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ニワトリ 十二支第十番酉 みんなのレビュー
- 高岡 一弥 (アートディレクション), 久留 幸子 (写真)
- 税込価格:4,180円(38pt)
- 出版社:ピエ・ブックス
- 発行年月:2004.12
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紙の本
愛らしくもさびしいインテリア
2005/04/15 22:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
400ページ近くもあるぶ厚いニワトリ写真集。
背景を白抜きにし、被写体のニワトリのフォルムや羽根の質感、そしてさまざまな品種の個性の多彩さ・おもしろさを際立たせる先鋭的なデザインだ。
ただ、商業的なデザインにこだわったためか、そのおもしろさ、美しさは表面的でしかないように感じた。「群鶏図」で有名な伊藤若冲(じゃくちゅう)の絵も本書には織り込まれているが、若冲のニワトリに匹敵するような写真が見当たらないのがその証拠になると思う。
ニワトリの多彩な品種をかわるがわる見るのは確かに目を楽しませるし、巧みに撮られた彼らの表情はたしかに愛らしいのだが、ニワトリが見せる力感、生命力のようなものは表現されておらず、物足りなく感じた。
また、庭で飼われるトリ「にわとり」としての存在が、背景を白抜きにしてしまったためにすっぽり抜け落ちてしまっている。そういった写真には、画面ばかりでなく、時間的にも意味的にもまったく奥行きが感じられない。全部とは言わないまでもせめて一部は、インテリアではない身近な生き物としてニワトリを扱ってほしかった。
どろくさいのは現代人の趣味に合わないのかもしれないが、これではぬいぐるみを撮るのとかわりがない。本のラストを飾る、浜辺にたたずむ雄鶏の写真は、路頭に迷い立ち尽くす同僚のさびしい横顔なのだと、私には感じられた。
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