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紙の本

理想はひとり青年の夢想ではなく、また単なる抽象観念でもなく、われわれの生活を貫いて、いかなる日常の行動にも必ずや現実の力となって働くものである。(南原繁)

2006/10/30 21:37

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 9年1月24日までの記録となっている。同じ理学部ということもあり、島泰三の『安田講堂』と照らして、ほぼ同じ事実の確認ができる。ただし、山本義隆議長は登場するが島泰三の名は出てこない。

 この著者の場合は、一人のノンポリの東大生が全共闘運動に傾斜していく過程がよく分かる。彼を全共闘運動へと駆り立てていったのは、大学当局と政府、それに民青=日共の不合理・不条理・非常識だ。全共闘を「幼稚な暴力学生」とか「甘ったれた小僧」という一言で片付ける人もいるようだが、そんな挑発的な言葉の暴力を好んで使う人は、当時大学生だったら、真っ先に暴力を肯定し、暴力行為の扇動者となっていたと思えてならない。

 著者は、ゲバルト的行動にはあまり賛成でなかったことはうかがえるが、当時のスタンスがはっきり分からない。たとえば、『私は隊列を離れ講堂前の広場にあるベンチに座り込んだ。』(p.189)が何を意味するのか。それに、1月18日講堂前まで進みながら、なぜ安田講堂に入らなかったのかに言及がない。(安田講堂に立て籠もらなかったのは卑怯だとか言いたいのではない。)ただ『どうも風邪を引いたようだった』(p.230)では、腑に落ちないのだ。

 当時の状況からすれば、サルトルを自己の存立基盤とし、自己否定の論理をマルクス主義から導き出したのは仕方がない面もあるだろうが、いま著者はそれをどう思っているのか知りたかった。また、著者の周りの登場人物たちのその後の生きざまも。著者には『分数ができない大学生』という著書があるが、私には自己否定・帝大解体の論理からすれば、大学生の知的レベルが落ちたことを嘆くのは、自分が蒔いた種の植物を見て、雑草だといっているようにも思える。

 東大紛争関係の本を何冊か読んできたが、大学紛争を振り返る本に、民青=日共側の人のものがほとんどないのはどうしてだろう。体制側からのものとしては佐々の本があるが、民青側のものとしては、宮崎学の裏話くらいしかなく、これまでの情報から判断すれば、どう考えても民青がすべてを台なしにした最大の責任者のように思われてならない。

 思うに、全共闘運動は出発点においては、明らかに学生に理があった。それに対して体制側が欺瞞と愚弄で応えた時、学生は少し性急に走り過ぎた。(今とは違い留年することが大変な事だった当時の状況もあっただろうが)その性急さが、体制側からの機動隊導入、民青=日共の武力部隊投入により、イデオロギーと結びついた時、暴力が運動を支配していってしまった。もし仮にあくまで非暴力の闘いを貫いていたら、とも思うが、民青や一部の武闘集団に襲撃されていただけなのかもしれない。

 結局、大人がしっかりしていなかったから駄目だったのである。だから、いまや大人になっている全共闘世代の人々に問いたい、「あなたは、あの若き日の自分に尊敬されるような大人になっていますか?」と。

 部活動などにおける先輩の理不尽、意味のない場面での上下関係をなくすには、新入生の時に闘うより、自らが最上級生になった時に止めればすべて解決する。その時が来たのです。あなたがたが闘った理不尽が今もあると感じているならば、その理不尽はあなたがたが働いているのです。

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