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読書録「ラッキーマン」3
著者 マイケル・J・フォックス
訳 入江真佐子
出版 SB文庫
p179より引用
“ どこを見ても、ぼくの写真がぼくを見返
してくる。しかし、大事な点は、そのどれも
がほんとうのぼくを正しく紹介してはいない
ということだった。ほんとうのぼくというの
が何者であるにしても、まるで鏡だらけのホー
ルに立っているみたいだった。そこに映って
いるのは、ぼくの像というよりは、むしとぼ
くが人前に出るときの仮面のそれぞれちがっ
た様相だった。”
目次より抜粋引用
“モーニングコール
脱出の名人
ハリウッド・ハイ
びっくりハウスで迷子になって
現実は厳しい”
80年代に一世を風靡したハリウッド俳優で
ある著者による、自伝闘病記。同社刊行作文
庫版。
祖母との思い出から難病罹患後の闘病と活
動まで、ユーモアと皮肉を利かせ、しかし暗
くならない文章で綴られています。
上記の引用は、映画ヒット後に近所の新聞
売り場を見た時の感想。
目の前にありながら自分であって自分でない
感じ、有名になってみないとわからないこと
なのかもしれません。
俳優として人生の絶頂を迎えている最中に、
病気を発病したそうです。しかしそれを転機
として前に進む、著者の生きる姿勢から学ぶ
べきところが数多くあります。
ハリウッドに関する記述も色々あるので、
映画ファンの方がまた別の点から面白い一冊
ではないでしょうか。
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