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紙の本
自分だけの翌日にたどり着く話
2009/02/11 18:19
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:potman - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずんずん。踏み鳴らす響き。
「戦闘のさなかに、負け戦をやり直す能力を持ってしまった強化服歩兵が、戦場で生き延びる手段を見つけて、自分だけの翌日にたどり着く話」
といってしまうと簡単だが、いろいろ振り捨ててしまっている。負け戦をやり直す能力といって、主人公のキリヤが持ちえたのは、負けた記憶を持って前日を再スタートする、という能力だ。
この能力は、実に、メタ視点でのゲーム感覚だ。プレイヤーはミッションを開始し、何度かの失敗から戦場の展開を覚え、死なないルートを見つけて、クリアできるまで繰り返す。
クリアできなかった回のプレイヤーキャラクターは、その度ごとに死んでいる。
そのキャラクターがその記憶を持っていたら、というものだ。
その状況を形成するSF考証には、やはりいくらか疑問はある。
タイムパラドックスものには、ある種避けられないような引っかかりだ。
特にこの話では、状況をつくるためにそれを形成しうる技術設定を考察したことものと、どうしても思えるだけに、お話の筋に沿うように性能自体を作ったと見えてしまう。
いや、それが悪いわけではないのだが、最終章の種明かしを少し変えるだけで、全てハッピーなエンディングも可能だったろうに、と思うと寂しくなってしまうだけだ。
ちなみに終章を見る前に私が想起した解決法は、ぴったりと二人がシンクロして止めを繰りだすという、少年漫画的燃え展開だった。一定距離離れれば良いと言うなら、少しの苦味を持たせつつ、またそれで英雄を量産できたかもしれない。
まあ、基本的にハッピーエンドが好きなのだが、全ての物語がそうでなければならないと言うつもりはもちろん無い。私の案などは、喜ばしいだけに薄作りでありきたりだ。
このお話は、非常に印象的なお話だった。
これを読んで思いだした作品が、まあ、幾つか。
ガンパレードマーチは、当然のように。あれは、本当に凄いゲームだった。黒い月のエンディングを迎えられるのであれば、このお話でも深海の基地を壊し、宇宙にすら出られるはずだ。
宇宙の戦士も、また当然のように。戦場を越えて、戦士は強くなる。
マクロスFはこのお話より後で、実は一番近い感触。人類が未来を得るとしたら恐らく敵と和解するほか無く、悪意の無い攻撃と破壊を赦せるかどうかにかかっているのだろうかと。
並べてみると、一応皆おおよそはハッピーエンドなんだな。まあ、ゲームやアニメシリーズでは、なかなかそれ以外選択できないだろうけど。
最後に、本を読んで泣くのは年に2、3回なのだけれど、これは今年最初でした。
「日本の食堂では、食後の緑茶は無料なんだ」
こんなセリフ(意訳)に対しての反応で泣けるなんて、そうそうあることではないですよ。
紙の本
繰り返される悪夢
2006/05/08 20:44
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
意思疎通ができない異世界生物との戦闘。戦術なんていう華麗なものがない消耗戦の中、戦場に叩き込まれる初年兵。あえなく戦死…と思いきや、目が覚めると出撃前だった。
作者の別作品、「よく分かる現代魔法」とはまったく別のテイスト。はじめは重過ぎる出だしに少し躊躇したが、読み進むに従って、その物語に引き込まれていった。
なぜ彼は、彼女は同じ日を繰り返しているのか。その答えと共に物語りは収束する。上下分冊として、もう少し書き込んでも良かったのではないか。それだけの深さのある作品だと思います。
電子書籍
映画とは大きく異なる内容
2015/08/10 19:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:McTD - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハリウッド映画の原案として採用されたとの事で読んでみました。
映画を見てから読んだのですが、同じなのは基本設定だけで、全く異なる世界観であることがわかりました。
映画は映画で楽しめましたが、読後の寂寥感は本作が遥かに勝り、日本で原作どおりの映像化がなされても良いのではないか、と痛切に感じました。
電子書籍
おもしろい!
2014/10/23 06:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とらんせる - この投稿者のレビュー一覧を見る
無限ループの先にあったものは悲劇と栄光であった。
夢中になって最後まで一気に読んだが、若干後味の悪い結末だった。個人的にはもっとハッピーエンドになってほしい。