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ミステリとして読むと少し弱い感があります。
しかし、御手洗と石岡くんが二人で事件に挑むというのが往年の御手洗シリーズファンには嬉しいわけでして。
また、御手洗が見せる優しさが事件の真相が暴かれたあとの衝撃を救っているという感じがします。最後の台詞も、御手洗らしいと思いました。
サンタクロースの幸せの靴はいつも、誰かの胸にしまわれているものなんだ、そう思いたくなる一冊でした。
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御手洗シリーズは嫌いになれない。このシリーズは単なるミステリではなく“優しさ”や“救済”を提示するヒーローモノだからだ。アクの強い名探偵なんてミステリにおいては時代錯誤かもしれないが、この作家にはそれを求めてしまうし、それにある程度応えてくれていると思う。贔屓目かもしれないが・・・
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760円(税別) 2004年12月5日初版 ISBN4061824112
【ストーリー】
「シアルヴィ館のクリスマス」と標題作の「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」の二部構成だが前者は後者の前振り。「占星術殺人事件」直後の頃の昔の話。馬車道の二人の住まいを訪れた老婦人がもたらした謎に御手洗が乗り出していく。雨が降ったからと怯えて倒れ救急車で運ばれてしまった友達の老婦人と、付き添いもせず教会の前の花壇を掘り起こしている家人の不審な行動。歴史的な遺物のダイヤモンドの靴はどこに行ってしまったのか。
【感想】
心優しい奇跡・・とか書いてあるので結構期待して読み始めましたが個人的に感動度はふつう。結構生活臭が漂っている・・・。ところどころ笑える表現があって、ひょうきんな御手洗に会えて嬉しかったです。なんなんだろうな〜とサラサラサラーと読めてしまいました。
「僕が父親なら・・・」という御手洗の台詞がとても良かったです。
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島田先生の本の感想を書く時は、本当にいつもいつも言うことなんですが・・・面白いミステリを書くということは、ただすごいトリックや奇抜な発想があるだけではいけないんです!
この「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」もそう。
歴史や民俗学、果ては都市工学にまで触れられていて、ミステリとして面白いだけでなく、勉強になることが山ほどありますよ。
冒頭の、序章とも言うべき「シアルヴィ館のクリスマス」で語られていた女帝・エカテリーナについても、私は以前から少し興味があって調べた事があったんですが、彼女についての色々な解釈も知ることができて非常に面白かったです。
ミステリの内容そのものは、とある老婦人が、興味本位で御手洗さんの元に訪ねて来て、最近体験した、友人にまつわる不思議な話をしたことから、とてつもない事件が発覚してしまう、というもの。
まだ「占星術殺人事件」からそう時が経っていない時代、御手洗さんと石岡君が2人で馬車道に住んでいる頃のお話で、嬉しくなりましたし。(やっぱりこの時代が一番よかった!と部外者の私は思ってしまう)
そして、島田先生の書かれる「会話文」が、非常に面白い!!
普通、小説って台詞の部分も文語調になっているものですが・・・島田先生のはもう本当の会話そのもの、事件自体は決して笑えるものではないのですが、その台詞まわしや御手洗さんの皮肉で、何度も大声を出して笑ってしまいましたよ!
御手洗もののなかでは、割と軽く読める内容・量なので、ちょっとした空き時間にもおススメ。楽しめます!!
・・・それにしても、石岡君はほんっとに可愛いなあvv(この時代の石岡君なら、素直に可愛いと思えてしまう・・・・)
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すっごいいいはなし!こころがあたたまるーハリウッド・サーティフィケイトのすぐあとに読んだから、優しさが余計身に染みた。やっぱり御手洗はこうでなくちゃね。こころにやさしい本格ミステリです。
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御手洗潔モノ。「シアルヴィ館のクリスマス」「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」の中編2編だが、前者は後者の前振りのようなもの。舞台は占星術の直後くらいで、初期の御手洗&石岡コンビが久しぶりに読める。老婦人が持ち込んだ話から、その裏に隠れていた大事件を見いだす。年々石岡くんが卑屈になっていくのがイヤだったので、昔の感じに読めるのが良かった。
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若い頃の御手洗さんって割と優しい…。
「ぼくがあの子の父親だったら、(中略)ただの一度だって忘れるものか!」
発言に思わずホロリ。
石岡君がまだ元気なので、会話にもかけあい漫才みたいな雰囲気があっていいです。
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久しぶりに読み返してみたシリーズ。
いつの間にか文庫にもなっていたのですね。
中古にあったので新書で買いました。
御手洗がヒーロー…!
とってもきれいにまとめられていて、推理というより痛快ものっぽい、
そんな読み方もありだなと思います。
石岡くんが元気なのもうれしいです。
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今の時期にピッタリな気がする一冊。
殺人も起こらず、ほのぼのした場面も多数あるが、相変わらずの切れ味は存在。
人の執念・欲望恐るべし。
瞬間湯沸し器とか笑えました。良い味だしてる!
御手洗さんの破天荒っぷりと、たじたじしながら頑張る石岡くんが良いコンビで微笑ましい。
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初めて読みました、島田荘司さんの小説。
ミステリ小説とあらすじを読んで思っていたのですが、
そこまでコッテコテのミステリではないなぁという感じ。
お宝探しって感じかなぁと。
なので、ホワホワした感じ。(まぁ色んな人間が出てきますけど)
そして、御手洗潔というシリーズものらしいですね。
しょっぱなから、「読む順番間違えた~!」と思いました。
占星術殺人事件というのが御手洗シリーズの第一弾のようです。
この作品は、その後日の出来事みたいな感じで始まったので。
まぁ、順番間違ったからといって、特に支障もなく読めましたが。
結構登場人物の会話のテンポが速くて、
スラスラ~と読める感じです。
一瞬雑な会話な気もするけれど、
御手洗自身がちょっと変な人なので、やり取りも面白かったり。
変なキャラは好きなので(笑)、なかなか御手洗さんには好感。
石岡さんもなかなかいい味を出してる感じで。
沢山御手洗シリーズが出てるのでこれから読んでみようかと。
まずは「占星術殺人事件」ですね。
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大人の醜悪さを味わうことのできる
大人になんかなりたくないぜ!
と少年少女に言わせてしまいそうな作品。
まあ、純情な少女の親は
どーしようもない体たらくですからね。
真相そのものはいたってシンプルです。
意外といえば意外ですけどね。
でも、それでも見落としがちなことを
真相に使っているのは…
しかしこんな短い作品でも
大きくできる島田作品には驚き。
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またロシアネタ。島田荘司、好きなのかな。作者自身が言ってるように「占星術~」の直後らしい。つまりはまあ、石岡くんがまだ元気な頃ってことね。
ロシア皇帝から榎本武揚が貰ったダイヤモンドがたくさんついた靴をめぐる事件。殺人はなく、ダイヤモンドの靴の消失が主な謎。
いくつか薀蓄が混ぜてあって、そういうのがなければもっと短く終わるんじゃないのか、とか思ってみたり。都市学とか歴史とかさ、勉強にはなったけど。
島荘にしては会話が軽く思えたのは気のせいか。感覚の違いか、妙なつながりの会話だなぁって箇所もあったけど、いつもより軽い。御手洗と石岡くんの掛け合いとか、普通に面白かった。
主な謎部分については、流し読みしてしまったのでよく理解してないけど、なんとなく分かる。
以下空白反転処理、ネタバレ注意。
「どうしてあの親父が靴と箱を別々に埋めたのか」がよく分からなかったなぁ。「母親を欺く」ため? 本当にただそれだけであんな危険なことするかなぁ。下手したら「娘が帰ってこない」かもしれなかったのに。結局犯人は「空の箱を手に入れたのか」どうかが分からん。で、どうして「娘を帰した」のかも。読み返せってことか。
ラスト近くで、美紀ちゃんって子供と御手洗と石岡くんで後楽園へ行くシーンが好きです。御手洗が人間に見えたもの(笑)
それはどうよ、と思った抜粋。
「御手洗、君は女でも、小さい子なら好きなんだな」
すると御手洗は、また変なことを言う。
「ボウフラは可愛いな」
まだ会話は続くのですが、つまりはまあ成長したら害を成すが小さい頃は可愛い、と。
女嫌いにも程があるだろう。
04.12.16
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クリスマスムード溢れる御手洗&石岡の冒険(?)譚。
御手洗の女性と子供に対する認識がよくわかります。
話自体は歴史的な品物を扱う割には小市民な話ですが、御手洗サンタもいいかな、ってことで。
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御手洗潔シリーズ。
街がクリスマスの時期に読めて嬉しい。しかし、御手洗さんと石岡君の遣り取りの可愛いこと!ミステリはこうではなくては。
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御手洗シリーズ。
クリスマス前の今の時期にぴったりな本でした。
珍しく長編でいて人が死にません。ゆえにいつものド派手な猟奇殺人や奇想天外なトリックはなかったけど、若いころの御手洗の弱きを助け強きを挫く性格が色濃く出ていて、あぁそうだ御手洗ってこうだった!と読んでいて嬉しくなりました。石岡君がまだしっかり者の頃で、二人の漫才のようなやりとりが久々に見られて面白かった。まだ御手洗に元気に口答えできてたころの石岡君が懐かしい…。やっぱり石岡君とのコンビがいいなぁ。