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元は大衆演劇の役者一家。今はレンタル家族派遣業。
喧嘩は絶えず,借金もかさむといった危機。
父・清太郎に振り回される一家6人の運命は…。
テーマは家族だが,ありがちな感動を誘う話ではない。
大部分の語り手は知的障害を持つ下の息子なのだが,
それが本作にほのぼのとしたいい味を出している。
その他の家族1人1人にもスポットを当て,
章ごとに各自の視点で描かれている。
各キャラの設定と描き方がうまい。
笑えて泣けるお薦めの1冊。
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花菱清太郎が家族全員を巻き込んではじめたのはレンタル家族派遣業。
元大衆演劇役者という経歴と経験を武器に意気揚々と張り切ったものの、浮草稼業に楽はなし。
失敗につぐ失敗に、借金がかさみ火の車。
やがて住む家すらも失いかつての義理で旅回りの大衆演劇の一座に加わることとなったが
はてさて一家六人の運命やいかに?!(文庫解説より)
荻原さんの小説は2作目だが前回読んだ『明日の記憶』とはあまりにも違う切り口に最初はとても戸惑った。
『明日の~』がシリアス系だとしたらこの作品はまさにドタバタコメディだからなのだ。
序盤はなんだかムリヤリ笑わせようとする感じがあって挫折しないかと心配だったけど
中盤から後半にかけてのドタバタ具合には爆笑してしまった。
清太郎を始めとして清太郎に反抗心が強いが気が弱い長男・太一、10代にして一児の母・長女の桃代、
ちょっと知恵遅れだけど温厚な次男・寛二(主人公)、そしていつまでも腰を落ち着けられない清太郎に文句を言いつつも家族を懸命に支える妻・美穂子。
夫婦喧嘩は絶えないし、桃代は清太郎と会話をしようとしない、太一も然り。
家族の良心といえば寛二ぐらいのものだったのだがそんなに険悪なムードに見えず
どちらかといえば読者をほのぼのとさせてしまう。それはみんなどこかしらすっとこどっこいなところを
随所で見せるからに違いない。家族や周囲の人々とかかわる中での寛二の成長に暖かい気持ちになった
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大衆演劇役者、花菱清太郎一家の物語の、それ自体が大衆演劇さながらのドタバタで笑いあり涙あり何でもありの人情物語は、腹を抱えて笑うくらい面白い分、いろんな意味で読んでて疲れた〜。
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大衆演劇の元スター花菱清太郎は、役者を辞めてからは事業を起こすたびに失敗し、何もかも上手くいかない。
そんな彼が新しく家族を巻き込んで始めたのは、レンタル家族派遣業。
しかしこの事業もあえなく頓挫。住む家も失った彼らは、清太郎が以前所属した劇団に復帰する事に…。
ダメ親父の清太郎、振り回される母、フィギュアオタクな長男、17歳だけどやや知的障害で頭の中はまだ小学生な次男、元ロッカーの長女。
個性あふれる登場人物たちのドタバタ人情喜劇に、笑って泣いて、最後は拍手喝采大喝采。
まるで、素晴らしい芝居を一本観終わった後のような、すがすがしい読後感でした。
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ちょっとだらだらした感じ。
面白くしようとしてるのは判るが、それがカラぶりしてる感じが拭いきれない。
でも友人は大絶賛だったんだよなぁ。感性の違いを実感させてくれた作品(笑)
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元・大衆演劇役者の花菱清太郎が家族全員を巻き込んで始めたのは、レンタル家族派遣業。しかし、失敗に次ぐ失敗に借金はかさみ、いつのまにか火の車に。やがて、かつての義理で旅回りの一座に加わることになったが…。「本の雑誌」が選ぶ2002年上半期ベスト10の3位。著者の最高傑作。(by Amaozn)
最後が家族の大団円という終わり方じゃないのがいいですね。面白いんだけどホロリとくる書き味にまた作者のすごさを認識するのでした。
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愛すべき不器用さんなキャラクターが大勢登場。
「まったくしょうがないなぁ」と思いつつ、
キャラの誰か一人には絶対感情移入しちゃう。
気になっちゃう。
で、いつの間にか一気に読んでて、読み終わっちゃう作品。
これは花菱一家の物語。
父、母、兄、姉、ぼく、あと、お姉ちゃんの子ども、の6人家族。
誰より目立つのはお父さん。
自分の想いで勝手に決めて、一家を振り回す。
元々大衆演劇の役者なお父さんは子どもたちに稽古をつけて
演劇に出してたり。
会社を興して倒産させちゃったり。
劇団に戻ったり。
とにかくやっぱり家族みんなを振り回す。
仲がいいなんて簡単に言えないこの家族は
それでもずっと離れずにお父さんに振り回され
続けてきた。
でも、振り回されることへの抵抗から
自分を考える。
そして、一人ひとりの道を歩み出す。
その中で改めて家族が見える。
家族がいる中での自分が見える。
自分のお気に入りのキャラをみっけて、
その目線で楽しんで読んでみてください
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荻原浩が大好きです。
不器用なお父さんが愛しい。ちょっと切ないテイストだけどいい話です。
荻原浩の小説はバラエティー豊か。
お姉ちゃんが好きです。お姉ちゃんが嫌な友達の結婚式に演技で参加するあの話。あれ、爽快だったな。
おすすめです。
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寛二君、最初の描写があまりに不自然に感じたので、もしかして動物(猿とか)?・・擬人化された物体(ぬいぐるみとか)?・・と勝手に疑っていたのですが、完全に人間でしたね。
自分の旦那さんがお父さんみたいな人だったら、本当にすごく大変だろうなぁ、と思いながら読んでいました。
地方を巡業する劇団、という設定が新鮮でした☆
特にここと言って盛り上がる箇所はなかったように感じますが、読みやすかったです。
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いいね 。いかにも、この人らしい。
知的障害があると思われる主人公と、ダメダメな父親、そんな家族の物語。
第四の氷河期の時もそうだけど、結構重たいネタになりがちなのに、とてもコミカルに描かれる物語は、読了感がとても心地よい。ただ、読んでいるときになんというか、こう気恥ずかしい気がしてくることがあるけど。
でも、よく考えると、この物語にも、というかこの人の描く物語には悪意というものがあまり出てこないよね。安心して読めるということだけど、世界は少し物足りない気もしないでもない。
まぁ、根のいい人間が主人公だから、類は友を呼ぶというあたりで、実際の世界もこんなものなのかもしれない。
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最近ミステリーばっかり読んでたから久しぶりに軽めので楽しかった。
おもしろくて笑える場面がたくさんありつつうるっとくる場面もあって、読み終わった後に心がほっこりした。
さすが荻原さん!!
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ユーモアも交えながら、親子の絆、愛について、考えてしまう作品。旅芸人の座長から、「偽家族派遣」という商売を始めた父。それが、2転3転していくのが面白い。子供たちも、三者三様で、個性的。最後の結末が少し悲しく、ほろりとしてしまいまいした。
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家族だって何考えてるか分からないですよね。
お母さんの突然の行動が、お母さんのそれまでの
気持ちを細かく心理描写されてるより、考えました。
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う〜ん。面白いといえば面白いのかな。寛二がずっと明るくしているからこそいいのか。でもレンタル家族というのは面白い職業だと思う。家族それぞれに個性があり、自分の道へ進んでいる。
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登場人物みんな憎めないキャラクターで、ストーリーは荻原さんらしいドタバタで面白くて、甘過ぎずにちょっと切ない。寛二良かったな。兄ちゃんは途中でキャラ変わりすぎじゃない?気のせいかなー。