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紙の本
スニーカー感覚で
2011/05/31 08:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、愛車を乗り換えたばかり。流行のハイブリッドカーを買うつもりが、気が付けば見た目と走りとフィーリング重視の選択に。おまけに妻子持ちにもかかわらず、後部座席はとても狭いときたもんだ(罪)
高い買い物だし、最後まで長年乗り続けるつもり。だから「相棒」と思えるようなイカした気の会う奴と付き合いたい。けれど一方で、これからどんどん高騰するガソリン代や悪化する地球環境に多大な懸念も。勢いと直感で強引に決めたけど、自分の選択は本当に正しかったのだろうか? そんな悶々とした思いを引きずりながら購読。ついつい書籍も車関係のものに手が伸びる。
「知識ゼロから」といってもシロウトが書いたわけではありません。著者は太田哲也氏。かつて日本一のフェラーリ遣いと謳われたレーシングドライバー。現在はレース中の不慮の事故で手足の機能障害の為に、プロのレーシングドライバーとしてのキャリアを絶たれてしまったが、エッセイや自動車雑誌のインプレッション記事等の執筆活動の他、モータージャーナリストとしての活動中。愛車はアルファロメオ。プラスアルファな魅力がたまらないのだとか。
冒頭の数十頁は、現在のクルマ業界の傾向や自らの体験談などを記載。これがなかなか読ませる。価値観は十人十色。ひとりひとりにとってのベストカーとはなにか? を専門的な表現を避け、一般ユーザーの視点に立って分かり易い文体で書かれている。「間違いだらけ・・・」の某有名評論家と真逆のアプローチ。
「僕の理想はスニーカーのようなクルマ。よくできたスニーカーみたいな車を操縦安定性が良いクルマという」と唱える著者。言葉の端々にクルマへの愛があふれる。とてもレースの事故で生死の境を彷徨った人とは思えない。時にユーモアを交えながらの茶目っ気ぶりも好印象。著者曰く「5年間も療養生活していたから、新しいクルマに対する知識はゼロ。まったくのドシロウト。浦島太郎みたいなモンだよ」そんな逆境体験が、本著でのシロウト目線に一役買っています。
中でも印象的な喩え。P31「クルマをただの道具ではないと考える僕のような変わり者は、作り手の熱い気持ちが乗り移った車を求める。作者がベストセラーを狙った小説を本当の本好きは好まないような感じ」うむ、わかる。
メインコンテンツは著者が実際に乗り比べた100台のインプレッション。こちらはかなり主観的。賛否両論ありそうだな。しかし個人の好き嫌いを多分に交えたレビューって奴も、ある意味本質。正解は十人十色、杓子定規では計れない所もクルマ選びの、そして書評の楽しい一面かと。
どれどれ、我が相棒は・・・おっ、あった。なになに「まさに和製アルファロメオ。僕も欲しくなった」って? なんだが素直に嬉しい。まるで子供だな俺。
楽しませてもらいました。正直、クルマ好きのマニアックな読者には読み応えが薄いかも。そこはとっつきやすさとのトレードオフ。スニーカーを履くような感覚で気軽に読んで欲しい一冊。
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