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【レガッタ・デーの事件】【バグダッドの大櫃の謎】【あなたの庭はどんな庭?】【ポリェンサ海岸の事件】【黄色いアイリス】【ミス・マープルの思い出話】【仄暗い鏡の中に】【船上の怪事件】【二度目のゴング】。それぞれエルキュール・ポアロが5編、ミス・マープルが1編、パーカー・パインが2編、ノンシリーズの幻想小説が1編収録されています。
【バグダッドの大櫃の謎】は【スペイン櫃の秘密】、【黄色いアイリス】は【忘られぬ死】、【二度目のゴング】は【死人の鏡】の下敷きになった作品です。
エルキュール・ポアロ、ミス・マープル、パーカー・パインと揃い踏みですが、なぜこのようなラインナップにしたのか解らず、出来も玉石混交な印象。中編、長編の下敷きになった作品は、ファンなら一読の価値があるのかもしれませんが、出来栄えはあまり良くありません。
マイベストは人間の心理を巧みについた【ポリェンサ海岸の事件】。
【仄暗い鏡の中に】はわずか13頁ですが、風変わりで最も味わい深いです。
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ミステリーの女王:アガサ・クリスティーさんの短編集。
ポアロものの表題作の他、全部で9作の短編が納められていました。
パタリロ愛読者なので、けっこう「これが元ネタだな!」って思えるお話がでてきたよ。
ただ、外国の人の名前が覚えられなくて、短編なのに登場人物がごちゃごちゃなのはミステリーを読むには痛いなぁ…。
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著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
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ミステリ。短編集。
ポアロ、ミス・マープル、パーカー・パインと、クリスティ作品の主要な探偵役が揃っているのが魅力。
読みやすさも相変わらず。
やっぱりポアロが好き!
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「仄暗い鏡の中に」が逆転感と怪奇でスリリング。古い屋敷のディナーに招かれディナーのための着替えをしていると、鏡に左ほほに傷のある男が美しい女を絞め殺しているのが映る。物語は第一次世界大戦をはさむ。
僕の一人称の語りなので、途中からもしや、とも感じるがそれは当たっていた。事は死に至らないが、もし僕が鏡を見なかったら、もしその事を娘に話さなかったら? もし戦争で娘の婚約者が死ななかったら? もし自分が戦争を生き延びなかったら? 人生の「もし」によって分岐される人生の道筋のそれぞれの終結に感じ入る。自分の「もし」はいくつあったか。
レガッタ・デーの事件 1936 パーカー・パイン
バグダットの大櫃の謎 1932 ポアロ (マン島の黄金所収「バグダッド大櫃の謎」、クリスマスプディングの冒険所収「スペイン櫃の謎」と骨格は同じ)
あなたの庭はどんな庭? 1935 ポアロ
ボリェンサ海岸の事件 1936 パーカー・パイン
黄色いアイリス 1939 ポアロ (1945に「忘れられぬ死」として長編化)
ミス・マープルの思い出 1939 ミス・マープル
仄暗い鏡の中に 1934 怪奇
船上の怪事件 1936 ポアロ
二度目のゴング 1932 ポアロ (「死人の鏡」1931 短編集「死人の鏡」所収と骨格は似ている)
1939発表
2004.6.15発行 図書館
*1939年に刊行された短編集『The Regatta Mystery』(レガッタ・デーの事件)を底本とする早川書房オリジナルの短編集
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ポアロにミス・マープル、パーカー・パイン、花束みたいな短編集。
ポアロものは「バグダッドの大櫃の謎」「あなたの庭はどんな庭?」「黄色いアイリス」「船上の怪事件」「二度目のゴング」の5つ。パーカー・パインが「レガッタ・デーの事件」「ポリェンサ海岸の事件」の2つ。ミス・マープルは「ミス・マープルの思い出話」、そして幻想小説「仄暗い鏡の中に」が収録されている。
「仄暗い鏡の中に」鏡の中でシルヴィアが婚約者に殺されそうになっていたのを見たので、あの日、私はシルヴィアに彼と別れるように言った。そしてシルヴィアと結婚した私は、彼女の首を——。謎解きなどない幻想小説。なんてことはない話だが、こういうものも書くのだな、と楽しんだ。
「ミス・マープルの思い出話」ロッキングチェアを揺らしながら語っていそうな語り口調の一編。いわゆるイメージ通りのミス・マープル。
「ポリェンサ海岸の事件」息子の婚約相手が気に入らない母にどうにかしてほしいと頼まれたパーカー・パイン氏。ところが息子は新しく登場した女性に夢中になり始めて——。ちょっとした手助けで、双方の願いを叶えるパーカー・パイン氏の鮮やかな手腕が見所。
「黄色いアイリス」奇妙な電話に呼び出されたポアロは、4年前に死んだ妻のために大実業家が開いたパーティーに同席することとなる。ポアロの活躍と、機転の効くポーリーンの活躍で殺人は事前に防がれ、事件は鮮やかに解決する。少々のロマンティックな要素もあり、きゅっと詰まった作品。
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特に一貫性がなく、個々の作品もあまり印象に残らない短編集だった。
レイモンド・チャンドラーで長編の後に元になった短編を読む楽しさを覚えて、表題作も「忘られぬ死」の原型とされるが、短編ならではのスピード感と鮮やかさ、長編ではじわじわくる複雑なドラマ、とそれぞれの特性を生かしていて、さすがアガサはうまいなと思った。
「あなたの庭はどんな庭?」は孤独な容疑者の少女についてポワロが警部に「彼女には友達が1人ます」と言うあたりが好き。「ポリェンサ海岸の事件」は第二の女性登場あたりで一目瞭然過ぎだが、現実問題としてこういう事はどんどんやったほうがいいのかも知れない。
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「仄暗い鏡の中」:傷の男に絞殺される女の幻影。
「黄色いアイリス」:ポアロ「忘れられぬ死」の原作。毒殺。
「二度目のゴング」:ポアロ「死人の鏡」の原作。
パーカー・パイン×2/ポアロ×5/ミス・マープル×1
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久しぶりに古典ミステリーが読みたくなり「アガサ・クリスティ」の短篇集『黄色いアイリス』を読みました。
「クリスティ」作品は一昨年前の6月に読んだ『鏡は横にひび割れて』以来なので約1年半振りですね。
-----story-------------
四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席してほしい―
ある富豪から奇妙な依頼を受けた「ポアロ」が赴いた場所では、昔とまったく同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が…
表題作を始め、「ポアロ」もの五篇、「パーカー・パイン」もの二篇、「マープル」もの一篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集。
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本作品には以下の九篇が収録されています。
■レガッタ・デーの事件 (The Regatta Mystery)
■バグダッドの大櫃の謎 (The Mystery of the Bagdad Chest)
■あなたの庭はどんな庭? (How Does Your Garden Grow ?)
■ポリェンサ海岸の事件 (Problem at Pollensa Bay)
■黄色いアイリス (Yellow Iris)
■ミス・マープルの思い出話 (Miss Marple Tells a Story)
■仄暗い鏡の中に (In a Glass Darkly)
■船上の怪事件 (Problem at Sea)
■二度目のゴング (The Second Gong)
「ポアロ」もの、「パーカー・パイン」もの、「マープル」もの、ノンシリーズの幻想ものと、バラエティに富んだ短篇集です。
短篇は当たり/外れが大きいのですが、さすが「クリスティ」作品… どの作品もクオリティが高かったですね。
その中でも、特に愉しめたのは、
本書のタイトルにもなっている作品で、「ポアロ」が、レストランで起きた昔と全く同じ状況が繰り返された毒殺事件を推理する『黄色いアイリス』、
「ミス・マープル」が、家にいながら、その直観力と観察力で事件の謎を解く『ミス・マープルの思い出話』、
「ポアロ」が、船室での密室殺人を推理する『船上の怪事件』、
の三篇かな。
あと、ミステリーとは言えませんが、、、
子離れできない母親が息子のことを心配し過ぎて、息子の恋愛の妨げとなっていたが、その息子からの依頼で「パーカー・パイン」が恋を成就させる『ポリェンサ海岸の事件』が印象に残りましたね。
以下、あらすじを紹介しておきます。
(wikipediaより)
『レガッタ・デーの事件 (The Regatta Mystery)』
「パイン」もの。
手から落ちただけのはずの宝石"明けの明星"が部屋から忽然と消えた。依頼を受けた「パイン」はその謎を解く。
『バグダッドの大櫃の謎 (The Mystery of the Bagdad Chest)』
「ポアロ」もの。
パーティに来なかった客の男が翌日、会場に置かれたバグダッドの大櫃と呼ばれる箱の中から死体で見つかる。
『あなたの庭はどんな庭? (How Does Your Garden Grow ?)』
「ポアロ」もの。
「ポアロ」の事務所に曖昧な依頼の手紙が届く。
「ポアロ」は返信するが、その後音信は無く依頼主は死亡したことを知る。
気になった「ポアロ」は調査を始める。
『ポリェンサ海岸の事件 (Problem at Pollensa Bay)』
「パイン」もの。
「パイン」はあるリゾート地のホテルに宿泊する。
そこで知り合った女性は、息子のことで「パイン」に相談を行う。
『黄色いアイリス (Yellow Iris)』
「ポアロ」もの。
「ポアロ」の元に女性の声で急な危機を訴える電話がかかってくる。
「ポアロ」は急いで指定されたレストランへ向かうが依頼してきた女性はいない。
唯一黄色いアイリスが置かれたテーブルが気になった「ポアロ」は、そのテーブル客たちに話しかける。
『ミス・マープルの思い出話 (Miss Marple Tells a Story)』
「マープル」もの。
知り合いの弁護士「ペサリック」の紹介で、「マープル」はバーンチェスターで起こった殺人事件の真犯人を推理する。
『仄暗い鏡の中に (In a Glass Darkly)』
私は幽霊屋敷のような友人の家に行く。
部屋の鏡の前で身支度を整えていると、鏡に写る私の背後で男が女性を絞殺している。
慌てて振り返るが、そこには誰もいなかった。
『船上の怪事件 (Problem at Sea)』
「ポアロ」もの。
アレクサンドリア港に停泊中の客船、その密室下の客室で女性が刺殺される。
『二度目のゴング (The Second Gong)』
「ポアロ」もの。
「ポアロ」が依頼を受けた家を訪ねると、依頼主が拳銃で自殺していた。
一部の人間に聞こえた2回のゴングの音を手がかりに捜査を始める。
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ポアロ、マープル、パーカーパインの短編集。クリスティの中でも、色々な探偵が出てくる短編集は珍しい気がする。
「二度目のゴング」が「死人の鏡」とほぼ同じ。比べてみると、どのように良くなっているかよく分かる。
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。9編。ポアロ物5編、パーカー・パイン物2編、マープル物1編、幻想怪奇物1編。パーカー・パイン物はポアロ物の中に入り込んでいるが、こうしてみるとポアロと似ているように感じる。パインは人当たりのいい、嫌味のないポアロという感じだろうか。作者はポアロが好きでなかったというような話も聞くから、パインのような造形の方が好みだったのかもしれない。
収録作:『レガッタ・デーの事件』(パーカー・パイン物)、『バグダッドの大櫃の謎』(ポアロ物)、『あなたの庭はどんな庭?』(ポアロ物)、『ポリェンサ海岸の事件』(パーカー・パイン物)、『黄色いアイリス』(ポアロ物)、『ミス・マープルの思い出話』(マープル物)、『仄暗い鏡の中に』(幻想怪奇物)、『船上の怪事件』(ポアロ物)、『二度目のゴング』(ポアロ物)、解説:郷原宏(文芸評論家)
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車中にて読了。
巻末説明に有る通り、長編を繰り返して読む気はないが、短編は再読が苦にならない~お定まりの展開すら、苦笑。
いわば水戸黄門的。
ポアロモノが多いが、ミス・マープルやパーカー・パインも掲載。
あらためて20世紀サスペンスの主流派夫婦間諍いと愛人、毒殺、相続問題が主軸。
小ネタにイートン校卒、オクスフォード出身・・庶民派登場せず、豪華クルーズ、宝石、香水、ドレスと言ったネタ揃い。
飽きてはいないが・・常套展開。
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短編集。
ポアロもの5編、パーカー・パインもの2編、マープルもの1編、ノンシリーズの幻想小説1編が収録されております。
まさに“クリスティー・バラエティーパック”といった感じで、様々な毛色の話を楽しめる本書。
個人的に好きだったのは、パーカー・パインもの「ポリェンサ海岸の事件」。
タイトルに“事件”とありますが、実際は事件はなくて、パイン氏お得意のドッキリばりの仕込みによる“お悩み解決”のお話です。
“パーカー・パイン劇団”所属女優(?)のマドレーヌ・ド・サラの登場も嬉しいですね。
そして、異色の幻想譚「仄暗い鏡の中に」も、鏡に映った“ある光景”をきっかけにした、“世にも奇妙な物語”っぽい展開で、何となく『死の猟犬』あたりに収録されていそうなテイストの話で印象的でした。
因みに、本書に収録されているポアロものには、既視感のある作品もちらほら見受けられて、特に「バグダッドの大櫃の謎」は、“あれ?この話読んだ事あるけど?”と思った程で、こちらは『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている「スペイン櫃の秘密」の元ネタらしいです。
同じく「二度目のゴング」は『死人の鏡』の元ネタみたいですし、そして味アリキャラ、ミス・レモンも出てくる「あなたの庭はどんな庭? 」は、どうやら『もの言えぬ証人』の元ネタみたいです(これはちょっと曖昧)。
とはいえ、これらはこれらで独自の話としてちゃんと楽しめるので問題なしです。
あと、短いですが「ミス・マープルの思い出話」では、マープルさんの安定の安楽椅子探偵っぷりと、控えめな自慢(ポアロのようなあからさまな自慢ではないww)がナイスでした。
どの話もアッサリしてお茶漬けのように、サラサラっと読めちゃうので、暑くて体力のない時の読書にピッタリかも?と思った次第です。
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一押しは「仄暗い鏡の中に」。マープルも好き。
当たり前なのかもしれないけど、ポアロでも「ホームズみたいな」という喩えされるんだね。
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スーシェ版ポワロさんの次の回が「黄色いアイリス」なので先に原作を読んでみました。ドラマもどんどん見たいのになかなか進みません(^^;
9話収録のうち、先にドラマで観ていたのは3編。いずれも、脚本家の脚色のうまさが光る作品になっていましたね。
そして本書を手に取るきっかけとなった「黄色いアイリス」も、映像映えしそうな内容。どんな演出になっているのか、楽しみです。
短編はさくっと読めていいのですが、いかんせん長編よりも人物を覚えるのに苦労します。覚えた頃にはお話が終わってしまう……。
中でも気になったのはパーカー・パイン。調べたところ、このお話に登場したマギー・セイヤーズは悪女を演じることが多いんだとか。ドラマで大好きなミス・レモンも同名で出演しているそうで、次はパーカー・パインの短編集を読んでみようと思います。
それにしても、「二度目のゴング」はあの格闘技に出てくるゴングでいいんだろうか……??