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紙の本
ナンシー関の辛口コラムを、もう一度
2005/07/02 23:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ますたぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナンシー関の辛口コラムはやはりおもしろい。彼女が指摘する疑問点・問題点はどれも的を射ていて、「なるほど、そういう見方があったのか」とうなづかされてしまう。そう、一見するとテレビ番組やタレントに対する痛烈な悪口のようで、実は「みどころ」をアドバイスしてくれているのである。
例えば、長嶋一茂と松岡修造の違いについて。この二人は(失礼ながらあえていえば)「バカ」(っぽい印象)という点で似ているけれど、実は違いがあって、それは『一茂はバカをリアクションで見せるが、修造はそのバカをファーストアクションで繰り出す』ことであるという。こういわれると、今度この二人が出演しているテレビ番組を見て、確かめてみたくなるのでは?
そう、ナンシー関は「みどころ」をアドバイスしてくれているのだ。辛口コメントはたしかに厳しいが、決して悪口ではない。私たちが気づいていなかったり、あるいは気づいていてもうまく言葉にできないような疑問点・問題点を的確に文章化し、目に見える形で読者に示してくれたのである。
そんなナンシー関の「新作コラム」は、残念ながらもう見ることができない。2002年6月12日、39歳という若さで急逝してしまったからだ。しかし、その後もナンシー関の人気は衰えることなく、まだ書籍化されていないコラムや対談集がまとめられ、各出版社から「新刊」として出版されている。
本書も、「週刊朝日」1993年1月1日〜8日合併号から2002年6月21日号まで連載された人気コラム「ナンシー関の小耳にはさもう」から、これまで単行本・文庫本に収録されたことのない作品だけを選んだもの。したがって内容の古さは否めない。
しかし、取り上げられているタレントの中には、現在も活躍しているタレントがいる。「このタレントも、ナンシー関の辛口コメントのネタにされていたのか」と、昔を知って今を見直してみる、そんな温故知新的な読み方で楽しんで見てはいかがだろう?
紙の本
ナンシーに報告したいことがたくさんある
2008/05/08 23:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ナンシー関様。
あなたが亡くなってから、
ほんとテレビも芸能界もいろいろありました。
あなたがはんこにしてコメントしてくれないので、
とってもくやしいです。
この本の表紙、
ナンシー関自身の横顔のはんこがあるんですが、
ナンシー関は、
テレビをよくみて、芸能人を的確にとらえてもいたけれど、
自分のこともよくみて的確にとらえていたような気がします。
自分がどのように見られ、社会的にどんな位置にいるのか、
そういうことをよくわかっていたからこそ、
的確にテレビ評ができたのだと思う。
批評家でありながら、イチ視聴者の立場を崩していないというか。
自分の身の程を知らないでおなじことしたら、
批判をもっとかうし、
ただの暴言になると思うんです、私。
彼女がまだ、テレビの前にすわっていてくれたらなー、と思います。
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