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論理的説得力に欠けるけど、これを入り口にして漢文を自分で紐解いていきたいと思える。時々良い言葉に出会える。
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ちかごろ日本がどうもおかしくなってきてると思っていたが、それは漢文力の低下のせいだったのか!と言った人がいました。大学入試までは漢文は得意だったのに、専攻過程で出あった白文は手強かった。それでも漢文は教養の宝庫。西洋と東洋を当分に見つめるには明治以前の日本の知にも目を向けたい。…と考えさせてくれました。
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これに対しては、自分では色々な意見がもてた一冊。納得できるところと、そうじゃないところ。いろいろあるけど、勉強になった一冊。
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おもしろかった。
読みやすいなー、問いに余白があって考えを促す文章だなーと思っていたら、あとがきで島大学の講義内容が下敷きにあるのだと種明かし。
なるほど。
漢文に限らない知識の広がりが見えて、読めば読むほど勉強になりそうな本。
また読みたいな。
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日常生活の瑣末事で凝り固まった頭の柔軟体操に最適な本かと。
読みやすく、理論的思考が苦手なわたしでも理解した気になれた。
これは『ソフィの世界』以来の分かりやすさかも。
でも、作者さんもおっしゃっているように、学生相手の講義が下敷きになっているので、確かに噛んで含める口調が残っている気もしないでもない。
まあ、自分にはそれぐらいでちょうどよかったのだけど、上級者(?)にはくどく感じられるかも。
ひとつの観念をさまざまな視点から表現しているから判りやすいのだろうけど、個人的に「詩」を持ってくるところがポイント高かったです。
理を尽くして説明されるよりも、直感的に納得してしまう気がするので。
例えば、宇宙(時空)の話のところ。
時空の基本は螺旋形で、螺旋形とはもっとも簡単な自己相似図形。
完全な周期性とは円であり、完全な一回性は直線。この相矛盾するイメージをまとめると螺旋になる。
DNAしかり、台風しかり、銀河しかり。
そして、ここで持ってくる詩が良い。
年年歳歳花相似(周期性) 歳歳年年人不同(一回性)
時間は一日とか一年とか周期性をもっていて、毎年同じように花が咲くけど、花見にくる人々の顔ぶれは年ごとに変わるようにズレもある(一回性)。
何気なくそらんじていた漢文にこんな読み方があったとは…!
そして金子みすゞの「蜂と神さま」がまた素敵。
「蜂はお花のなかに」、から始まって「世界は神さまのなかに」に到り、最後に「さうして、神さまは小さな蜂のなかに」
と、大自然の入れ子のような自己相似形的構造が表現されているという…。
そして個体発生は系統発生を繰り返すという生物学的な言及もあり、以前フラクタルの話を聞いたときよりも、脳に浸透しましたよ…。
あと「飛鳥の景」、「刹那滅」「刹那生」の宇宙観のところの宮沢賢治の『春と修羅』とか。
まあこれはよく取り上げられているっぽいけど。
ともあれ、わかりやすさでは断トツの本でした。
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まあ多少牽強付会にすぎるんじゃないかという箇所もあるけれど、基本的には漢文に込められた叡智を存分に感じることができる良書。
本書が言うように、今人類が直面しているとされる問題って、だいたい誰かが一度は経験してるんだよね。
だから漢文を繙いて、誰が、どんな問題について、どんな答えを出したか(そしてその結果どうなったか)を知るのはとても有益なことだ。それが「歴史に学ぶ」ということなんだろうね。
本書の「日本の古典版」っちゅうのはないのかね。
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タイトルで損をしている気がする。
内容としては、うーん
人生で大切なことは全部漢文から教わった とか、そんな感じの漢文名言集、詳細な解説つき、という感じか…
面白かった!
『漢文を読み、そこに展開されている古人の思想を追体験することによって身につく力。歴史や宇宙など、より大きい時空のなかに自分を位置づけ、明日を生きるための設計図を描く力。それを本書では「漢文力」と呼ぶことにします。』はじめに
『歴史が古く規模も大きい中国文明は、それだけで完結した一個の「小地球」の観がありました。今日、人類が地球規模で直面している諸問題の大半は、すでに中国文明で経験済みです。例えば…』P140