ)、箱の可能性を見つける人(建築家)(16ページ)
素材としてのルーズさが今の時代の空気としての心地良さを感じさせる(180ページ)
という発言に共感しました。
個人的に「どんな空間が好きですか?」と言われたら「自分の居場所がある空間」と答えます。それくらいどこにいても「ここには居場所がないや・・・。」と感じているからかも知れません。空間の境界線が皮膚感覚とでもいう感じです。
そういえば何人かが「楽しさ」を答えとしてあげていましたが、それも「楽しい空間がない」の裏返しかもしれません。
とても好きな本です。