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桐野夏生のどろどろ系の作品は結構好きだ。大抵、業が深そうな中年の女性が出てくる。この作品もそう。売春宿で生まれた少女がその後、どういう人生をおくるのか。非常に、癖のあるカルマのたまってそうな人がいっぱい出てきて面白いのだが、作者が書き込んでいる登場人物それぞれのキャラクターを活かしきれないような、結末。広げた風呂敷が急激にしぼんでいくような結論はちょっと物足りない。まあ、普通に面白けど。次はこの作品の前に出た「残虐記」でも読もうかと思っている。
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久しぶり、の、桐野夏生作品。OUT以来かな。そこそこに面白かったのだけれど、では結局、どこの部分を言いたかったのか、私にはぼやけてしまってよくわからなかった。自分が突進していく進路に障害物があれば躊躇なく蹴散らかす。そんな奴が近くにいたら恐ろしいが、全くの絵空事としては思えなくなってしまった現代。そのところをよく突いている話だったと思う。でもこの話、かなり映像的なものを意識しているようなので、やっぱり映画化(ドラマ化)を視野に入れて書いたのかな? とちょっと意地悪な目で読んでしまった。
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≪かつて女であった怪物たちへ、そして、
これから怪物になる女たちへ捧ぐ、衝撃の問題作! (帯より)≫
父も、母さえもわからずに娼館で育ったアイ子。戸籍さえなく、学齢になっても学校へやろうと考えてくれる人は誰もいなかった。
そんな彼女が辿った人生の恐ろしく悲しい物語である。
アイ子のしてきたことは 人の心を持たない悪魔のように恐ろしいことには違いないが、人の心を持てないようになってしまったのはアイ子のせいだけではないだろう。
親――特に生物としての繋がりが目に見える母親――の存在を確かに感じることは、人が人として生きてゆく上に欠くべからざるものなのだということを哀しいまでに思わせられる。
アイ子は悪魔のような加害者であると同時に、抵抗する術を持たない捨て猫のような被害者でもあるのだろう。
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桐野夏生を知るきっかけとなった本、近くの図書館でふと眼に止まって。アイ子を渦巻くグロテスクでエロチックな話。
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どうも桐野夏生は人間の嫌な部分をグロテスクに表現するのが好きですね。今回もアイ子を取り巻く女達の荒んだ心をいやな気分になるほどうまく出ていました。さらっと読めていいと思います。
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人はどこまで邪悪になれるのか。
児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と共に焼死した。事件の背景に盗み、殺人、逃亡を繰り返す女、アイ子の姿が見える時、更なる事件が引き起こされる。
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児童養護施設「星の子学園」で保育士をしていた美佐江は元園生のアイ子の放火で死亡する。
アイ子の周りで事件がおきる。どろどろの人間関係を引き連れてアイ子はマイペースで走る。
どうしようもなく醜悪な人生。
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人間の悪の部分をリアルに書く桐野作品。でもこれは悪の理由が本能的すぎてまったく共感できる余地がなかった。もっと心情を詳しく書いて欲しかった。
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一体どこにこんな強い感情がつまってるんだろ。作品自体が、著者のエネルギーの粗末なはけ口になっているようにも読めた。私はアイ子を肯定する。ただ、関わりたくないけどね。
タイトルのつけかたはダントツ好きかも。
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あたしは本の帯に書かれてある言葉にひかれてこの本を買った。でも、その言葉と本の中身がそれ程リンクしているとは思えない。ドロドロした話は好きだけど、簡単に人を殺してしまうところとか・・・その他いろいろ、現実的でない部分が多数あって、本の中に入り込めなかった。物語の進みかたも、たんたんとしていて「ここの場面は別になくてもいいんじゃないの?」というところが多かった気がする。
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桐野夏生の本は全部読んだつもりでいても、結構読み逃しはあるもので・・・
終りのところで、バタバタっとしている感はありますが、全体的に私は好きな作品です。
桐野さんの本を初めて読んだのが、ミロシリーズだったので、“ハードな感じなのに、妙に女性の心理描写がうまい作家だな”と勝手に“桐野夏生=男性”だと思い込んでいたのです。実際は、とても美しい方なのに・・・
それぐらい桐野さんの作品はハードボイルド(?)なモノが多いのですが、この作品は、ややハードレベルです。
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書きたかったのはたぶん「アイ子自身」なのだろうが、ちょっと入り込むには強烈過ぎる。その割にはひとつひとつの殺人に関しては結構さらりと流されているように感じた。
文体やストーリーの流れはとても読みやすくキャラクターの強烈な印象も強くさすが桐野作品だと感じたが最後はちょっとあっけなさ過ぎる終わりのような気が・・・
相対的には割りと楽しめる作品かなという感じで星3つかなぁ。
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人はどこまで邪悪になれるのか。
児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と共に焼死した。事件の背景に盗み、殺人、逃亡を繰り返す女、アイ子の姿が見える時、更なる事件が引き起こされる。
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女装するおっちゃんのとこや孤児院の年の差夫婦のとこなど、アイ子にまつわる人間の描写が面白かったです。
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本能に生きる「怪物」。一緒に購入した「グロテスク」よりはアッサリ(心理描写とか。)だけど、後味は最高に悪い。(7/18/ハードブック)