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私には、評価しにくい一冊。
そもそも、村上春樹を全く通ってきていない私には、村上春樹に対する期待ってのが全くもってないんすよ。「ダンス・ダンス・ダンス」だったか「羊を巡る冒険」だったかが家にあって、当時ものすごい評判になってたから手にとってみたものの・・・。最初の10ページ程で撃沈されました。それ以来、まったくもってノータッチ。「ノルウェイの森」も読んでないもんね。ふん。
みたいなことを言ったところ、「その世代で村上春樹通ってないって、結構珍しいんちゃう?」と感心されました。そんなに、村上春樹ってアレっすかねぇ。
どうなんだろ、ちゃんと通ってきた人には面白いんだろうか。通ってきたことない人でも面白いんだろうか。どうやら、私はエンタメ系以外はちっとばっかりハズした読み方をしてしまうらしいので、これ面白いって人の感想が知りたい。いや、切実に。
それともどういう意味においても楽しめないなら、語るなって感じなのかな。
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春樹さんが翻訳した「カーヴァーズ・ダズン」の訳者解説に『この作品にはどちらかというとカフカ的な雰囲気が色濃く漂っているようだ。短い話の中でいろんなミステリアスなことが起こるが、それらは結局説明されないし、解決もされない。それらはただそこに存在するだけである。』と春樹さんは書いているんだけど、この本でやりたかったことの一つはそういう本を書くことだったんじゃないかな。なんて思いました
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夜から朝にかけての短い時間の出来事。主人公は19歳の女の子。眠り続ける姉。ファミレス。ラブホテル。深夜のオフィス。
短編の『TVピープル』と『眠り』が浮かびました。
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とりあえず、「意外」でした。
いつものハルキ節がないじゃないですか。
一行以上にわたる比喩も、
「あなたはそうしなければならないのよ」なんて言う謎の女も出てこない。
とても鋭くソリッドで、抽象的なことを語りながらクリア。
読んでいけば、「意識」「表裏一体の世界」の
「ああ、いつもの。」みたいな感じなんだけどちょっと今回は違うって感じ。
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村上春樹の小説の中でもっとも早い時間で読了した作品。そして、読後一度も読み返していません。これは今までの私では考えられないことです。村上氏の特徴であった流れるような文体はほとんど見られず、唐突な展開で幕が下ろされます。できればなかったことにしていただきたい作品。
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長い夜に絡み合う、さまざまな事情。村上春樹らしい登場人物たちと、先がどうなるのかが気になって仕方ない彼らを取り巻く出来事と1晩に凝縮したような話。
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都市に生くる人々の生活というのは、本人達の知らぬどこかで入り混じっていて、どこかで離れて行く。それはまるで地下鉄の線路のように。そしてその繋がりに、誰も興味など示さない。隣で生きる人がどんなふうに生きていようとも、それは自分には何の関係もない。それでも人は生活している。私たちはそれから「逃げられない。どこまで逃げてもね、わたしたちはあんたを捕まえる。」しかし途中のJ.L.ゴダールだとか、スガシカオだとか、俗っぽくていやだなあ。
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三人称視点の文体がかつてないものと賛否両論のようだけど、村上ワールドの本質にはあまり関係ないように思う。都会の点描というような趣には合ってる。
それよりは短いことでの物足りなさがあるのだろう。一応長編だけど、そう厚いものではないし、短編を読み終わったような読後感だ。
これまでの村上モノは上下巻で、「海辺のカフカ」などはあまりに厚くなるからと特殊な紙を使ったくらいだった。それに比べるととても短い。
短編小説に長編小説の読後感がないと言ってもしょうがない気がする。
相変わらずの比喩と会話の巧みさを堪能しました。どんな雑音のとこでも本の中に入っていけるのって村上春樹くらいしかないですね。
いつものことだけど、ワタシのような凡庸な知性と感受性で、どう現実切り取っていいか分らない者には彼の本のもつクリアさと鋭さが心地よいです。
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村上春樹の最新作。今までの文体とは違った視点からストーリーが語られる。しかし、随所に村上春樹らしい表現方法が散りばめられていて、それを見つける度に嬉しい気持ちになる。
様々な視点から描かれるのだけど、村上春樹の長編小説によく見られる2つの視点で書くといったスタイルは変わらない。しかし、メインストーリーが内容が濃く作られているのに対し、サブと思われるストーリーを書いた意味がいまいちわからない。現代の社会問題となっている『引き篭もり』を意味しているのではないかという情報誌での解説もあったが、真意は不明である。
非常に読みやすい作品
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村上春樹の入門書としては最悪であるため、他の著作を読んでから手にした方が良い。村上春樹のファンであれば、この世界にすっと入り込めるのだけど、初めて村上春樹を手にして人が読むと、今後村上春樹は読まない、ということも起こりうる。
この作品に一体何の意味があるのか、ということはおそらくもっと時間が経ってみないことには解らないだろう。
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発売日に買った。
もうそれだけで十分思い出深いが(僕は発売日に買う本なんてそうない)。
まず本屋さんから出て、電車に乗って、本を閉じた輪ゴムをはずして、最初の一行めだけ読んだ。
もったいなくてそれ以上読めなかった。
その一行めはすごくいい感じの匂いがした。
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一言で言えば暴力性についての話でした。細かく見ていけば他にも色々わかるところはあるだろうけど今のところそれだけ書いておきます。
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待ちに待った村上春樹の新作。
2つの場面が交互に出てきて 少しドラマの脚本のようだなぁと思ってしまいました。
今までとは少し違う感じです。
−「でも、私はやはり死んだら何もないほうが自然な気がします」マリが言う。「それはねマリちゃんがたぶん精神的に強いからやないかな」−
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映像を文章で表すという表現方法を取り入れ、描写が頭の中のイメージを湧かせやすくショートフィルムを見たかのような錯覚に陥った。物語自体はオチがなく、読者に委ねられている。脈絡のない人間たちが交錯し、ひとつの物語を織りあげる。刻々と進行していく時間を時計で表し、緊迫感を出している。深夜から朝までのたった数時間のお話。少年カフカで氏が、「常に新しい表現を模索している」というのを彷彿とさせた。じんわりと記憶に残る作品。
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最初から最後まで、過去形で成立する文体が面白かった。何か新しいものにチャレンジしようという村上春樹に星3つ。