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「ひとを殺しちゃいけないのはなぜ?」
「先生を好きになっちゃったんだけど、どうすればいい?」
みたいな答えのない問いに、ちゃんと相手と意見を交換するための、正しい考え方のプロセスが書かれた本。
東大を全共闘で中退して後、小論文の講師として長年務めていた筆者の「論」に対する熱い想いが、ぐいぐい読む者を惹きこませる。
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11感情や関心のあり方、態度をぴったりと言い当てられるような「ことば」が必要
18畏怖する存在を見ることは、自分の小ささやせせこましさを自覚することにもつながる
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[ 内容 ]
自分の頭で考えられる人はどこが違うのか?
周りを唸らせるにはテクニックが必要である。
投げかけられた問いの論点をつかみ、キイワードを見つけ、反論を予想しながら発想を深めていく。
「文学部に行って将来役に立つのか」「先生を好きになってしまったらどうする?」といった身近な話題に始まり、「なぜ人を殺してはいけないのか」「なぜ善良な人が不幸にみまわれるのか」といった哲学的な議論にも挑戦。
さまざまなテーマ、切り口で出題された小論文問題を材料に、発想のヒントをやさしく順序立てて解説する。
[ 目次 ]
1 関係をつかむことば
2 近代的な考え方の枠組み
3 ことばを分析し、対立概念をつくる
4 対照的なことばを見つける
5 問いを発見する
6 テーマを発見する―発想を豊かにする
7 問いを変換する
8 なぜ人を殺してはいけないのか―道徳と倫理
9 旅の終わりに―制度と風景
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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高校生の小論文をベースにした「解答の導き方」を記したものだけど、高校生以外にも十分にためになる本。
本書は、問題となっている曖昧な言葉を定義するとか問い自体を問い直すとか、基本でありながらなかなか実践できない思考の技法を、小論文の問題をもとに鮮やかに使いこなして見せてくれる。
「ちゃんと考える」ってのはこういうことなんだよなあ、と深い納得感を抱くことができた。
ただ、最後の方はちょいと失速した感があるなあ。そこが若干のマイナスポイント。
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在野の哲学者であり、駿台予備校で小論文を教えていた著者が、大学入試の小論文の問題を解説している本です。
人文系の問題が多くとりあげられており、実践的な発想のテクニックを紹介した本ではない。大学受験の小論文試験の参考書という趣で、あまり一般向けに書かれたとはいえないように感じました。
大学の小論文試験で求められているのは、課題文や資料から問題を読み取ることと、論理的に構成された文章を組み立てることといってよいと思いますが、本書では前者のみに焦点があてられています。
第1章と第2章では、問題を理解するために著者が生徒たちに出題したワーク問題が示されていて、考えるための手順が理解しやすいように感じました。しかし他の章では、「近代」や「私」についての著者のテーマ解説に終始していて、「考える技法」というタイトルにしてはいささか無手勝流にすぎるのではないかという不満を感じてしまいました。個人的には、きっちりワークをこなしていくことで「考える技法」を実地に身につけていくようなスタイルの本にしてほしかったように思います。