紙の本
老いへの準備
2009/06/02 22:32
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
60歳でボケる人 80歳でボケない人 フレディ松川 集英社文庫
お寺さん参りをしていて、境内に架けてあるたくさんの絵馬をながめることがあります。学校や就職の合格、恋愛と結婚、健康、家族円満などの願い事が多い中、ときおり見かけるのが、おじいさんに対するお願いごとです。「怒りっぽいところを治してほしい」とか「人の悪口ばかり、言わないで」とか、なかなか深刻なようで、この世から消してくださいみたいな絵馬を見かけたこともあります。
わたしも身近な人たちの悪口とお金の話しかしないお年寄りは苦手です。じぶんは、そうなりたくありません。同じことを長時間、一方的にまくしたてる人。軽い認知症なのでしょうか。彼らのお話は堂々巡りで論理的ではありません。どんな環境におかれても不平不満が尽きません。そして明解な解決策もみつかりません。
しあわせそうな家庭の未来に認知症が待ち受けています。この本ではお年寄りになるための助走を勧めています。実際50歳を過ぎれば、人生は健康にしても経済的なことにしても下り坂です。以前受講した老齢に向かうための準備講座では、できるだけゆるやかな下り坂にしましょうと習いました。急な坂道になることを避ける。ましてや崖であってはいけない。
この本では、ボケ防止のためのあれこれの手法が紹介されています。いままでに言い尽くされてきたものも多く、再確認になります。だけど、長年続けてきた生活習慣を変えることはなかなかむずかしい。どうやってもぼける人はぼけるという、自分自身の結論に達しました。悪い生活習慣はストレスが原因です。悪い生活習慣を改めるためには、ストレスの発生源である仕事を辞めて健康づくりに専念しなければならないのですが、それでは生活ができかねます。177ページに、ぼけにくい職業がイラストで掲載されているのですが、ぼけは避けられても別の病気になりそうです。
年金が入るからいいやという人はぼけやすい。わたしは、その部類です。定年がゴールと思っている人がぼける。やっぱりわたしはその部類です。60歳を過ぎて大企業の社長職を務めておられる方はすごい人だと驚嘆します。
ぼけたあとの対応が大事なのですが、肝心の本人がぼけていて対応できません。
184ページまできて、それまで作者は女性だと思っていたのですが、どうも男性のようです。
248ページに自分が稼いだお金は子息に残さず自分が楽しむためにこの世で使い切りましょうみたいな記事があります。わたしも以前、人間は自分が自由になるお金がいったいいくらあったら満足できるのだろうかと考えたことがあります。最初は数千万円単位なのですが、だんだん精査していくと、結局数十万円でこと足りるという結論に達しました。お金がありすぎると人間は働かなくなります。働かなくても生活できる環境は意外に不幸な環境です。
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ボケる人とボケない人の違いを説明している本。
問題はこの本に書いてあるのが本当だったとして、この本に書いてあることを守れるかなあ、ということに他ならないわけで。
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ボケずに充実&独立した生活を楽しむ為には、今から
趣味を充実させたり、交友関係を大事にしたりの土台づくり、そして何より
イキイキと好奇心を絶やさない前向きな気持ちが大事なんだなと痛感。
結局、いくつになっても人間はポジティブで明るく生きれば人生を謳歌出来るのだと
教えてくれた本。
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高齢者について理解しようと購入した本の一冊です。高齢社会にむけて、若い世代に何を説明するか?という点では、老化には個人差が大きいということは一つ必要と思いました。
2006年9月4日と書いています。
イラストがわかりやすく状況を伝えていて、高校生に伝えるにも分かりやすいと思います。
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「60歳でボケる人80歳でボケない人」4
著者 フレディ松川
出版 集英社
p146より引用
“つまり、これではっきりしたことは、
生活習慣病の予防を心がけることが、
実はボケの予防にもなるということだ。
身体に悪いことは脳にも悪いとおぼえるといいだろう。”
医師である著者による、
ボケに関する事を記した一冊。
ボケた人の共通した特徴からボケないための方法まで、
著者の医者としての経験から得られた知識で書かれています。
上記の引用は、
第4章ボケない為の生活術の中の一文。
脳も体も健康であるためには、
普段からの心がけが大切であるようです。
p23に書かれている、
著者の病院に来られた患者さんの奥さんの言葉は、
現実的な心配ではあります。
患者さんが奥さんに長年どの様に接してきたかはわかりません、
しかしそれでも、
まるで鬼のようなセリフだと思いました。
2005年から、
ボケや痴呆は差別的表現に当たる事になっているそうですが、
本書の記述にあわせてあります。
この本に書かれているような予防策などを、
広く世間に知らせる事の方が大切だと思います。
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どのような人がボケて、どのような人がボケないのか、一つの見解にせよ、知ることができた。また、痴呆になりかけている人への対応のしかたで、その病気への速度がかわってくることも知った。
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名前がちょっとあやしいが(ペンネーム?)、著者は医学博士で湘南長寿園病院院長という立派な肩書を持つ人物。
そろそろボケが気になるお年頃ということもあって、つい手に取ってしまった本。
ボケやすい職業とボケにくい職業というのがあるそうで、
ボケやすい職業
判で押したような単調な毎日を送っている公務員
毎年同じような内容の科目を教えている教師や大学教授
頑固で堅物の職人
防御型のサラリーマン
楽しんでいない専業主婦
ボケにくい職業
手と頭を連動させている芸術家
創造的な編集者、ジャーナリスト、俳優
つねに新しい知識を必要とする科目の教師や大学教授
開業している医者
攻撃的な部署のサラリーマン
前向きでものごとにあまりこだわらない主婦やクラブのママ
(p178)
要するに、現状安住型の人は、あまりよくないようで、60歳でもボケはじめてしまうという。
ポジティブで、忙しくしている方がいいらしいです。
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アルツハイマー型認知症になりやすい人、なりにくい人の傾向を、生活習慣や性格なども含めて分析し、その予防にはどうしたらよいかを綴った本。
認知症についてはあちこちで聞くので、なんとなくそうだろうな思っていたところも多かったが、医師である著者がその臨床経験を踏まえて実例を書いているので、説得力がある。
たとえば、ボケやすい人は、常に単調な生活を送っていた勤め人が定年した後や、周囲に頼ってばかりで自分で考えることをしない人、逆にボケにくいのは、常にクリエイティブなことをしている人。
性格的には、非常に頑固で几帳面な人、気難しく協調性がないといった、偏りのある性格の人はボケやすく、おおらかでくよくよしない人、感情が豊か、人付き合いのいい人はボケにくい。
ボケ始めた人に対して、"ボケてるんじゃないか"とか、"どうしてそんなことするの"とか、責める言葉を投げ掛けると、却って症状が進むというのは衝撃だったが、確かに、正論を言っても相手には理解できないので、恐怖感を与えることにしかならないという説明に納得。
そして、認知症の症状が出始めた母に対する自分の態度が優しくなかったことを猛省。今度帰省したら優しくしよう。
ボケないための十の予防対策は、
①天気のよい日には散歩をする
②魚を食べる
③生活習慣病を治療
④いくつになっても恋心を持つ
⑤体の栄養状態に注意
⑥できるだけ外出を心がけ、社会と交わる
⑦三度の食事より好きな趣味を持つ
⑧寝たきりにならないように注意
⑨ストレス発散法を持つ
⑩心と体と経済の自立
このうち、9割りできればよいとのこと。
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ボケない高齢者9割に共通の習慣は、毎日散歩、魚をよく食べる、頭と手足を同時に使うなど。 フレディ松川「60歳でボケる人 80歳でボケない人」、2005.4発行。
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「ボケないためには、①体の自立。元気で、自分の健康を管理できる。②心の自立。自分のことは自分で解決する。③経済の自立。」と語る。
上梓が2005年。ギリ間に合ったのでしょうか。巷では、「ぼけ」「物忘れ」「痴呆」などの呼び方は、廃止されている。なんとも、世智辛い?世の中になってしまったものです。本レビューでは、書籍の記載を尊重して、使用されている用語を使用いたします。
ボケない人は忙しい、という。忙しくて、夢に向かっているからボケている暇がない、らしい。
老後は「暇」が一番、だと信じていた。(今日すべきことがない、明日すべきこともない)けど、忙しすぎる方がよかったのかもしれない。頭の活性化には。
暇=やることがない→ボケる。だからといって、ボケる人=暇でやることがないわけではない
ボケ防止法は、男性)飲む、打つ*、買う**。女性)話し、食べ、買う。と、解く。これはストレス解消と同じだそうです。(*:趣味・スポーツに打ち込む、**:異性と付き合う)
過剰に、「ボケること」に恐れることもなく、目的・夢を持って、毎日を過ごしてゆくことが、大切とのこと。
日常生活に大きな問題のボケは、社会と共存できると、語る。それを、信じてみよう。
老後は経済的な自立も難しいし、高給なアルバイトがある訳ではないから、単純作業だけだとボケるという話だから、無理やり難しく仕事して、適当にストレス発散するのが、一番かな。