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『ホワイトアウト』で雪深い山間のダムでのテロリストとの死闘を描いた真保裕一が再び“山”に挑んだ。
表題作ほか全3編からなる山岳小説集。
自然現象に仮託して感情の揺れ動きを表す書き方(本作においては降る雪など)はともすればベタに感じるものですが相変わらず上手く読ませます。
『雪の慰霊碑』は胸焦がれました。
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真保裕一の『ホワイトアウト』以来の山岳モノ。収録されている3作の短編は皆面白いが、正直長編で山岳モノを読みたかったという気持ちはあります。
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山にまつわる短編3編。どれも登山の描写がすばらしく、とても楽しめた。
1,2番目の作品は、見事なオチ。
3番目にはすがすがしさが伴う。
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とても面白かったですvv
山への興味がないのに何故か惹かれて手に取ってしまっただけに、読破出来るかなと不安を抱きつつ読み始めてみたら――不器用で、純粋であろう山男たちのそれぞれのドラマをすっかり楽しんでいました。
こちらはタイトルの物語を含め、山でのドラマが3編収録。
風景描写、心理描写が丁寧だけどくどくないし、山が全然わからない私でも楽しめました。
「お〜っ」と思う展開もちゃんと準備されてて、変な殺人ミステリーとかよりも全然良い、読み応えアリのお話でした。
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好きですね。全3編からなる、短編なんだけど最初の「黒部の羆」が好きだなあ。ありきたりなんだけど、知らないからのめりこんでしまう。
真保さんの山シリーズ?
もっと山シリーズ書いて欲しい。
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真保裕一作品は質が安定しています。
先に「奪取」を読んだのだったかな。
安心して読めると思ってネット評もよかったこれに手を出しました。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、まったく見事な手腕でした。
最後に一瞬「えっ?」と思います。
というのは表題作ではなく「黒部の羆」。
表題作ももちろんよかったです。
短編が三本入っていますが、どれも雪山を題材にしたミステリで、日常とはちょっとちがう切り口でした。
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久しぶりの真保作品。お得意の雪山ものなので「ホワイトアウト」みたいなやつかと期待して読んだら、ちょっと違う趣でした。
本格的雪山登山にまつわるミステリー3編。
全編しっとりと落ち着いたストーリーで、雪山の厳しさを際立させた筆運びはさすが。
専門用語が連発で、登山など1回もしようとしたことがない私にとっては、イメージしづらかったのですが、雪山の厳しさだけは伝わってきました。
極悪容疑者やへんてこな探偵など、目を引くキャラクターは出てこず、朴とつでやさしい山男の物語です。
山に登る人はみんなこんなに正直で考え深いのかなってちょっと思いました。
大学でまじめにワンゲルしてた人が読んだら、きっとものすごい臨場感じゃなかと思います。
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山岳小説なのにミステリー。ミステリー、と言ってしまうとちょっと違うかもしれないけれど、「謎」を追う男達が全員山男だから山岳ミステリーでいいんです。みんな寡黙でカッコイイ。最初の2編がとくに好きでした。山なんかちっとも興味ないはずなのに、登山シーンを一字一句読み込んでしまいました。読ませる文章力にため息。
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山岳ミステリー三篇。若いころ新田次郎をよく読んだので、随分久しぶりだなぁ、と思いながらの「山」でした。途中、去年の映画「剣岳」が頭に浮かんだり、これも若いころよく読んだ松本清張の山のミステリーを思い出したり。三篇は、「黒部の羆」「灰色の北壁」「雪の慰霊碑」。「山をやる」ことによって、命を落とす人、残されて一生を悔恨の情で送る人・・。私のような家で本を読んでいるのが一番幸せ、と思うような者には考えられない厳しい山の世界の話で、特に、雪山の場面が多かったものですから、なんでそんな思いをして登らなくちゃいけないの?という気持ちが湧いたのは確か・・。でも、三篇に共通して描かれる、うん、そうなんだろうな、という人情と意外な展開とには、たっぷり楽しませてもらいました。一番好きだったのは、最初の「黒部の羆」。凝った構成のお話で、「わたし」ってそもそも誰? 山を登っている二人って、今のことなの?それとも20年前?などと、行きつ戻りつしながら読ませられて、とても面白かったし、時を経て穏やかに山と向き合う人の気持ちがいい感じに奥行きを持って描かれていたと思います。
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海外遠征に選ばれた、外された。
恋人あるいは妻をとられた、とる。
単独行において唯一の証拠である頂上から撮った写真についての疑惑。
遭難死した息子を追って山に入る父親。
山岳小説というより、山をモチーフにした小説というべきかな。ちょっと期待はずれだった。
小説だからいろいろな要素を織り込んで、ひねりをきかせて仕立てるのはいいんだけれど、パートナーを妬んで登攀中に不幸を願ったり、人の登頂を疑ったり、邪悪な気持ちばかりが鼻について、すんなり話に入っていけなかった。
また実在のクライマーや山を多数登場させているのに、肝心の話の舞台の山が架空のものだったりすると、なんだか興ざめするのであった。
小説として読むならそれはそれで面白いと思う。
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人間の死と、残された人々が抱く葛藤を描いた短編3作品が収められています。山岳小説の部類というよりもミステリーに近い。1作品目は主人公のすり替えトリックが上手い。2作品目は表題作のため深く考えさせられる内容です。3作品目はう~んコメントに困ります、一番嫌いかも。
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うまい具合に話を繋げているな、と思った作品。
山岳小説でした(笑)
山岳を描く際というのは矢張り精神的なものの描き方というのがドコとなく大事だと思えてしまうのは実際自分が山に登ったことがないからなんでしょうね。
あんまり大変さの想像がつかない、というか。
矢張り挑もうとすら思えないというか。
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本のタイトルと同名の小説を含む短編小説が3篇収録されています。 全てのストーリーが、厳冬期前後の雪山が舞台。 それぞれ別の主人公が山にまつわるストーリーを展開していきます。 著者である真保裕一は自身のエッセイで、登山の経験はほとんど無いと 語っていますが、登山をしていく描写はまるで見てきたか、自分の経験を 書き込んでいるかのようで非常に臨場感があり、自分が登山しているかの 様に感じる事が出来ます。 (登山経験が無いからかもしれませんが。) また、登山を通じて、人生の迷いを断ち切ったり、逆に人生を狂わ
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1.黒部の羆 2.灰色の北壁 3.雪の慰霊碑 の3編収録。
1.は遭難時に仲間を責めるのではなく、山を愛するからこそ、苦しい立場に置かれた友を救う気持ちを受け継いでいくのが肝心だという事。改めてクライマーには強靭な精神力が必要であると感じた。
2.はホワイトタワーと呼ばれるヒマラヤ初登攀について、1枚の写真が訴える疑惑とは・・・。
3.は冬山遭難で息子を亡くした父が、命日に同じ山へ向かう。息子と同じ山岳会に所属していた野々垣が真実を伝えようと・・・。
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雪山を舞台にした3編の小説集。山男たちの心情が描かれていて読みながら引き込まれていった。
3編の中では、題名にもなっている「灰色の北壁」がよかった。