紙の本
こんな有能な役人いるわけがない、と思いつつ、負けるなセイオ、と応援したくなる。
2004/08/12 23:05
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投稿者:ぶんこ虫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大災害を描いたハリウッド映画は多いけれど、この小説は、大災害そのものの脅威とかサバイバルではなく、大震災で崩壊した都市と社会の復興、その過程における人間の有様を描こうとしている。
主人公セイオ、生き残った上級官僚として震災直後から救援活動に孤軍奮闘する。やたらに有能で行動力があって怯まない。公僕の何たるかをよく認識していて、目的のためには手段を選ばず、保身を考えない。ちょっと出来すぎで、とても役人とは思えない。偏屈で破天荒で口は悪いし敵ばかり増やしている。組織の中の人間としてはかなり規格外。実際にこういう人がいると周囲のフツウの人は結構ツライものだけど、そこに、誠実、忠実、有能で、心身ともに健全な人間である天軍士官ソレンスが副官として配置されているのがなんとも嬉しい。いいコンビです。
第2巻に入って、王家の姫君スミルはじめ登場人物たちの輪郭や、星外諸国、植民地等々政治的な関係もくっきりとしてきたし、シンルージ男爵なんて、前巻では典型的な情けないお役人だったのに、この巻で飛躍的に好感度アップしてますし。最終巻、更なる波乱を期待して、楽しみに待ってます。
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2巻目。3巻目が出てから2巻目を読もう、と思っていたので今ごろになって読んでるわけですが。どんな話になっちゃうのかな、と思っていたらかなりハードな方面に。惑星内、星外ともどもの外交問題や災害対策問題なんかを描きつつ人間の成長譚も描き、SFなネタも忘れない。小川一水ってすごい作家だったんだなあ、としみじみ。
[2004/10/31読了]
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日本人には馴染みの地震だけど、この話は関東大震災後の日本史を知るとより感慨深くなります。政府内の対立、外国の脅威、軍部の増大。彼らの取った選択はかつての日本と同じ道を辿るのか?必死に国を守ろうとした人々のドラマはここにも健在です。
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久々のヒット作。SF……というカテゴリで良いのかな? ヤングアダルトというには、少し趣を異にしているかもしれない。凄まじい破壊力をもった地震により、レンカ帝国の帝都は崩壊した。地方にいたためただ一人生き残った皇族スミル、植民地総督府の若き参事セイオ・ランカベリーを中心に、人々の奮闘を描く。震災直後の混乱、救助、その後の復興に対する人々の思惑、政治、陰謀。そして再び予測される大規模な災害。その全てを本作は書ききっている。ラストも良かった。こういうラストは見事に私のツボである。一読の価値あり。
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復興へと歩み出す反面、震災直後以上の混乱を見せる世界を描いた二巻。混乱に乗じた思惑のぶつかり合い、暗躍。
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■内容(ハヤカワ・オンラインより)
レンカ帝国摂政スミルは、一官僚であるセイオを帝国復興院の総裁に任命した。だが、帝都再生計画を掲げるセイオの強引なまでの政策は、サイテン首相率いる政府のみならず、救うべき市民たちの反感をも招いてしまう。復興院解体の危機が迫り混乱する帝国に対し、星外列強諸国の干渉の手が伸びようとしていた……
■感想
一番最初に思ったことは、あれ、これって冴木忍の星の大地なんじゃ…てのでした。
もちろん詳細は違うけれど、軸はものすごく似ていて、ひとつの事件をそれぞれ違う視点で書いているように見えて、興味深かったです。
復活の地は政治と人の感情が絡んでいて面白かったなぁ。
セイオが完璧超人の話かと思ったらそうじゃなかったし。
しかし例にもれずここにもボーイミーツガール…orz
スミルがなんでセイオに惹かれるのかがわからんのです。逆になるのもわからんのです。
単に小川一水と恋愛感があわないだけなのかしら。
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セイオ無双。
個人的にちょうどよいテンポで進んでいくのでストレスなく読めた。話の広がりも良かったし、読書のワクワク感が味わえた。
一気に読んでしまってちょっと勿体なくも思う。
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国家再生SF第2巻。
相変わらずテンポよくするする読める。
2巻は災害後の復興メイン。
政治的な駆け引きや主人公の成長など含め飽きさせない。
各々の思惑をはらんだ動きと予想される次なる災害にどう決着つけてくれるのか。
3巻も楽しみだ!
ただ、主人公の無私、無欲っぷり、権威に媚びず、傲岸不遜に正論を吐き続ける姿に若干厨二病くささも感じられる。
「そんなものであなたは納得しないだろう。だからこう言う。民衆のため、だ」
かっこよすぎじゃないですか?
まぁひねくれた見方で、無双っぷりを楽しめばいいんだろうけど。
地震の原因も最後に明かされるけど、あれでそんなピンポイントに発生するのかなぁ?
それに誰も気づかなかったってのはどうなんだろ?
3巻で補足されるのかな?
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スミルも魅力的になってきましたねー、
話が広がっているので3巻で終わるのはもったいない気もします。
銀河英雄伝説ばりの長編でも読みたい、あ、でも復興が先伸ばしになるのは辛いか…
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話のスケールがちぐはぐ、ご都合主義が過ぎる感もありでモヤモヤさせられる。なのにうまいこと物語ってくれるので、なんとなく先が気になりと読み進めてしまう。
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震災からの復興の様子を描く2巻。
政治経済、さらに外交や民族問題など、あらゆる観点から話が描かれます。一方で個人の思いにも焦点が当てられ、さらに惑星に危機が迫ることも明らかになるなど、読み応え十分でした。
まとまった感想は最終巻の3巻で書く予定。