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ブーベの恋人 みんなのレビュー

1960年ストレーガ賞 受賞作品

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紙の本

名作映画、特に音楽で有名な作品原作。レジスタンスという政治的背景はあるものの、抵抗運動の闘士と純朴な村娘のストレートなラブ・ロマンス。ハーレクインのファンにもお薦め。ストレーガ賞。

2005/02/02 12:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ハーレクインのファンにもお薦め」と言っても、発刊当初だと思うが、書店の店頭でタダでもらった2〜3冊を読んだことしかない。当てにできない推薦者だ。しかし、各巻のページが一定になるよう抄訳で編集されているハーレクインのシリーズに比べ、長く楽しめるということは1つ長所として挙げられるかと思う。
 ストレーガという文学賞もとっているミリオンセラーで、今もイタリアでは読み接がれている名作らしい。高校の教科書に教材として採り上げられているというのだから、国民大衆文学の決定版というところだろうか。
 映画ファンにはクラウディア・カルディナーレ主演の名作として、また、「ムーン・リバー」や「ロミオとジュリエット」のようなよく耳にする映画音楽とともに「不朽の」がつく古典と認知されているのだろう。実は他の映画音楽のようにメロディーが口ずさめない私は、「ブーべの恋人」が音楽で有名な映画だという知識だけはあり、長年「ブーべって何なのだろう」という疑問をぼんやり抱いていた。今回ようやくそれが分かった。

 ブーべというのは、トスカーナ地方のパルチザンに加わり、ファシストやドイツ軍に対しレジスタンス運動を行っていたある活動家の愛称なのである。ヒロイン、すなわち「ブーべの恋人」は、マーラという村娘である。
 この「ブーべの恋人」という言葉は、物語の終盤になり、登場人物から発せられる言葉として非常に感動的な場面に登場する。そこを読んで初めて、「そうか。ブーべの恋人ね」と題名の持つ意味の深みを納得することができる。おそらく、音楽「ブーべの恋人」を改めて聴くと、新たにずしんと響いてくるものがあるだろう。

 ふたりの出会いは、あまり歓迎されたものではない。マーラの兄がパルチザンとして戦闘に参加して命を奪われた経緯がある。やはり政治的活動に身を置くマーラの父親は、母親から恨みがましく思われている。そこへ兄の友だちであったブーべが尋ねてきたのだ。娘のマーラがブーべに思いを寄せるということが、母親にとっては堪えられない。息子をパルチザンに奪われたと思っているからである。
 マーラは純朴な村娘だが人目を惹く容貌のため、村の若者からちょっかいを出されることもある。けれども、毅然としている。異性に対し興味がないわけではないが、他の娘のように適当に遊ぶことを善しとしていない。と言っても、乙女の貞節が縁談に左右する時代ということもあって、若い女性たちの倫理観ははっきりとしたものである。マーラは特に、純潔という倫理観に敏感な女性である。それにしても、「ブーべならば構わない」という気持ちがあるというのに、なかなか手も握ってくれない、キスもしてくれないということで、マーラの心は揺らぐ。
 ふたりの間のそのようなやきもきは、ブーべがある事件のために捕まらないようあちこちを逃げ回っている、めったに会えないという状況で一層募っていく。マーラの方も村に留まったままでなく、村を離れ、奉公に出て働き始めたことで、新たな男性との出会いも待っている。

 ストレートすぎるほどのラブ・ロマンスであり、一途なヒロインの言動、そして決断に照れてしまうところがないわけでもない。だが、後半になって加速してくる政情の変化、それによるブーべへの厳しい処遇という流れのなかにあり、マーラという女性が自己を確立させて困難に次々立ち向かっていくさまは実に清々しく、深い感銘を残す。

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2005/11/15 17:09

投稿元:ブクログ

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