投稿元:
レビューを見る
■名古屋往復の機内で読了。少し前に読んだ『ブラバン』が面白かったのでこの作品を借りてみたんだけどあまりにカラーが違っていてびっくり。いや、違っていて...なんて生易しいレベルじゃないかも?(笑)
■まぁ、タイトルや装丁からとっとと気付くべきだったんだけどね。『綺譚集』の名の通りにめくるめく幻想耽美の世界がこれでもかっ!ってぐらいに繰り広げられる。さすがのわたくしでも途中すっ飛ばして読んだ部分があるぐらい。(笑
■でも津原 泰水ってそもそもこういう作品での評価が高いんだって。個人的には『ブラバン』の世界はえらく共感できただけにちょっとショック。(^^;
投稿元:
レビューを見る
某ブックカフェーでついうっかりサイン本を購入してしまい、
その割りに初読の作家さんなのであった。ファンの方すみません!
と思ったんですが…。とても好きでした、この本。呼ばれたのかな…
短編集でけっこうたくさんお話が入っているのですが、どれも書き出しから惹き込まれる。そしてそのまま途切れることなく結末までいってしまう、止まれないのです。うわー…。
「約束」「黄昏抜歯」「赤假面傳」「脛骨」「古傷と太陽」なんかは特に好きでした。
あと、漢字の遣い方がものすごく好みです。漢字だけじゃなく文章もそうなんですが、なんかこう、文章を読む愉悦を味わえる。感覚に訴えかける。快感!
投稿元:
レビューを見る
道尾秀介は暗い叙述トリックの名手。そこから、そういうトリックを除いて、倒錯した性と死で彩った感じ。全体的に「微妙に異常」な感じが好き。
たとえば「脛骨」。結局深い仲には至らなかった男と女。女は男のベースの指板を、男は女が失った腓骨をずっと預かってるという。
投稿元:
レビューを見る
死者に死者に死者に痛覚とか色彩とか。
ホラーというか奇譚、それも死者がかかわる奇譚。ぐっちゃんぐっちゃんのグロテスクではない。冒頭の「天使解体」はぐっちゃんぐっちゃんであるが、怖さというか焦点はぐっちゃんぐっちゃんにあわせられているのではないところに好感。
投稿元:
レビューを見る
私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2012.8.26読了
なかなかに読みにくい文章だ。
短編集なので、短編ではあるが、それでも、なかなか読みづらいものがある。
でも、独得の雰囲気があって、不思議の世界に入り込めそうな気がする。色が時々、キラ、キラとするんです。グロテスクはイロがステキです。
後、表紙がいい。
投稿元:
レビューを見る
ずーっと読みたかった本。
期待は裏切らなかった。
幻想、狂気、暴力、エロティシズム
、神秘性…
一体作者はどこをみて、こうした話を生んでるのか甚だ疑問です。
出産過程を覗いてみたい。
「赤假面傳」、「古傷と太陽」、「ドービニィの庭で」を特に脳内で再現リピートしてる。
美への渇望から美しい人間の血を吸い、その命を奪う話
憧れの地は傷口の中っていう話
ゴッホ最後の絵の再現に取り憑かれた人たちの話
どれもぶっ飛んでるけど、綺麗なんです。何が?何かが。
短篇それぞれ語り方が違うので、面白い。
投稿元:
レビューを見る
短編と言うより掌編、それもエログロナンセンス三昧。何じゃこりゃ。そう言うの、嫌いじゃないけど、この作品群のガジェット、イマイチ洗練されてないと言うか、審美眼が発揮されていないと言うか、いつもより雑と言うかやっつけと言うか…それでも、ロクに改行せずに文字詰め込んでも、旧字体の文章でも、リーダビリティの変わらないのがこの作家の凄いところ。それでも、お互いに30年保管していたモノを渡せる「脛骨」はイイ話やったし、「ドーヴィニィの庭」は展開に引き込まれたし、登場人物が魅力的。特にオネエの兄に似せてくる妹の辰子。何を産んだんだ、一体?悪趣味〜。
投稿元:
レビューを見る
表紙の絵とタイトルの綺譚に惹かれて図書館で借りてきた♪しかし最初の「天使解体」で「ダメだ!苦手なヤツだ(T.T)」と思う(×_×)それでも読んでいるうちにズブズブと狂気の世界へ…(゜゜;)
投稿元:
レビューを見る
短編集。ホラー。
大森望『21世紀SF1000』から。
若干のファンタジー要素はあっても、SFではないです。
全体的には苦手な文章なのですが、突然、とても好きな作品があったり。
世間的には有名なだと思うのですが、個人的にはよく分からない作家さんです。
好きなのは以下の作品。
「アクアポリス」ノスタルジックなホラー。
「脛骨」不気味ながら、なんか良い話。
「聖戦の記録」リアルな集団心理が怖いスプラッター。
「古傷と太陽」結末が衝撃的な幻想ホラー。
投稿元:
レビューを見る
グロテスクで官能的な話が多いですが
小難い文体のせいで、読み終わった後の心地よい気味の悪さには繋がらなかったかなと思います。
犬猫を殺す場面がよく出てくるのも個人的には苦手でした。
初版本なのか、最後のページに印が貼り付けてあって、雰囲気がありました。
投稿元:
レビューを見る
(借.新宿区立図書館)
著者の訃報を聞き、気になっていた作品を図書館で借りた。
妖にして怪、淫靡、グロ、あとは死の匂いそして陰と幽かな。今の私には少々きついが、好きな人にはたまらない本だろう。
投稿元:
レビューを見る
津原泰水さんが亡くなった。新聞の訃報欄で知り、言葉を失った。闘病中だったとのこと、そう言えば最近新刊を見かけなかった。もう読めないのか。衝撃の大きさに、自分がいかに津原作品を好きだったか思い知った。
たぶん本になったものは全部読んでいるはずだ。多才な方で、キレのあるSF,心底怖いホラー、切ない青春もの、いろいろ書かれていたが、どれもとても好きだった。一作だけあげるとするならば「五色の舟」だろうか。端正でグロテスク、残酷で清潔、他にない津原泰水だけの世界。この「綺譚集」は確か初めて読んだ津原作品だったと思う。これからもまだまだ読めると思っていたのに…。
もっともっと評価されてもいいのにともどかしく思いながらも、自分(たち)だけのものとしてそっとしておきたいような気もする、そんな作家さんだった。ご冥福を心よりお祈りします。
投稿元:
レビューを見る
Na図書館本
幻想的な短編集。
死をモチーフに。
もげた脚が川にぷかぷかしてたり、マキノさんの庭に犬が死んでいたり。
村山槐多の詩が出てきた赤假面 は、仮名遣いも旧式で雰囲気よかったです。
運命は美しい布だ
奇怪な印度さらさだ
花は輝き人は走り
馬は血に染む
笑ふ物、泣く物
高まる物、低き物
この布を裸身につけて
われは踊る
いのち短かき一をどり。
音の連続 村山槐多