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認知科学への招待 心の研究のおもしろさに迫る みんなのレビュー
- 大津 由紀雄 (編著), 波多野 誼余夫 (編著)
- 税込価格:3,300円(30pt)
- 出版社:研究社
- 発行年月:2004.11
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紙の本
認知科学者の説明責任
2006/01/14 23:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知科学とは何か? ということを求めて本書を手にしてはいけない。教科書的な概論などはなく、個々の研究者の追っているテーマをそれぞれが紹介しているだけでなのだから。一応、「心の研究」という大枠をもちつつも、17に及ぶ各章は、言語、心理、発達、動物、脳科学などなどとばらばらで、方向性をもった論文集ともいえない。
では、なぜ、このような一書が編まれたのか。それは、「認知科学のおもしろさを伝えたい」という編者の強い思いからである。冒頭でも言及されているように、認知科学は研究として、相当広がっている。一方で、概説書となると意外に多くなく、その空白を埋めるためにも、一般の人から学生・隣接諸領域の研究者まで広く読者として想定されている。だから、読む者も、ミステリーなどを読むのと同じくらいのつもりで、面白いか・面白くないかを判定すれば良い。筆者の肩書きや、英文ならぶ文献一覧などを見てひるんではいけない。予備知識なしで、その文章がどれだけわかりやすく、面白いのか、の一本勝負なのである。
「つまらない」「わかりにくい」「なぜ、この研究をするのか?」「なぜ、この対象でなければいけないのか?」・・・と、読者は素朴な疑問をどんどん投げかけるべきである。そして、認知科学者はそれにこたえていかなければならないのだ。この場合、優位にあるのは専門家ではなく、非専門家である読者である。
私は、必ずしも学問に社会的有用性をもとめはしない。しかし、自分の行っている学問の面白さを、一般人に説明できないようであってはいけない。もちろん、過去の権威に頼ったり、仲間内で「面白い」とつぶやているだけでは、何も伝わりはしない。これからの研究者には、自分の研究のみならず、そんな真剣勝負を繰り広げて欲しい。
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