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絵のあるまちバルセロナ みんなのレビュー
- 森枝 雄司 (文・写真), なかがわ ちひろ (絵)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:福音館書店
- 発行年月:2004.9
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絵本
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紙の本
地中海に面したスペインのバルセロナの街が、どんなに豊かな芸術感覚あふれる街であるかを、案内してくれます。
2004/10/20 14:34
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投稿者:わくわくどきどき - この投稿者のレビュー一覧を見る
地中海に面したスペインのバルセロナの街が、どんなに豊かな芸術感覚あふれる街であるかを、写真とイラストで案内してくれます。この絵本との出合いをきっかけに、読者は、いつかバロセロナの街を訪れてみたいと、魅せられることでしょう。
海を背にして、砂浜に建つ、いまにもくずれ落ちそうな箱を積み上げたような建物。
色とりどりのタイルをはったミロの彫刻。屋根の上が、太い針金をぐるぐる巻きつけて、雲のようであり、そのてっぺんがいすの形になっている古い美術館。
自然の中にあるものと、どこか似せているという、ガウディのつくった石のかたまりのようなアパートの壁には、こんぶのように、ぐにゃぐにゃとまがりくねった鉄の手すり。なんと入り口は、クモの巣みたいな鉄の扉。割れたタイルやビンのかけらを貼り付けたおかしの家のような建物。ガウディはとっくに亡くなったのに、今も工事が続いているとうもろこしのような塔のサグラダ・ファミリア教会。街のベンチに腰掛けているおじさんの銅像。思い思いのポーズをとっている大小さまざまな像。あちらこちらでみかけるドラゴン。狭い通りの建物の壁には、通りの名や場所にちなんだ絵が描かれたタイルのかざり。
壁に残っている、青年時代をすごしたピカソの落書き。ジュジョールの壁があれば、家の内外に描いた、絵のある家。ダリの美術館のある町フィゲラには、窓にダリのサインや、建物のまわりにみられる、彫刻や作品。グラシア通りの歩道には、ガウディがデザインしたという海草や、まき貝、ヒトデなどの模様に敷きつめられている六角形のタイル。そして歩道のタイルの形そっくりの食べられるチョコレート。
美術館の作品もいいけれど、歩道のタイルから、建物や彫刻や装飾や街並みにいたるまで、むかしも今も、人々のくらしとともに生きている芸術は、バロセロナのあちこちにあるのがわかります。ブックトークして、子どもたちに紹介したい美術入門の絵本です。読み手にも、子どもたちにも、芸術を取り込んだ人々のくらしの、豊かさとたのしさが伝わってきます。
<図書館の学校・児童書選書委員会>
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