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紙の本
2,30年後にもう一度読みたい一冊
2004/11/19 14:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヴィア・ノヴァ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いきなり本書の内容とは直接関係ないことを書くのをお許しいただきたい。今から約2、30年前の気象関係の本を読んでいると「地球寒冷化の危機」という言葉がよく書かれていた。少しあやふやな記憶ではあるが、コンクリートなどの建物や農業などの人間活動で従来に比べて地球表面の太陽光の反射率が大きくなり、地球が寒冷化する。そのために両極付近の氷冠が大きくなる。氷の表面は光の反射率が大きいのでますます地球が寒冷化、さらに氷冠が発達し寒冷化が進むと主張されていた。人間活動で濃度が上昇した二酸化炭素による温室効果により「地球温暖化の危機」が叫ばれている現状と比べると正反対の主張であり驚かされる。
さて、本書では題名の通り、鳥の起源と進化について述べられている。鳥の起源は恐竜であるという説をご存知の方も多いだろう。しかし、本書の著者は鳥の恐竜起源説に対して徹底的に反論している。恐竜起源説はインパクトが大きく一般のメディアでも取り上げられやすいが、専門の学者の間ではなお問題の多い学説であり、各研究者の専門とする分野によりかなり恣意的な解釈が横行していることを本書は示している。恐竜起源説が比較的分り易く感じられるのに比べて、著者の主張は高度に専門的な考え方や骨の構造など専門家以外には理解が難しそうなものが多いのだが、じっくり読むことにより逆に著者の主張が明確に理解でき、恐竜起源説のあやふやさが暴露されているように感じた。また進化の面に関しても専門家の間では信じられないくらい数々の意見の相違があり、ある物事の説明に専門分野の違いにより正反対の主張がなされているのには驚かされる。科学の本というと既に分かっていることのみが述べられていて面白味が無い本も多いと思うが、本書は全く逆で色々な主張が入り乱れていて自分で考えながら読むという楽しみがある。もちろん著書の主張にもかなり推測が入っており、強引な解釈や恣意的なデーターの選択をしているように思われる部分も多かった。また、最近の遺伝子の解析による研究の紹介や解釈がやや物足りなかったのは少し残念だ。しかも、専門的な用語や細かい骨の名前などが次々に出てくるので簡単に読める本ではないと思うが、普段あまり窺い知れない科学の最先端で実際に行われている論争にあたかも参加しているように感じさせる熱い本として推薦できる。今から何年か後に鳥の恐竜起源説が現在の「地球寒冷化の危機」のように忘れられているか「地球温暖化の危機」のようにメジャーな見解になっているか、本書をきっかけに考え予想してみるのも一興かと思う。
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