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本屋にてたまたま手にとって買った本。
短編集で4つのお話が入っているがどれもなかなか面白い。
テレビでやっていて思い出した。
「兄貴の純情」の兄貴がだいぶお調子者。
話の内容的には全然違うのだが、植物に関するお話でまとまっているように思う。
色々な恋愛が全面にでている作品。
ドロドロもしているが、全体的に甘酸っぱい感じ。
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花をキーアイテムとした短中編集.
登場する花は本当に身近に咲いている花ばかりです.
内容自体は突拍子もないモノや心温まるものなど色々ありました.情景は暗くなりすぎず温かく包み込むように描かれていて素敵でした.
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短編集です。
とてもとても…好きだ!
(こんなところで告白)
とにかく光原さんの描く風景が綺麗です。
表題作「十八の夏」はキラキラと川が光に反射して輝く。主人公である青年がジョギングをしながら観る風景はとても綺麗な1枚の風景画のように描かれているのだけど、ふいにその中にいる女性が倒立をする。一気に主人公の世界と風景画の世界が近づく。
小さな日常の幸せを描きつつも、その背景にある2人が隠すそれぞれの事情。
最後はすこし寂しいけれど、でもとても爽やかで気持ちがよかった。
2作目の「ささやかな奇跡」は桜がふわふわと散っていく合間を通り抜ける柔らかな光、がわたしのイメージです。
名前に『光』が入っているからか、つい、映像でお話を感じてしまいました。
「明日香ちゃんち、便所のような匂いがした」
という太郎くんの台詞を聞いてショックを受けてしまったわたし。まだまだ子どもだと思っていたけれど、いつの間にか大人になっていたようです。
この台詞の持つ意味は実際に読んで見てください!
3作目は「兄貴の純情」
太陽がサンサンと輝くような、とってもたのしい。そして優しいお話です。
そして最後は「イノセント・ノイズ」
光の届かない真っ暗闇。
最後は間に合ってよかった。本当に間に合ってよかった。。。
子どものやることに意味のないことなんて、ない。
だから大人は鈍感でなんていられないし、目を背けることはできない。
先生みたいな人ばっかりじゃダメだけど、先生は救いにもなる。
本当に、よかった・・・。
この本、ほんと良かった!
わたしに合っていたようです
繰り返し繰り返し読みたいと思います。
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悪くないんだけど、ちょっと物足りない。「ささやかな奇跡」なんか結構好きな感じ。結末の予想はつくけど、便所みたいなにおいの正体とか、ああなるほど、と思える謎解きで。
ただ、上手にできているけどハマりはしない、という印象です。
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植物をテーマにした連作集。表題作の朝顔と最後のキョウチクトウが暗いミステリーなのに対して、間に挟まった2つの短編がほのぼのとしたハートフルな作品。並びも作品全体のいいアクセントになっている。トイレの匂いが幸せの香りに早変わりという二番目の短編が一番のお気に入り。金木犀の花と一緒に匂いまで漂ってきそうな温かさがあった。
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こういうのも「ミステリー」なんだー、という感想。ミステリー作品に疎いもので。。
おもしろいけれど、あまり好きではない文章。
「」以外の文章がいちいち説明的というか、説明的な文章がくどく感じられるというか。。これはもう、単に好みの問題ですが。
わたしには、如何にも「読みもの」で、温度は感じられない作品でした。
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十八という数字に惹かれました。
主人公が十代後半~二十の小説はつい読んでしまいます。
短編集だったのですがどれも結構楽しめる内容でした。
日本推理作家協会賞らしいです。
連作ミステリー、らしいです。
…え?連作??ミステリー???
どこがそうだったんだろう……(ちゃんと読んでるのかこいつ)
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「扉守」を読んだらこれも読み返したくなり再読。いやあ、やっぱりいいわあ。
花をモチーフにした短篇が四作収録されているが、はじめからの三編は非常に気持ちのいい読後感のミステリーで、未読の方はぜひ、とすすめたくなる。最後の「イノセント・デイズ」だけ題材がかなり重いので、一貫したトーンであったらなあと少し残念な気はするのだが。
表題作「十八の夏」は、読み返してあらためてよくできているなあと感じた。川べりに吹く風や桜の花の色までありありと浮かんでくる描写もお見事。
「ささやかな奇跡」は脇役陣が味わい深い。書店員ものとしても読める。
一番のごひいきは「兄貴の純情」に出てくるその兄貴。光原さんもお気に入りのキャラだそうだ。「決断力豊かだが判断力に欠ける」男…、じんわり笑える。「ささやか~」もこれも仕掛けはみえみえだけど、そんなことどうでもいいのよ。楽しいんだもの。
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花をモチーフにしたミステリー短編集。
「たなとも」さん(すいません、勝手に呼ばせていただいています)に教えていただいて読みました。
ありがとうございます。
光原さんらしい優しい雰囲気の短編で、私は好きでした。(「イノセント・デイズ」はちょっとトーンが違ったかな。)
花がモチーフということもあったでしょうが、光原さんの場合他の作品でも季節を感じられたり、作品の舞台となる場所や風を感じられる描写がいいなぁ、と思います。
一番好きだったキャラは「兄貴の純情」の兄貴です。
愛すべきこの人物と、またどこかで会いたいです!
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物語にフワッと花が絡み合った4編の短編集。
ミステリーとの事だが、ミステリーではない。
「しかし好きで飲み込んだものでなくとも、いつかは消化される。そして体の一部になっていく。啓子のことを忘れたわけではなく、ただ思い出す気持ちに怒りが混ざらなくなり、澄んだ水のような哀しみだけを覚えるようになった頃から、その死は少しずつ僕の中で異物ではなくなったように思う。起こらない方がどれほどか良かった出来事には違いないが、それでも僕の人生の一部に違いないと認められるようにはなった」~ささやかな季節より~
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第55回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。少年のさりげない日常に現れた年上の女性との怪しい接点が心地よい。他に4つの作品が収録されている。おすすめ。
<収録作と関連がある花>
・十八の夏...「朝顔」
・ささやかな奇跡...「金木犀」
・兄貴の純情...「ヘリオトロープ」
・イノセント・デイズ...「夾竹桃」
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三作の中編が入っています。
最後の一作が特にミステリー色が強かったですね。
人が死なないミステリーは大好きです!
読み終わった後にホッとする様な、そんな一冊でした!
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読み終えました。いや~面白かった!まだまだ知らん面白い作家がいっぱいいると思うと、安心します。カテゴリ的には一応ミステリになるんでしょうか。ハートウォーミング系日常の謎からめの青春小説です。青春?でもないか。
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【十八の夏】
父親が不倫してるかも――。
姉に調査を依頼された僕は浪人中の身でありながら紅美子という女性を見張る。しかし、川辺で飛ばされた彼女の絵を拾って、彼女の部屋へ上がってから、徐々に彼女のことを好きになり始める。淡く切ない恋物語。
【ささやかな奇跡】
5年前に妻を失くした35歳の高志。書店員の仕事と平行して家事や8歳の息子、太郎の相手をするのは厳しく、半年前に義父母のいる大阪に越してくることに。町の様子を見てみようと外出したとき、「さくら書店」という小さな本屋に入った。そこで、明日香という店員に一目ぼれし、その書店に通い始める。彼女と良い付き合いをしていた高志だったが、なぜか近所の人たちの目は冷たい。明日香には不幸な過去があった――。金木犀の匂いが薫る家族物語。
【兄貴の純情】
進路に悩む17歳の洋二には6つ上の兄貴がいる。役者として芽が出ないのに劇団を続けていて、両親は放置プレイ、洋二は彼のそんな姿を半ば呆れている。二人で酒を飲んでいるときのこと。ここで二人の本音が明かされる。兄の想いと弟の想い。兄のキャラの濃さとマヌケっぷりがよい。
【イノセント・デイズ】
自宅で経営する「あさひ塾」に通ってきていた、元教え子の相田に6年ぶりに再会した浩介。中学2年の夏に相田は母親と新しく家族になるはずだった人を失くし、その前の冬には父親が不慮の事故で亡くなっていた。その真実が明らかになる・・・。
伏線の張り方が見事!一気にファンになりました。
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桜、朝顔、金木犀、ヘリオトロープ、夾竹桃。
ただ美しく、眺める人の目を楽しませるだけではなく
季節が巡るたびに取り返しのつかない日々を思い起こさせたり
花占いどころか、復讐相手を選ぶクジの役目を担ったり
大人には風情のある香りと思える香りが
子どもには生活感溢れる「ある場所」の匂いとして摺り込まれてしまったり
庭木として愛されているのに猛毒があったり
生き抜く強さで復興のシンボルとなったり。
花や木が持っているいろんな側面を、光原さんらしい目線で
重要なエッセンスとして閉じ込めた短編集。
ミステリ色が強いのは、日本推理作家協会賞を受賞した『十八の夏』や
ラストの『イノセント・デイズ』なのでしょうが
ほのぼのと温かい味わいに弱い私は、他の2篇
『ささやかな奇跡』・『兄貴の純情』が、やっぱり好きです。
特に、大好きな本を少しでも手に取って読んでもらうために
「この本を買おうかどうか迷っておられる方に。
どうぞ105ページを立ち読みしてください」
と手作りPOPに書き込み、
脚の悪い常連のおばあさんのために、自分の店には入荷しない雑誌を
他店まで出向いてわざわざ購入し、「届きましたよ」と手渡す、
『ささやかな奇跡』の書店の店長の明日香は、
光原さん作品のヒロインらしい、清楚でひたむきな風情がとても素敵。
一転して『兄貴の純情』では、
母の胎内から背丈とバイタリティと情熱の取り分を皆かっさらってきた兄と
残された自制心・遠慮・デリカシーの方を受け継いだらしい弟の
兄弟ならではの掛け合いが楽しく、こんな男性像も描ける作家さんだったのね!と
なんだか得をした気分になったりして。
ミステリとして、というよりも愛すべき人たちの物語として
手にとってほしい作品です。