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紙の本
トルシエと日本代表の4年
2004/07/19 18:49
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投稿者:ヤタガラス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ご存知オリピック日本サッカー男子の監督を勤める山本昌邦氏の回想録である。著者は、トルシエのもとでコーチとして日本代表を支えたのであるが、テレビに映るとおり非常に冷静で客観的な人物であることが強く印象に残るが、本書はその評価を裏切らない。
トルシエの評価は、ラモス氏などからすると、決勝トーナメントに進めたのは監督の手腕ではなく、選手の力である、誰が監督をやってもあそこまではいけるなど、相当辛らつな発言をしていたが、トルシエは至るところで、選手に的外れな批判を繰り返していたことが書かれている。「FKの際にヒデと小野とどちらが蹴るか、話し合って決める。その時間が長いと「テレビに長く映りたいからだろう」と非難する。よくこんな理屈を考え出すものだと感心するほどだ。」というようなことがあったそうだが、そう言えば、試合中にヘアースタイルを整える選手は使わないというような発言を記憶している。
2002年W杯トルコ戦では、ヒデを外そうと考えたが、通訳であるフローラン・ダバディに止められて思い直したという記述があるが(潮智史:日本代表監督論)、まさかそんな発想があるわけがないと信じていなかった。しかし、後半、引っ込める選手の欄にヒデの名前を記載していて、それを訂正して市川を下げたことが明らかにされている。著者が、交代用紙に選手名を書き込むのが仕事であったというのである。そこのところの事情は、本書を読んでもらうしかないが、ここ以外でも多くの知られざる事実があり、帯に「日本のために残しておきたい、コーチとしてトルシエジャパンを冷静に分析した貴重な提言」とあるが、これを読むことによってサッカーの楽しみ方が増加する内容でもある。
「何ごとにも妥協しない強さがない限り、短期間での成功などあり得ない」(トルシエ:トルシエ革命)とあるが、トルシエは、非常にプライドが強くて、妥協はしないタイプであった。そして、周囲の人間に当り散らしたことも書かれているが、協調性の高い日本人はスタッフ、選手が『大人』であったからトルシエも監督を勤めることができたのであろう。
nakata.net2002では、ヒデがトルシエについてコメントしているが、本書に書かれている事実があったのに、文句も言っていない君は本当に立派だ、と感激した。
それにしてもトルシエは幸運だ。W杯における日本サッカーの初勝利を挙げ、しかもそれは日本海海戦以来のロシアに対する偉大な勝利で、日本サッカー史に永遠に名を残すことができる。
本書を読めば、著者も将来は代表監督の有力候補であることが予感され、日本サッカーの未来を担っている人物である。オリンピックでの活躍を心より祈る気持ちにさせる本である。
紙の本
トップに立つことの難しさ
2004/08/16 00:03
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投稿者:ヘモ - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者はトルシエのアシスタントコーチとして彼につかえ日本代表を指導してきた。トルシエに対する人格的な記載を詳細に行うことで、彼がいかにエキセントリックであったかを印象づけるのに成功している(実際そうだと思うが)。しかし、彼の実績は評価されるべきものであり、タイトルどおり彼の備忘録としておかれるべき物で公表しないほうが良かったかなと感じる。それだけに曝露本としての価値はあると思う。今は、彼のオリンピックでの指揮を注目している。