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かつて地上には、常に2、3種類の「ヒト」がいた。新しい人類が現れては消えていき、その数は17種にものぼる。その唯一の生き残りであるわれわれホモ・サピエンスを除いて、ヒトはすべて地上から姿を消した。ネアンデルタールとは、600万年の人類史の中で、ごくごく現代に近い時代に出現し、そして消滅していったヒトであり、われわれの「最後の隣人」であった。4万年前まで、ネアンデルタールとわれわれの祖先は、同じ時代に生きていた。彼らは出会い、そして混血したのだろうか。それとも、ネアンデルタールは子孫を残さず絶滅したのだろうか。化石発見ラッシュの中、化石、脳、言語、遺伝子等の専門家が、さまざまな視点で最新ネアンデルタール像に迫る。
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息子がレポートの宿題に借りてきていたのを、ついパラパラと読んでしまった。
シンポジウムでネアンデルタール人のアイデンティティについての講演が行われた、その講演集だそうだ。
最近になっていろいろわかってきたらしいが、それでもまだ多くが謎のネアンデルタール人に関して、考古学、遺伝子学、文化人類学、解剖学、脳科学、心理学や言語学といった様々な視点から、専門家たちが、ネアンデルタール人像を解き明かすべく熱く語っている。
講演なので表現も口語的でわかりやすく、なかなか面白かったが、反面、10人ほどの講演者ごとに章が分けられているのだが、同じ話が反復して出てきたり、参考にするべき写真やイラストがかけ離れたページに掲載されていたりと、やや読みにくい部分も。
写真や図説、イラストも豊富で、息子はさぞかしレポートがうまくいったことでしょう…(期待)。
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我々に最も近い「人」、ネアンデルタール人に関する短い論考をまとめた本。当時としては最先端の内容だったのだろうが、今はもっと分かっていることが増えているのだろう。NHKのドキュメンタリーとかでもやってる話が多かった。
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わずか数万年前までヨーロッパに住んでいて、われらヒトと共存した「最後の隣人」……ネアンデルタール人の本当の姿にせまる。
複数の著者がいるので、章ごとに多少情報が重複したり錯綜したりもするが、そのぶん先端の科学に触れられる、刺激的な読み物に仕上がっている。著者どうしの意思統一もしっかりできている印象。副題に「彼らの『悩み』に迫る」とあるが、ネアンデルタール人を、ホモ・サピエンスの隣人としてどのように位置づけるか、という試みに真正面から挑んだ力作だ。
とはいえ、人類の過去に関心の薄い人が、いきなりこの本を読んで楽しめるかというと、なかなか難しそう。難解というわけではないが、専門的な切り口から入る章もあるので、著者と問題意識を共有するのに苦労するだろうなぁという意味で。(まぁ、でも興味ないところは飛ばしてもOKっしょ)
図版や写真も豊富で、イメージを描きやすい。先端の研究を、わかりやすく紹介してくれる、なかなか工夫のある1冊。
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ネアンデルタール人などの古代人類に興味がある方には非常にオススメの本でした。
ただ2005年に出版された科学書としては少し古い本ですので、内容に関しては古い学説に基づいていて、時代遅れの面もあるかもしれません。
私は古美術に興味があり、縄文土器や石器なども見るので、興味深く読みませて頂きました。