紙の本
世界は6人の友人を介してつながっている?
2005/05/27 07:31
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中は、不思議なネットワークの法則に従っている。例えば、スタンレー・ミルグラムの実験によれば、アメリカ人のすべては6人の友人を介してつながっているという。「六次の隔たり」の法則だ。
本書では、現代の知的営為の最先端、「ネットワーク科学」の世界を概観できる。「ネットワーク科学」とは、物と物とのつながりを純粋に数学的に解明する科学なのだそうだが、小難しい数式などなしに、素人にも分かりやすく解説している。
先の「六次の隔たり」の例のように、世の中が極めて少ない絆によってつながっている様子を「スモールワールド」と呼ぶ。例えば円周上に1,000の点があるとして、近隣の10の点にのみリンクが張ってある状態を考える。これは、とても規則的なネットワークとなるが、このネットワークの一方の側から反対側に行くには50段階かかってしまう。しかし、この規則的なネットワークの点をいくつかランダムに選び、離れた点同士にリンクを結ぶと、最初50であった「隔たり次数」が劇的に減少する。ネットワーク(つながり方)を分析する際に、この「ランダムなリンク」=「弱い絆」がキーとなる。本書では、「弱い絆」がネットワークの中でどのように機能していくかということを、電力網、神経細胞、エイズの広がり、インターネットなどを例に検証していく。
科学雑誌の編集者あがりのサイエンスライターらしく、本書に登場する科学者たちのエピソードも興味深く書かれており、読んでいて楽しめる。
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スモールワールドの概念、ランダムリンクの不思議。そこから広がるネットワークの仕組みを解説。知らず知らずにネットワークを広げる僕達の動きは、誰にも教えられずに秩序を作り上げる蟻や蜂の巣の神秘に似て緻密で感動的だ。
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スモールワールドを理解することで人のつながりがどうなっているのかの法則を知ることができ,人と人との関係を考えさせられる.
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「スケールフリーネットワーク」などのネットワーク科学が脚光を浴びているが、そのけん引役となったのがバラバシ、ワッツの啓蒙書に他ならない。本書は一見その2冊と同じように見えるが、実際その通りである。しかし、前者2冊はそれぞれの研究者の視点に立っているものであり、双方とも非常に重要な概念であるにもかかわらずどちらか1冊を読んだだけではそのうちの1つしかわからないという現状があった。本書を書いたのはサイエンスライターであり、2人の主張を両方ともわかりやすくまとめてあるという点が購入の動機になった。
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「6人たどれば必ず誰とでもつながる」いやぁ、非常に面白い本です。科学的見地から人のネットワークが理解できます。
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社会に見られる様々なノード/クラスターに関する現象を、ネットワーク理論で平易になめて確認してく解説本。良くも悪くもひたすら事例検証が主で、ネットワーク理論的にはその結果として特段目新しい説に発展しているわけでもなく、良心的だが単調な繰り返しの連続が読書続行意欲をしばしば阻んだとこ、減点。
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まじおもしろい!!新たな視点に気づかされる本。生きていく上でも知ってるといいことがたくさん書いてある◎一度、目次だけでも読んでみるといいかも。
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複雑ネットワークについて論じられた興味深い一冊。
人間関係のネットワークをたどると、世界中の人々が6人程度を介せばつながる。という主張には驚いたが、本書を読むと確かにそんな気がしてくるから驚きである。
昨今のSNSブームなどをふまえて考えると興味深い。
数式を用いずに冗長な表現で語られるため、文理・専門専門外を問わず勧められる。(でもこれは数式の方がわかりやすいんじゃないか?という箇所もちらほら)
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ヒント満載。ただし、付け焼刃でいじると大やけどかもしれない。
ネットワークそのものが持つ自己組織化のチカラについて。そのチカラが必然としてもたらす、要素の偏在について。
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ネットワーク科学の全般的な書
科学の本だけど数式は出てこない。数学が嫌いな人でもすんなり読めると思う。
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おすすめ この本以降に整理された啓蒙書はいくつかあれどこれぐらい大風呂敷にひとつの理論の魅力にせまれたのはない。はじめはこれでしょう。想像力を刺激されますヨ。
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この本はおもしろいよっ広く感じるこの世界。でも知り合うはずのない有名人もアフリカに住むファーマーも誰だって決して遠い存在ではないことを感じたの。事実ネットワークの世界では24人かいせば誰とでも知り合うことができる☆
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「6次の隔たり」
ネットワークって要は、物がいっぱい集まったらどうなるか?って話みたい。
なんで富が集中するか(投資によって得られる利益は、投資額に比例するから。売買や課税は格差を是正する。)、なんで強い絆だけじゃなく、弱い絆も大事か(社会のショートカットをもたらすから)・・・
とかね。
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人、ネット、交通網。
普段、余り意識しないだけでネットワークというものは身近な所に多く存在している。
その事をこの本で初めて気付く。そして、自分自身もその中に組み込まれている事も。
そのネットワークの仕組みを学術的に、そしてエイズや生態系などの実例を通して紹介している。
ネットワークから創られるスモールワールド。
・規則的な世界に何本かのつながりをランダム配置する事で、個々の関係はひどく近いものになる。
・ネットワークの中心となる「コネクター」の重要性(このコネクターとつながる事でネットワークの大部分と繋がりをもてる)
・すべての要素が同数のリンクをもつ平和的ネットワークとコネクターがリンクの大半を占める貴族的ネットワークの存在
・ある一定の数値(ティッピング・ポイント)を超えると凄まじい勢いで広がりを見せる疫病
・強い絆と弱い絆の存在によるネットワークの形成とバランス
今まで全く触れる事のない知識であったのでとても新鮮だった。周辺の情報をまた違う視点で見る事ができそうだ。
内容的に少し難しい点もあり本も厚い。何度か読み直しが必要になるかもしれない。
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スモールワールドとは、要素間のつながり次数が比較的少ないグラフ構造である。それはいろんな構造に見られる。脳細胞、企業の重役ネットワーク、生態系、生体分子ネットワーク、WWWeb、物理ネットなど。
ランダウによれば、相互作用する「もの」の集合では、集団としての特性は多くの場合《もの》それ自体の性質には大して依存していない。よって組織構造を調べて普遍の法則を探ることに意味が生じる。
一つの要素が持つリンクの数とその要素数には冪状法則が成立する。つまり、リンク数が2倍になるとその要素数は4分の1になるなど。
ハブ要素を持つか否かでスモールワールドを2つに分類できる。
要素を通過する情報量の上限が問題になる時にシステムはハブ型から平等型にシフトする。
ティッピング・ポイントとはあるものが流行するか、しないかを分けるポイント。
スモールワールドでは流行しやすい。エイズの流行は60年代にアフリカの諸都市の交通が整備されてきたこと、軍隊などが原因。さらにハブ型スモールワールドではハブをなんとかしない限り流行するのは必然。