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今回のトリプル・スパイはそこまで爽快感があったわけではないなあ。主人公と仲間がぎくしゃくするってテーマは美味しいし、分かるんだけど足の引っ張り合いとタスクの押し付け合いに若干見えるんだよね。1作目が、初仕事で仲間との連携が汲み上げられるまでを描いていたからかも。
それに、多分、私は詐欺師は詐欺師のままでいてほしくて、戦争とか軍隊とか、そっちの方に組み込まれてほしくなかったんだろうと思った。戦闘とか軍隊とかをメインで書くなら、「詐士」じゃなくて「暴士」達の活躍が見たかったんだろね。ハインライン的な。
主人公はあくまで「詐欺師」としての活躍に終始していたのに、最後に「誘士」「暴士」「スリ」の技能で認められるという構成があんまり納得できてないのかも。あのくらいでプロフェッショナルになっちゃったら、仲間の価値がないじゃない。リーダーの詐欺師はあくまで詐欺師として、仲間のプロフェッショナル集団と一線を画して活躍して欲しかったなあ。次のシリーズは出そうにないけど、もし出るならその関係性がどうなっているのか注目してみたい所。