紙の本
読んでいていつの間にか物語の舞台に自分が紛れ込んでしまう吸引力をぜひ味わって欲しい。
2004/10/04 14:16
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投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
恩田陸氏の作品は読んでいるといつの間にか物語の舞台に自分が紛れ込んでしまう吸引力がある。
今回も主題が終わり第一変奏の途中になる辺りから自分がホテルに呼ばれた客の一人としてひっそりと彼らの姿を眺め、会話を聞いているような感覚に陥った。
決して舞台に上がる主役級の人物と自分が重なることはなく、彼らに憧れそして熱く観る観客の一人となってしまうのだ。
恩田氏の作品で驚かされる事は今まで何度もあったのだが、今回の驚きは今までの比ではない。
第一変奏を読み終え早くも1つの事件が起きたと思っていたら…第二変奏では何と何と!!の展開に。
そして章ごとに変わる語り手によって一人一人の裏の部分が他人から見えているものと全く違う事にも驚く。
誰もが一筋縄ではいかない者ばかりなので「お前もか、お前もか」と嘆きたくなるくらい曲者ばかり。(そこもまたプラスαの魅力なのだが)
しかも今回は近親相姦や同性愛、不倫と恩田氏らしからぬドロドロしたテーマを含んでいるのにも関わらず、なぜか全く厭らしさがなく近親相姦でも爽やか、同性愛でも美しいという摩訶不思議な気分になる。
三人の嘘吐き女とは誰のことなのか、また語られた物語の中で真実と嘘の部分はどこなのか、いや一体真実はあったのか?と最終章を読むまで読者の頭の中は混乱するばかり。
めくるめくこの感覚は是非とも味わって頂きたい。
個人的にはミステリの謎解きも面白かったのですが、三姉妹が語る怪談のような物語も面白かったですね。
畳み掛けるような会話は恩田氏の得意技なのかこれが本当に怖い。
ホラー色もスパイスとして効いていて絶妙です。
ただ残念だったのは「去年マリエンバートで」を観ていなかったので引用文献が頭に思い浮かびにくかったことだ。
この映画を観た後でぜひともまた再読したい作品だ。
紙の本
美しく残酷に咲く
2021/01/29 14:46
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物のほとんどに血の繋がりがあり、背徳感が高まっていきます。愛憎渦巻くドラマと謎解きの後には、ホテルを立ち去るのが名残惜しくなってしまいました。
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読了後、首筋がゾゾゾゾ…っとしました。それは多分、最後みんな狂ってたから。怖いわー…
記憶は常に改ざんされ続けるもの。それを突き詰めていくのが恩田作品なんだな、と。
Q&Aから続けて読んでやっとわかるこの恐ろしさ。
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恩田さんの新作ー!おもしろいのはいうまでもないですが・・・でも、ちょっと最後のほうのまとめが弱かった気がします。構成はすごくおもしろいんだけれども。ツメになる場面で、329ページのとある一行の中に、「彼女」というべきところを「彼」と書いてあるようなミスを見つけてしまったせいでしょうか(^^;
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頭の中に浮かんだ映像をそのまま文章にした 映画のシナリオのような文章が、物語の間に差し挟まれている。
読み慣れないうちは 意味するところがよくわからなかったのだが、読み進むうちに それが もやもやとした予感を誘う効果があるように思われてきた。
そのシナリオは、実際にはなかった去年の約束を さもあったように思い込ませて女と出奔するというものなのだが、思い込まされようとしている間の女の捉えどころのない不安定感が、物語の本筋への不安感との相乗効果をあげているようなのだ。
このホテルでの数日間に起こったことと起こらなかったこと。
この場所では 同じ人びとによる いくつものまったく別の時間が流れているようにも見える。
どれが実際に起こったことなのか、都合のいいように改ざんされた記憶なのか。
真実は読者の数だけあるのかもしれない。
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ミステリー。だけど、謎を解くわけでもなく、それぞれの登場人物の中でそれぞれの殺人が起きてるのだ。何か不安にさせるような語り口調と、登場人物の魅力的な書き方は、さすが恩田陸だなーって感じだ。普通に面白い。挿入されてる文は賛否両論あるだろうが、私はあんまり好きじゃなかった。
☆☆☆+
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山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティ。その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。果たして犯人は…。『別冊文芸春秋』連載を単行本化。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200501080000/
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まず言いたい、私だけかもしれないけれどこの本は読むと疲れる。なぜなら人間関係がリアルすぎて泥沼だからだ。個人個人の目線で書く恩田さんを尊敬。
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「去年マリエンバートで」を観た直後に読んだ。まんま映画っぽかった。(笑)
人の記憶はかくも曖昧で、主観的で、意図せぬ捏造に満ちている。
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これは 冒険だったろうなあとおもった。今にして思うと恩田さんらしいのかなあとも思う。結構好きなオムニバス形式だ
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んー、期待していたんだけどな。イマイチでした。
これは以前から、理瀬シリーズの完結編だとネット上ではうわさされていましたが・・・全然違いますね。
私はこの作品を読み、恩田陸らしからぬ作品だと思ってしまいました。
恩田陸の描く人物というのは、必ず抜きん出てインパクトが強く魅力的ないキャラがいるのですが
今回の作品は登場人物全てにインパクトが無く、全体的にピンボケした物語だと感じました。
桜子がメインの人物なのだと思いますが、とても中途半端な存在で、個人的にとても残念に思ってしまいました
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恩田先生独特の雰囲気がよく出ていて素敵な作品。山荘の豪華ホテルという閉じた空間、華やかな美男美女、知的で非現実的な会話の数々。これで胸をときめかさずにすみますか!とっても素敵でした。ただ、最後のまとめがあまり納得いかなかったのが残念。おまけとして恩田陸先生へのインタビューが入っていて嬉しかったです。
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山奥の館に毎年開かれるお茶会での現実と虚構が混じる話。視点が次々と変わって行く辺りが恩田氏らしいなと思いました。ホラーテイストでもあり面白かったです。
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題名が好き。
結局どれが本当なのかわからないまま進んでいく感じも好き。
舞台か映画っぽい。
桜子さんが素敵。
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二つのお話が同時進行でこんがらがってよくわからなくて途中からメインっぽいほうしか読みませんでした。もう一個も読んだほうがやっぱり面白いのかなぁと読み終わってから思い、微妙に残念ですが、普通に読んでたら疲れすぎるのであきらめます。