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関数解析の基礎 ∞次元の微積分 みんなのレビュー
- 堀内 利郎 (共著), 下村 勝孝 (共著)
- 税込価格:4,180円(38pt)
- 出版社:内田老鶴圃
- 発行年月:2005.4
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紙の本
復習から応用のための関数解析
2019/03/14 00:38
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名が気になったので買って読んでみた.
悪い点
・線型代数の復習で次元の定義が基底の存在に依存しているため連続関数の空間が無限次元であることを直接示せていない(解答ではきちんと線型代数的に示している)
・定理の証明で理解しにくい論理変形をしたり一意性の証明を省略したりひとつだけ証明に誤りがある定理がある
・ハーン-バナッハの定理・一様有界性定理・開写像定理に触れられていない
・「Aをヒルベルト空間H上の0でないコンパクト, 自己共役作用素とする. このとき, 相異なる固有値の列{λ_n}は有限列であるか, lim_(n→∞)λ_n=0である.」という定理にAがコンパクト作用素という仮定は要らない(宮寺「関数解析」など参照)
・2箇所でヒルベルト空間Hの部分空間Wに対して
W^⊥⊥=clW (Wの閉包)
を使っている(※1)がこれは自明ではない.
・内積の連続性(※2)と下からの三角不等式(※3)を用いているがこれらも自明ではない
良い点
・概念や定義を挙げるごとに豊富な例を併記しているので証明を抜きにしても理解しやすい
・実数論の「上に有界な単調増加数列は収束する」ことの自己共役作用素版が紹介されている.
・超関数の導入が意外と天下り的でなく後に正則超関数と特異超関数の場合分けをしており実感が湧く
・応用について詳しく特に自己共役作用素と形式的自己共役作用素を分別している
・コーヒーブレイクがおもしろい
関数解析を学ぶよりは関数解析の復習をして応用を目指す人におすすめしたい. なお超関数の厳密な定義は「新訂版 数理解析学概論」が参考になる.
(※1)
有限次元部分空間Wは常に閉集合ゆえ
W^⊥⊥=clW (Wの閉包)
は
W^⊥⊥=W
とは不整合ではない.
(※2)-(※3) 宮寺「関数解析」はのレビューを参照されたい.
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